上陽賦~運命の王妃~ 第39話 あらすじ/ネタバレ
王儇(おうけん)は顧采薇(こさいび)との会話を終えた後、謝宛如(しゃえんじょ)と偶然出会います。謝宛如(しゃえんじょ)は表面上王儇(おうけん)に過剰な熱意を示し、今後交流を深めることを提案します。その言葉の中で、わざと自分が妊娠していることをほのめかし、王儇(おうけん)の心を揺さぶろうとします。王儇(おうけん)は少し不快感を覚えます。謝宛如(しゃえんじょ)が去ると、王儇(おうけん)は蕭綦(きょうき)と共に宴会場に入ります。
席に着くとすぐに、賀蘭箴(がらんしん)が王儇に杯を向けますが、王儇は淡々と応じません。皇帝、太后、謝宛如(しゃえんじょ)が到着すると、宴が始まります。皆、礼儀に従って三人に挨拶します。子隆(しろう)が杯を掲げて皆と飲み交わし、宴が正式に始まります。
宴席では、各勢力が暗躍し、それぞれが腹に一物抱えています。やがて、各家の士族の娘たちが才芸を披露する場面となります。王倩(おうせん)が最初に登場し、優雅な舞いで注目を集めます。一曲終わると、子隆(しろう)は彼女の舞を称賛し、王儇の昔の姿を彷彿させると言います。蕭綦(きょうき)は王儇に、彼女の舞は天下無双と聞いていたが、まだ見たことがないと声をかけます。王儇は少し得意げに、彼の様子を見て、気分が良ければ舞ってあげてもいいと答えます。
続いて、顧采薇(こさいび)が絵画で才芸を披露します。彼女が描き終えると、子隆(しろう)は彼女を公主に封じ、忽蘭(くらん)との縁組をさせて国交を固めようとします。しかし、この提案は賀蘭箴(がらんしん)に突然遮られます。賀蘭箴(がらんしん)は子隆(しろう)に王倩(おうせん)を公主に封じ、忽蘭(くらん)に嫁がせるように求めます。それは、忽蘭(くらん)が百里撤退し、戦火を鎮めるための条件としてです。大広間は一時静まり返り、太后が口を開こうとしますが、賀蘭箴(がらんしん)に再び遮られます。彼は忽蘭(くらん)の立場を代表して、子隆(しろう)に慎重に検討するよう懇願します。この魅力的な和平条件に、子隆は内心葛藤の後、ついに賀蘭箴(がらんしん)の要求を承諾します。この決定は覆しようのないものとなりました。
王儇は深い罪悪感を抱き、王倩(おうせん)が自分のせいで巻き込まれたのではないかと考えます。蕭綦(きょうき)は、たとえ王倩(おうせん)が宮中に入っても、安全は保証されていないと慰めます。その後、子隆は太子(たいし)の宮殿を訪れます。太后は、自分が選んだ貴妃候補が実現しなかったことに不満を抱きますが、忽蘭(くらん)との和平が実現すれば、犠牲もやむを得ないと理解しています。太后は子隆に、謝宛如(しゃえんじょ)が皇子を産んだとしても、太子(たいし)に立てないように約束するよう要求します。子隆は難色を示しますが、承諾せざるを得ません。
王倩(おうせん)は太后に助けを求めますが、叶いません。屋敷に戻ると、彼女は感情をコントロールできなくなり、王夙(おうしゅく)も無力感に駆られます。かつて王儇が蕭綦(きょうき)に嫁がされた時、王夙(おうしゅく)は奔走しましたが、運命を変えることはできませんでした。翌日、王儇の叔母が豫章(よしょう)王(よしょうおう)府を訪れて情けを請います。彼女の悲痛な様子は、王儇に長公主(ちょうこうしゅ)が自分を守るためにあらゆることを厭わなかったことを思い出させます。王儇は同情し、宮中に入って子隆に面会することを決意します。
王儇と対面した子隆は、彼女の意図を察しています。二人は、この事態が覆しようのないものであることを理解しています。王儇は、子隆が天子としての風格を日増しに発揮していることを称賛します。子隆もまた、安堵します。彼は、この件で翻意すれば、忽蘭とのさらなる衝突、さらには戦争を引き起こすことを知っています。そのため、約束を守る必要があることを王儇も理解しています。
一方、謝宛如(しゃえんじょ)は蘇錦児(そきんじ)を呼び出し、彼女の忠誠心と底意を探ろうとします。蘇錦児(そきんじ)は子澹(したん)を案じており、謝宛如(しゃえんじょ)の言うことに従います。王儇の命と引き換えに、子澹(したん)への忠誠を貫こうとするほどです。彼女は、蕭綦(きょうき)が王儇に避妊薬を飲ませていたことを謝宛如(しゃえんじょ)に漏らします。一方、王倩は周囲の反対を押し切って、謝宛如(しゃえんじょ)に面会しようと宮中に入ります。彼女は、謝宛如(しゃえんじょ)が自分の窮地を救ってくれることを期待しています。しかし、太后はすでにこの件に嫌気がさしており、王倩が再び邪魔をすれば追い出すように命じます。
第39話の感想
第39話は、物語が大きく動き、登場人物たちの運命が大きく変わっていく重要な回でした。特に、王倩と顧采薇(こさいび)の対照的な運命が印象的です。
王倩は、才色兼備で王儇の妹として恵まれた環境で育ちましたが、政治的な駆け引きの犠牲となり、望まない結婚を強いられることになりました。彼女の悲劇は、権力闘争の残酷さを浮き彫りにしています。
一方、顧采薇(こさいび)は、出自は王倩より劣るものの、自分の才能と努力で道を切り開き、公主に封じられ、忽蘭との和平に貢献する道を選びました。彼女のたくましさは、女性が社会で活躍できる可能性を示唆しています。
また、この回では、王儇と蕭綦(しょうき)の夫婦関係も描かれました。王儇は、王倩の不幸を目の当たりにして、政治の世界の厳しさを改めて認識します。蕭綦(しょうき)は、そんな王儇を支え、理解を示します。二人の絆は、困難な状況の中でも深まっていく様子が描かれています。
つづく