上陽賦~運命の王妃~ 第35話 あらすじ/ネタバレ
豫章(よしょう)王(よしょうおう)府の静寂の中で、王儇(おうけん)は徐姑姑(じょこくこ)と静かに話をしていた。王儇(おうけん)は蘇錦児(そきんじ)が以前と比べて微妙に変化していることに気づき、心がざわついた。徐姑姑(じょこくこ)は穏やかに慰め、蘇錦児(そきんじ)は離れている間に誰にも知られていない変化を経験したのかもしれないと言った。王儇(おうけん)は蘇錦児(そきんじ)を深く愛しており、常に妹のように接してきたため、彼女のために良い縁談を探そうと心に決めた。
その後、王儇(おうけん)は玉秀(ぎょくしゅう)の部屋を訪れた。ちょうど阿越が宋懐恩(そうかいおん)が薬と花を贈ったことを話しており、その言葉には少し変わった様子が感じられた。一方、胡光烈(ここうれつ)は冬服の汚職事件を徹底的に調査した結果、戸部侍郎の謝守正(しゃしゅせい)が疑わしいと判断した。胡光烈(ここうれつ)は、謝守正(しゃしゅせい)が公金を横領し、賄賂を受け取っているだけでなく、宴席で皇権を軽視し、世家門閥の安逸さを称賛するなど、とんでもないことを言っているのを直接聞いた。怒りに震えた胡光烈(ここうれつ)は、部下の制止がなければその場で謝守正(しゃしゅせい)を捕らえようとしていた。
夜が訪れ、忽蘭(くらん)の使節団がひそかに都に到着した。胡光烈(ここうれつ)は人混みの中で宿敵の忽耶奇(こつや き)を見つけ、すぐに馬を走らせて豫章(よしょう)王(よしょうおう)府に戻り、蕭綦(きょうき)に報告した。蕭綦(きょうき)は、この使節団の訪問には何か裏があるのではないかと感じていた。相談している最中に、兵士が数人の忽蘭(くらん)の使者が王妃に会いたいと申し出たことを報告してきた。王儇(おうけん)はそれを聞いてすぐに身支度を整え、蕭綦(きょうき)と一緒に前厅に向かった。王儇と蕭綦(きょうき)が到着する前に、忽耶奇(こつや き)と蕭綦(きょうき)の間には緊張した空気が漂っており、一触即発の雰囲気だった。王儇が部屋に入ると、穏やかな態度で忽耶奇(こつや き)に深夜の訪問の理由を尋ねた。忽耶奇(こつや き)は賀蘭箴(がらんしん)から贈られた珍しい花を丁寧に差し出した。この花は忽蘭(くらん)の霍独峰に咲く百年に一度の花で、解毒や怪我の治療に効果があるという。王儇は貴重な花であることを感じながらも、遠慮して断ったが、蕭綦(しょうき)は代わりに受け取り、賀蘭箴(がらんしん)に感謝の言葉を伝えるように忽耶奇(こつや き)に伝えた。
夜が更け、王儇は箱の中の花を見つめていた。寧朔(ねいさく)での出来事が次々と蘇り、特に自衛のために使った鳳釵を見て、複雑な気持ちになった。王儇は、都が再び混乱に陥るのではないかと心配した。
しばらくして、賀蘭箴(がらんしん)は使節団を連れて新帝の子隆(しろう)に謁見し、即位を祝った後、婚姻の話を持ち出した。賀蘭拓(がらんたく)の名で成公主との結婚を希望したが、実際には王儇を娶りたいと考えていた。子隆(しろう)は心を動かされ、賀蘭箴(がらんしん)の願いを聞き入れた。そして、夜宴で王儇と賀蘭箴(がらんしん)の誤解を解くことを約束した。
謝宛如(しゃえんじょ)はこの話を聞いて、子隆(しろう)に夜宴を延期して多くの士族の女性を招待することを提案した。子隆(しろう)は謝宛如(しゃえんじょ)の提案を受け入れ、蕭綦(しょうき)を呼び出して国政について話し合った。蕭綦(しょうき)はこれを機に、世家大族から軍資金を集め、子隆(しろう)から5千両の黄金を援助してもらい、軍の急を要する問題を解決した。婚姻相手については、子隆は顧家の娘である顧采薇(こさいび)に決めたと告げ、蕭綦(しょうき)には夜宴では自制心を保ち、忽蘭(くらん)の使臣と衝突しないようにと注意した。
一方、謝宛如(しゃえんじょ)と太后は、忽蘭(くらん)の使節団が夜に豫章(よしょう)王(よしょうおう)府を訪れたことを知り、蘇錦児(そきんじ)の身元に疑念を抱き、彼女を尋問するために人質に取らせた。蘇錦児(そきんじ)は従妹に会いに行くと言って外出していたが、王儇は蘇錦児(そきんじ)は幼い頃から孤児だったと語っていたため、玉秀(ぎょくしゅう)は疑問に思った。
与此同时、胡光烈(ここうれつ)は謝守正(しゃしゅせい)の汚職の証拠を蕭綦(しょうき)に提出した。蕭綦は胡光烈に監視を続け、機が熟したら行動を起こすように命じた。帳簿を調べていると、蕭綦は宋懐恩(そうかいおん)の名前が記載されていることに気づいた。蕭綦は葛藤を抱えながらも、私心を優先してそのページを破り捨てた。家に帰ると、王儇は宋懐恩(そうかいおん)が玉秀(ぎょくしゅう)を気にかけていることを話し、2人をくっつけようとした。蕭綦は反対の言葉を口にしなかったが、心の中では複雑な思いが渦巻いていた。
第35話の感想
第35話は、ストーリーが大きく動き出し、今後の展開が気になる回でした。
まず、王儇と蕭綦の夫婦関係が描かれていました。王儇は蘇錦児(そきんじ)のために良縁を探そうとしており、蕭綦は王儇を気遣う様子が見られました。しかし、宋懐恩(そうかいおん)の存在が二人の間に微妙な影を落としています。
また、忽蘭の使節団の登場により、朝廷の勢力争いが激化しそうです。賀蘭箴(がらんしん)の婚姻の提案は、王儇と蕭綦にとって大きな問題となるでしょう。
さらに、謝守正(しゃしゅせい)の汚職事件が明らかになり、蕭綦は難しい決断を迫られます。宋懐恩(そうかいおん)の名前が帳簿に記載されていたことも気になります。
つづく