上陽賦~運命の王妃~ 第30話 あらすじ/ネタバレ

皇帝の遺詔

皇帝は密かに王儇(おうけん)に遺詔の存在を明かし、自分の死後に取り出すように命じます。王儇(おうけん)が皇帝の寝宮を後にしようとした時、皇后が緊急に呼び止めます。その頃、宮門の外では蕭綦(きょうき)が王儇(おうけん)の帰りを待っていました。

皇后は皇帝の真意を探ろうとし、皇帝が太子(たいし)を廃して子澹(したん)を立てるのではないかと恐れ、王儇(おうけん)の立場を探ります。王儇(おうけん)は皇後の意図を見抜き、自分は蕭綦(きょうき)の妻であること、子澹(したん)との過去の情は過去のことであると明確に表明します。さらに、皇后が私蔵している手帕の言葉を使って皇后自身にも言えない秘密があることをほのめかします。王儇は皇后を慰め、子澹(したん)は政治家ではなく文人であると説きますが、皇後の不安は消えません。王儇は説得に努めますが、皇后には明確な約束を与えません。

その頃、蕭綦(きょうき)は宮門の外で竇夫人が発見されたとの急報を受け、王儇に理由を告げて急いで去ります。

皇后の企み

翌日、皇后は皇帝に遺詔を要求します。皇帝は周りの人々が焦りすぎていると失望し、遺詔はすでに立てられており、天命を待つのみだと答えます。皇帝の決意に焦った皇后は、遺詔を破棄して太子(たいし)に譲位し、自分は太上皇になることを提案します。皇帝は冷笑し、遺詔の場所を明かしますが、皇后が取りに行こうとした時、皇帝に制止され、暗殺未遂に終わります。

皇帝の崩御

夜更けに皇帝が崩御します。知らせは豫章(よしょう)王(よしょうおう)府と丞相府に瞬く間に広がります。蕭綦(きょうき)はすぐに東宮を封鎖し、太医を拘束し、援軍を待機させます。王儇は悲しみに暮れながらも、宮中で波乱が起き、大切な人々が巻き込まれることを悟ります。

東宮での対峙

蕭綦(きょうき)は王藺(おうりん)と東宮で対峙し、なぜ大局を守らず太子(たいし)を人質に取ったのかと問いただします。王藺(おうりん)は言い訳をし、王儇を盾にしますが、蕭綦(しょうき)は動じず、自分の立場を貫きます。龐癸(ほうけい)が宮中の知らせをもたらし、王儇はすぐに車を用意して宮中に向かうよう命じます。一方、龐癸(ほうけい)には遺詔を取りに行くように命じ、自身は皇帝の寝殿に別れを告げます。皇后は王儇に近づくことを許さず、お辞儀をして見送るだけです。王儇は皇後の様子がおかしいことに気づき、皇帝の死について探ります。皇后は言葉を濁し、権力闘争に話題をすり替えようとします。

遺詔の発表

遺詔が現れ、皇后は慌てふためきます。皇位が子澹(したん)に渡ると思い、王儇に遺詔を破棄するように懇願し、大きな約束をします。王儇は皇後の狼狽ぶりに驚きを隠せません。皇后が遺詔を奪おうとした時、侍女がそれを阻止します。これは王儇が事前に準備していたものでした。王儇は遺詔を手に外に出ると、遺詔の内容を発表します。皇位は太子(たいし)に継承されることになりました。太子(たいし)は喜びのあまり泣き崩れ、皇后はショックで気を失います。

しかし、王藺(おうりん)は諦めず、太子を拘束し続けます。王儇は説得を試みますが、無駄に終わります。王藺(おうりん)は蕭綦(しょうき)に太子の不適格を述べ、輔佐監国の提案をします。蕭綦(しょうき)は妥協を拒否します。王藺(おうりん)は火薬で脅迫し、緊迫した空気が漂います。その時、長公主(ちょうこうしゅ)が宮中に入り、事態は新たな展開を迎えます。

第30話 感想

第30話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。皇帝の遺詔をめぐる攻防、皇后の焦りと動揺、王儇の冷静さと強さ、そして蕭綦(しょうき)の決意と行動、それぞれのキャラクターがそれぞれの思惑を抱え、緊迫した展開が続きました。

特に印象に残ったのは、王儇の皇后に対する態度です。皇后は王儇に遺詔を破棄するように懇願しますが、王儇は毅然とした態度で拒否します。王儇は、皇后の弱さを見抜き、それを利用して自分の目的を達成しようとしているように感じられました。

また、蕭綦(しょうき)の決意と行動も印象的でした。蕭綦は、王藺(おうりん)の脅迫にも屈することなく、自分の立場を貫きます。蕭綦の強さと勇気は、王儇を支える大きな力となっていると感じました。

つづく