上陽賦~運命の王妃~ 第44話 あらすじ/ネタバレ

管家が駆け寄り、蕭綦(きょうき)に何が起こったのかを心配そうに尋ねます。蕭綦(きょうき)は低い声で自分が誤って毒を盛られたことを告げます。管家はすぐに太医を呼びたいと言いますが、蕭綦(きょうき)はそれを止め、不必要な騒ぎを起こさないようにすることを勧めます。

その頃、王儇(おうけん)が戻り、王夙(おうしゅく)も豫章(よしょう)王(よしょうおう)府に急いで駆けつけます。王夙(おうしゅく)は徐姑姑(じょこくこ)に事情を尋ねます。徐姑姑(じょこくこ)は王夙(おうしゅく)の追及に耐えかね、蕭綦(きょうき)が王儇(おうけん)のために避妊薬を用意していたことを打ち明けます。王夙(おうしゅく)は激怒し、蕭綦(きょうき)に説明を求めようとします。

王儇(おうけん)は心配になり、王倩(おうせん)の部屋を訪ねて真相を確かめようとします。王倩(おうせん)はすでに準備をしており、避妊薬の事実を認めただけでなく、蕭綦(しょうき)が自分を騙して王儇(おうけん)の子を産ませようとしたと反論します。この言葉は晴天の霹靂のように王儇(おうけん)を驚かせ、彼女はすぐに太医を王府に呼ぶように命じます。

一方、王夙(おうしゅく)は蕭綦(しょうき)の部屋に直行し、怒りに任せて毒と失血で弱っている蕭綦(しょうき)に暴行を加えます。徐姑姑(じょこくこ)はそれを目撃し、慌てて書斎に王儇を呼びに行きます。

王儇が書斎に駆けつけると、蕭綦(しょうき)は血だらけで服が乱れた姿で、王夙は怒りに満ちています。彼女は蕭綦(しょうき)の身に起こったことに心を痛め、真相を疑います。徐姑姑(じょこくこ)は冷静に分析した結果、蕭綦の行動は王儇の身体を気遣ったものであり、王倩(おうせん)の件には別の理由があるか、蕭綦が媚薬を誤って飲んだ可能性があると推測します。彼女は王夙に落ち着いて太医の診断を待ってから判断することを勧めます。王夙は渋々承諾します。

間もなく、申太医(しんたいい)が到着します。王夙は他の人を退室させ、王儇の健康状態について尋ねます。書斎では、王儇が蕭綦の傷を丁寧に包帯し、薬を飲ませた理由を問いただします。蕭綦は隠すことができないと悟り、正直に打ち明けます。そして、名医を探して王儇の病を必ず治し、子供は必ず王儇の子にすると誓います。この言葉は王儇の心を動かし、彼女は蕭綦を疑うのをやめます。2人のわだかまりは徐々に解けていきます。

申太医(しんたいい)の診断によると、蕭綦が飲んだ薬は非常に強力なものでしたが、すぐに血を抜いて毒を排出することができたため、重傷を免れたとのことです。王儇はそれを聞くと、すぐに王倩(おうせん)のところに向かいます。薛氏(せつし)は心配そうに蕭綦と王夙の争いについて尋ねます。王儇はすべてを知っていると言い、王倩(おうせん)に説明を求めます。王倩は嘘を重ねますが、王儇に事実を暴かれてしまいます。2人が言い争っている最中、王夙が賀蘭箴(がらんしん)の借用証を持って現れ、王倩母娘の陰謀を暴露し、その卑劣さを非難します。王儇は借用証を交換せずに、それを餌にして王倩に謝罪させ、懲罰として忽蘭(くらん)への遠嫁を宣言します。

太后は豫章(よしょう)王(よしょうおう)府の出来事に注目し、昨夜の出来事をすぐに把握します。賀蘭箴(がらんしん)も王夙から連絡を受け、忽耶奇(こつや き)を派遣して調査させます。途中、忽耶奇(こつや き)は江夏王府に向かい、王倩の冊封の宣旨を伝える使者と遭遇します。王倩の婚期は宋懐恩(そうかいおん)の婚期と同じ日であることが判明します。冊封の後、王倩は泣き止まず、王夙はうんざりして、王倩が遠嫁した後、王氏の当主として薛氏(せつし)を琅琊に追い返し、二度と京に戻ることを許さないことにします。

豫章(よしょう)王(よしょうおう)府では、王倩母娘が去り、王儇と蕭綦はようやく安寧を得ます。2人は約束通り、お互いに何も隠さないことにします。蕭綦は躊躇した後、王藺(おうりん)が亡くなったことを王儇に告げます。王儇は驚き、突然の知らせを受け入れることができません。

一方、蘇錦児(そきんじ)は密書を受け取り、子澹(したん)がすでに京に戻ったことを知って喜びます。子澹(したん)は蘇錦児(そきんじ)を密かに呼び寄せ、皇陵に戻ることを告げ、王儇の近況を尋ねます。蘇錦児(そきんじ)は子澹(したん)の境遇を不憫に思いますが、子澹(したん)は淡々と受け入れます。彼は王儇が無事であることを確認するためだけに来たのであり、その愛情と気遣いは言葉に表せません。

第44話 感想

第44話は、豫章(よしょう)王(よしょうおう)府に嵐が吹き荒れた回でした。王倩の陰謀が明らかになり、蕭綦と王儇の間に亀裂が生じ、王夙は怒りに震え、王儇は苦悩します。しかし、この嵐は同時に、2人の絆をより強固なものにしました。

蕭綦は王儇を深く愛しており、彼女の身体を気遣って避妊薬を用意したことが明らかになりました。王儇もまた、蕭綦の真心を感じ取り、疑いを解きます。2人は互いに心を開き、信頼を深めていきます。

一方、王倩は自分勝手な行動で周囲を傷つけ、ついに破滅を迎えます。彼女の悪事が暴かれ、忽蘭(くらん)への遠嫁を命じられます。この結末は、彼女の行いの代償であり、悪には必ず報いがあることを示唆しています。

つづく