上陽賦~運命の王妃~ 第55話 あらすじ/ネタバレ

蕭綦(きょうき)、王儇(おうけん)、賀蘭箴(がらんしん)、王夙(おうしゅく)、宋懐恩(そうかいおん)、子澹(したん)の運命が激しく交錯する!

蕭綦(きょうき)は行動できるようになると、農家から密かに抜け出し、京城の外で情報収集を開始します。そこで民衆の会話から、王儇(おうけん)が京城を離れたことを知り、寧朔(ねいさく)に行ったか、あるいは忽蘭(くらん)に連れ去られたのではないかと推測します。

禁軍は城壁に掲げられていた、いわゆる寧朔(ねいさく)軍の反逆者の首級を城外に運び出して処理しようとします。蕭綦(きょうき)は密かに後を付け、寧朔(ねいさく)軍を侮辱する禁軍を殺害し、遺体と首級に火を放ちます。そして、必ず寧朔(ねいさく)軍の汚名を晴らすと心に誓います。

その頃、王儇(おうけん)は忽蘭(くらん)王の手勢によって、野獣が徘徊する森の中に連れて行かれていました。しかし、賀蘭箴(がらんしん)が駆けつけ、王儇(おうけん)を救出します。忽蘭(くらん)王は王儇(おうけん)を殺そうとしますが、賀蘭箴(がらんしん)は王儇を軽率に忽蘭(くらん)に連れ戻したことを悔い、王儇が直面するかもしれない状況を考慮していなかったと罪悪感を抱きます。

賀蘭箴(がらんしん)は忽蘭(くらん)王のもとを訪れ、王儇にこれ以上危害を加えれば、親子関係も顧みず、忽蘭王となることを受け入れるとしても、いかなる政略結婚も受け入れないと宣言します。そして、もし誰かが王儇を傷つければ、王儇を連れて忽蘭を離れ、決別すると告げます。

忽蘭王は賀蘭箴(がらんしん)の決意に激怒し、賀蘭箴(がらんしん)に死を決意させるため、賀蘭拓(がらんたく)に王儇の抹殺を命じます。賀蘭拓(がらんたく)は忽蘭の占星術師である方師に相談します。方師は夜空を観察し、忽蘭に動乱の兆しがあると告げ、その時期が即位の大礼と近いことを示唆します。賀蘭拓(がらんたく)は方師の言葉が王儇のことであると理解します。

江南では、王夙(おうしゅく)が太后から宋懐恩(そうかいおん)を暗殺する密命を受け、王藺(おうりん)に意見を求めます。王藺(おうりん)は逆に王夙(おうしゅく)の考えを尋ねます。王夙(おうしゅく)は個人的に宋懐恩(そうかいおん)が王儇の命を何度も救ってくれたこと、公的には宋懐恩(そうかいおん)が治水に功績があり、貴重な人材であることから、殺害する理由はないと答えます。王藺(おうりん)は公私ともに宋懐恩(そうかいおん)を殺す理由がないのであれば、自分に尋ねる必要はないと告げます。

王藺(おうりん)はさらに、歴代の皇帝が即位すると王氏を弾圧してきたことを指摘し、韓氏(かんし)が賜死されて以来、王氏の子孫は屈辱に耐えてきたと語ります。そして、王夙(おうしゅく)に王氏の栄光を再び築き上げるために協力する意思があるかどうかを尋ねます。王夙は少し躊躇した後、同意します。しかし、現在の彼らの勢力だけでは成功は難しいと判断し、宋懐恩に力を借りる必要があると判断します。

その頃、宋懐恩は京城の情報をすでに得ており、軍を率いて帰京しようとしていました。そこに王夙も駆けつけます。宋懐恩は王夙が自分を阻止するために来たと勘違いしますが、王夙は宋懐恩と一緒に帰京するために来たと告げ、太后的密命を見せます。宋懐恩は失望と怒りに震えます。蕭綦(きょうき)と共に忽蘭の侵略から大成を守ってきたにもかかわらず、このような仕打ちを受けるとは思いもしませんでした。

王夙は宋懐恩の怒りを利用し、どちらも誰かの操り人形になりたくないはずだと説得し、同盟を提案します。王夙は宋懐恩が同盟を受け入れない場合、宋懐恩を生かしておくことはできないと事前に兵士に命じていました。宋懐恩は躊躇した後、王夙の提案を受け入れます。ただし、蕭綦(きょうき)の汚名を晴らすことを条件とします。王夙は蕭綦(しょうき)が自分の妹婿であることを理由に、蕭綦(しょうき)をこのまま惨死させることはないと約束します。さらに、宋懐恩は王儇を探し出すことを要求します。王夙はすでに捜索隊を派遣したと答えます。

一方、子澹(したん)は大赦令を出そうとしており、温宗慎(おんしゅうしん)は懸念を抱き、子澹(したん)と話し合おうとしますが、子澹(したん)は人前に姿を現しません。蘇錦児(そきんじ)が謁見を希望していると聞き、王儇の消息を尋ねるために慌てて部屋を出ます。蘇錦児(そきんじ)は子澹(したん)に王儇がすでに亡くなったと告げます。王儇は蕭綦(しょうき)の死を知って悲嘆に暮れ、蘇錦児(そきんじ)が必死に子澹(したん)の元に帰るよう説得しましたが、楝羽山に行って崖から身を投げ、殉死したと説明します。子澹(したん)はショックを受け、蘇錦児(そきんじ)が嘘をついていると信じようとせずに、床に崩れ落ちます。

果たして、王儇の運命は?蕭綦(しょうき)は冤罪を晴らすことができるのか?そして、子澹(したん)は王儇の死を受け入れることができるのか?今後の展開に目が離せません!

第55話感想

第55話は、これまで積み重ねてきた伏線が回収され、今後の展開を予感させる、非常に重要な回でした。

まず、蕭綦(しょうき)の行動力と決意に注目したいです。彼はまだ完全に回復していないにもかかわらず、危険を顧みず情報収集のために京城に戻り、さらに寧朔(ねいさく)軍の名誉を守るために禁軍を殺害し、遺体と首級を火葬します。彼の強い意志と行動力は、今後さらに大きな力を発揮していくでしょう。

また、賀蘭箴(がらんしん)と忽蘭王の対立も激化しています。賀蘭箴(がらんしん)は王儇を守るために忽蘭王に反抗し、忽蘭王は賀蘭箴(がらんしん)を処分するために賀蘭拓(がらんたく)に王儇の抹殺を命じます。この対立は、忽蘭の内部抗争に発展する可能性もあり、今後の展開に大きな影響を与えるでしょう。

さらに、王夙と宋懐恩の同盟も注目すべき点です。彼らは太后の密命や自身の立場に不満を抱いており、お互いに協力することで状況を打開しようとしています。この同盟は、蕭綦や王儇の救出に役立つ可能性もありますが、裏切りや衝突の可能性も孕んでいます。

最後に、子澹(したん)の悲劇的な結末にも注目したいです。彼は蘇錦児(そきんじ)の嘘を信じてしまい、王儇の死を受け入れることができず、精神的に大きなダメージを負います。彼の今後がどうなるのか、非常に気になります。

つづく