上陽賦~運命の王妃~ 第34話 あらすじ/ネタバレ
太后は子隆(しろう)を呼び出し、選秀で側室を迎えるように命じます。新朝の基盤を固めるためです。子隆(しろう)は先帝の喪中であることや、皇后謝宛如(しゃえんじょ)が懐妊していることを理由に拒否しますが、太后は新帝即位直後であり、婚姻を通じて朝綱を安定させる必要があると説得します。謝皇后は中宮としての尊厳を示すため、大局を優先すべきだと諭します。
蕭綦(きょうき)と王儇(おうけん)は王家を訪れますが、王夙(おうしゅく)は宮中に召し出されており不在でした。王儇(おうけん)は王安(おうあん)を先に知らせ、蕭綦(きょうき)と邸内を散策します。楽しく談笑していると、従妹の王倩(おうせん)と叔母が訪ねてきます。叔母は世間話を装いながら、佩児のことで王儇(おうけん)の心を痛めます。王儇(おうけん)は蕭綦(きょうき)がいるため、気まずくなり、蕭綦(きょうき)を避けるように頼みます。
王家での時間はあっという間に過ぎ、王儇(おうけん)が帰ろうとすると、王夙(おうしゅく)が門まで見送ってきます。数日後に再び宮中を訪れる約束をします。叔母と王倩(おうせん)の入宮は王(おう)氏一族にとって盛大な出来事であり、太后は永安宮で宴を催します。王氏の復興を願う太后の真意を、二人は察していました。
宮中では、謝宛如(しゃえんじょ)が子隆(しろう)と密談し、群臣が側室を迎えるという噂を耳にしたことを伝えます。謝皇后は不満を感じながらも、皇后としての立場から子隆(しろう)を励まします。子隆(しろう)は謝皇后の理解に感謝し、心中には如児しかいないと誓います。
王家では、叔母と王倩(おうせん)が王儇の心の痛みを知り、入宮を勧めます。王儇は宮中での宴に召し出され、謝皇后もそれを知ります。謝皇后は太后的真意が后位交代にあることを悟り、憤慨します。
宴の後、子隆と王儇は二人きりになります。子隆は王儇の距離感に不満を表明し、私的な場では以前のように呼んでほしいと願います。二人は庭園を散策しながら、世事の移り変わりを感慨深く語り合います。子隆は王儇に恨みはないかと尋ねますが、王儇は淡々と答えます。王儇は子隆が王藺(おうりん)を許してくれたことに感謝しますが、実は蕭綦(きょうき)の尽力があったことを知ります。蕭綦(しょうき)の献身に心を揺さぶられます。
一方、子隆は太后に先帝の崩御との関係を尋ねます。王儇は緊張した様子でしたが、否定します。子隆は安心します。
王倩(おうせん)は太后と皇后に気に入られ、喜びますが、権力争いに巻き込まれていることに気づいていません。王家への帰路、王夙(おうしゅく)と遭遇します。叔母は王夙(おうしゅく)の意向を探ろうとしますが、王夙(おうしゅく)は慰めの言葉をかけて安心させます。
謝守正(しゃしゅせい)は宮中を訪れ、謝宛如(しゃえんじょ)に玉麒麟を贈り、忠誠を誓います。宋懐恩(そうかいおん)は皇陵から戻り、王儇が植えた蘭の花を贈ろうとしますが、侍女の誤解で阿越に託されます。温情と無念が入り混じった誤解です。
時局は不安定で、江南の兵士は不満を抱いています。蕭綦(しょうき)は寧朔(ねいさく)軍の力で冬服を作り、軍の士気を高めます。胡光烈(ここうれつ)には粗悪な衣服の供給源を調査させ、事態の安定に努めます。王倩(おうせん)の得意げな様子と叔母の思惑は、王夙の監視下にあります。王家内部の暗流が静かに動き始めています。
第34話の感想
第34話は、前半は王家での穏やかな雰囲気と、後半の宮廷内の緊張感が対照的で、物語が大きく動き出したことを感じさせる展開でした。
王家では、王儇と蕭綦(しょうき)の夫婦の絆が深まり、王夙の成長も描かれています。特に、王儇が蕭綦(しょうき)の献身に心動かされるシーンは、二人の関係に新たな変化が訪れそうな予感を漂わせています。
一方、宮廷では、謝皇后と子隆の夫婦関係に亀裂が生じ、太后の権力闘争が激化しています。謝皇后の苦悩や、子隆の葛藤が丁寧に描かれており、今後の展開が気になります。
また、王倩の登場は、王家内部の新たな火種となりそうです。王倩と叔母の思惑が、王家と宮廷にどのような影響を与えるのか、注目です。
つづく