上陽賦~運命の王妃~ 第31話 あらすじ/ネタバレ

重く厳粛な雰囲気の中、長公主(ちょうこうしゅ)は王藺(おうりん)を前に、冷静かつ断固とした声で終結の期限と過去の誓言の真偽を問いただします。王藺(おうりん)は肺腑から言葉を紡ぎますが、長公主(ちょうこうしゅ)は感情の決裂を宣言し、王朝のために自らを殉葬することを誓い、王藺(おうりん)に肉親を失う痛みが味わえるよう決意を表明します。そして、周囲の驚きをよそに、自らの命を絶ちました。王藺(おうりん)は必死に止めようとしますが、時すでに遅く、悲劇を見守るしかありませんでした。

王儇(おうけん)は母の決意と死を目の当たりにして悲嘆に暮れ、心身ともに疲れ果て、その場に倒れてしまいます。蕭綦(きょうき)が駆け寄り、王儇(おうけん)が母を亡くした悲しみに加え、お腹の子供を失ったという二重の打撃を受けていることを知ります。涙はすでに枯れ果て、残されたのは果てしない悲しみと空虚感のみでした。

しかし、世の中は変わりやすく、皇帝の葬儀は予定通り執り行われ、国家の機能は維持されます。太子(たいし)子隆(しろう)は吉日に即位し、大成の新帝となります。蕭綦(きょうき)は輔政大臣に任命され、温宗慎(おんしゅうしん)は官職に復帰し、皇后は太后に昇進、謝宛如(しゃえんじょ)は皇后に冊封されます。王儇(おうけん)と蕭綦(きょうき)は長公主(ちょうこうしゅ)の葬儀の後、朝の情勢について話し合います。子隆(しろう)は帝位を固めるため、先帝の寝宮の医官と宮人を密かに処刑したことを知ります。王藺(おうりん)は同族の情から謀逆罪には問われず、結党営私の罪で投獄されたことで、王(おう)氏一族は連座を免れます。王儇(おうけん)は子隆(しろう)が王藺(おうりん)を助けてくれることを期待しますが、残酷な現実が突きつけられます。3日後に王藺(おうりん)は処刑されることになっていました。蕭綦(きょうき)は王儇(おうけん)を慰め、父に最後の別れを告げるように勧めます。

子隆(しろう)は王(おう)氏一族の謀反の真相を究明しようとするものの、太后は母族と士族の利益を守るため、深入りしないよう諫めます。子隆(しろう)は納得できないものの、無力感を感じ、太后への依存と不満が入り混じります。太后は臣子の主君を守ることは天職であり、褒美が必要であれば免死金牌で十分だと諭します。この時、謝宛如(しゃえんじょ)が懐妊したとの知らせが入りますが、太后はこれを口実に謝宛如(しゃえんじょ)の後宮管理権を剥奪し、保護の名の下に実質的な支配を行います。謝宛如(しゃえんじょ)は憤慨し、子隆の弱腰にも失望します。

太后は王藺(おうりん)を宮中に招き入れ、送り出します。かつての王(おう)氏一族のリーダーであった王藺(おうりん)に対して、太后は揺るぎない威厳を示しますが、王藺(おうりん)は囚われの身でありながらも高慢さを失わず、太后の裏切りを責め、子隆の統治能力を疑問視します。太后は王藺の孤立無援を理由に反論し、王藺は絶望のあまり酒に溺れます。太后は王(おう)氏一族の繁栄を約束します。

太后は謝宛如(しゃえんじょ)に対して常に警戒と防備を怠らず、特に懐妊後は厳重に管理し、子隆に近づかせないようにします。これは彼女の権力の基盤を揺るがさないためです。謝宛如(しゃえんじょ)は怒りと無力感に苛まれ、王(おう)氏一族の圧迫に反撃する機会を伺います。

子隆は太后に謁見し、その決断の真意を問います。太后は、王儇と蕭綦(きょうき)の関係を悪化させるため、免死金牌を踏み台にして、蕭綦(しょうき)の忠誠心と王儇の決断を試すためだと打ち明けます。蕭綦(しょうき)が王藺を救えば将士の不満を招き、救わなければ王儇と蕭綦(しょうき)の間に亀裂が生じると言うのです。

この時、王夙(おうしゅく)が駆けつけ、王儇に蕭綦(しょうき)の力を借りて王藺を救ってほしいと懇願します。彼は家族の再会と和解を望み、一族が完全に崩壊することを望んでいません。王儇は心の葛藤に苦しみ、親族からの呼びかけと現実の残酷さの板挟みになります。王夙(おうしゅく)の執念と期待は、彼女をさらに苦しめ、原則を貫くのか、親族のために譲歩するのかという難しい選択を迫られます。

第31話 感想

第31話は、長公主(ちょうこうしゅ)の壮絶な死と、王儇の深い悲しみから始まります。王藺(おうりん)の絶望と、子隆の狡猾さ、そして太后の冷酷さが描かれ、物語はさらに複雑さを増していきます。

長公主(ちょうこうしゅ)の死は、王儇と蕭綦(しょうき)に大きな影響を与えました。王儇は悲しみに沈み、蕭綦は王儇を支えながら、王藺(おうりん)を救う方法を探します。しかし、子隆の策略により、王藺(おうりん)の運命は風前の灯火となりました。

一方、子隆は太后の操り人形となり、王(おう)氏一族を徹底的に排除しようとします。謝宛如(しゃえんじょ)は子隆の弱腰に失望し、王(おう)氏一族の圧迫に反撃する機会を伺います。

つづく