上陽賦~運命の王妃~ 第52話 あらすじ/ネタバレ
謝宛如(しゃえんじょ) は、王儇(おうけん)に幼い息子 馬静(ばせい) の養育を懇願します。朝の争いから遠ざけ、平凡な生活を送らせたいと願う彼女は、王儇(おうけん)の助けを切実に求めます。王儇(おうけん)は子隆(しろう)に情けを乞おうとしますが、謝宛如(しゃえんじょ)に優しくも毅然と止められます。太后付きの侍女が催促する中、謝宛如(しゃえんじょ)は跪いて馬静(ばせい)を王儇(おうけん)に託し、養育の恩に報いるため、彼を王儇(おうけん)の責任とすることを誓います。王儇は感動して承諾し、馬静(ばせい)に詩や礼儀を教え、健康に成長させることを約束します。別れ際、謝宛如(しゃえんじょ)は我が子を見つめ、運命の最終章に一人で立ち向かうために決然と振り返ります。
王儇は馬静(ばせい)を抱き、襁褓の中で皇后の令牌を発見します。彼女は謝宛如(しゃえんじょ)の言葉の真意を悟り、幼い息子を抱いて式乾殿へと歩みを進めます。殿内では、太后は疲れて眠っており、子隆(しろう)は病を押して王儇と馬静(ばせい)の姿に複雑な表情を浮かべます。王儇は謝宛如(しゃえんじょ)の遺言を伝え、子隆(しろう)は王儇と蕭綦(きょうき)に対する過去の過ちを悔やみます。暗殺の真相については、権力闘争のせいだとぼやかします。突然、子隆(しろう)は馬静を危険にさらしたことを後悔し、王儇に彼を連れて遠くへ逃げるように命じます。馬静の未来は王儇に託されました。その時、太后が目覚め、子隆(しろう)は王儇にすぐに立ち去るように命じます。
王儇は従い、馬車を走らせて城外へ出ます。途中、龐癸(ほうけい)と遭遇します。龐癸(ほうけい)は寧朔(ねいさく)軍の全滅と子隆の暗殺疑惑を知り、情勢が不安定になることを予感して、家臣を解散させ、暗衛を隠していました。王儇は彼の行動を称賛し、同行を誘います。
宮中では、温宗慎(おんしゅうしん)は国事を優先するよう太后に強く勧めますが、太后は蕭綦(きょうき)が黒幕であると信じ、王儇とその関係者全員を捕らえるよう命じます。王儇が馬静を連れて逃亡したという知らせに、太后は激怒して気を失います。李将軍(りしょうぐん)は追跡を命じられ、宮門を守る魏邯(ぎかん)は旧情を思い出し、王儇を見逃して真実を隠蔽し、皇后の侍女が出宮したと嘘をつきます。
太后が目を覚ますと、太医は彼女が意識不明の状態になる可能性があると診断し、難病に人々は不安を募らせます。温宗慎(おんしゅうしん)はこれを機に太后の名を借りて朝政を安定させようと、子澹(したん)を新君に擁立するよう提案しますが、太后は強く反対します。太后は馬静こそが皇室の正統な後継者であると主張し、温宗慎(おんしゅうしん)の動機を疑い、不忠者として叱責します。温宗慎(おんしゅうしん)は憤然と立ち去ります。馬静を早く見つけるため、太后は金全を宮殿に呼び寄せます。
一方、王儇と馬静は城外の安全な場所で一時的に身を潜めています。未来は不確実ですが、彼女は母親として馬静を守り、謝宛如(しゃえんじょ)との約束を果たす決意をしています。そして、この乱世の中の一抹の温情のために、安らぎの場所を探し求めます。
第52話の感想
第52話は、緊迫感と感動が入り混じった、物語の重要な転換点となるエピソードでした。謝宛如(しゃえんじょ)の切実な願いと王儇の決意、子隆の苦悩と後悔、そして太后の怒りと混乱が複雑に絡み合い、視聴者を釘付けにする展開となりました。
特に印象的だったのは、謝宛如(しゃえんじょ)の最期と王儇との約束です。謝宛如(しゃえんじょ)の息子である馬静を託された王儇は、皇后の令牌を発見し、謝宛如の真意を理解します。それは、馬静を皇位継承者としてではなく、一人の人間として大切に育ててほしいという願いでした。王儇は涙ながらにその約束を果たすことを誓い、謝宛如は安堵の表情を浮かべて息を引き取ります。このシーンは、二人の強い絆と母としての深い愛情が伝わってくる、感動的な場面でした。
また、子隆の苦悩も描かれていました。彼は王儇と蕭綦(きょうき)を裏切ったことを後悔し、馬静を危険にさらしたことを悔やんでいます。しかし、彼は王儇に馬静を託し、彼を逃がす決断をします。これは、子隆が自分の過ちを認め、王儇を信頼していることを示す重要なシーンでした。
一方、太后は怒りと混乱に支配されています。彼女は蕭綦(きょうき)を犯人と信じ、王儇とその関係者を捕らえるよう命じます。しかし、李将軍(りしょうぐん)の報告によると、王儇はすでに馬静を連れて逃亡したとのこと。この知らせに太后は激怒し、気を失ってしまいます。
つづく