上陽賦~運命の王妃~ 第60話 あらすじ/ネタバレ

蕭綦(きょうき)は王儇(おうけん)、救出された大成民衆、捕虜となった賀蘭拓(がらんたく)を連れて寧朔(ねいさく)城下に到着する。城門を守っていた牟連(むれん)将軍(ぼうれんしょうぐん)は蕭綦(きょうき)と王儇(おうけん)の姿を見て驚き、急いで開門を命じる。しかし、もう一人の劉将軍は蕭綦(きょうき)を反逆者とみなし、入城を拒否する。両者がもめている間に忽蘭(くらん)軍が追いつき、寧朔(ねいさく)城は依然開いていない。劉将軍は牟連(むれん)将軍(ぼうれんしょうぐん)を捕らえ、忽蘭(くらん)軍への矢を放つよう命じる。しかし、城下には大成民衆と蕭綦(きょうき)がいるため、兵士たちは躊躇する。城門が開かないため、蕭綦(きょうき)は少数の兵士を率いて忽蘭(くらん)軍と戦う。戦闘中、突然城上から矢が放たれ、蕭綦(しょうき)たちは後退する。この矢によって忽蘭(くらん)軍は撃退される。しばらくして、城門が開き、牟連(むれん)将軍(ぼうれんしょうぐん)と寧朔(ねいさく)軍は民衆を保護する。牟連(むれん)将軍(ぼうれんしょうぐん)は蕭綦(しょうき)を裏切り者とは信じておらず、蕭綦(しょうき)が生きている限り忠誠を誓うと宣言する。蕭綦(しょうき)は感動し、寧朔(ねいさく)で不当に殺された兵士たちの名誉を回復すると約束する。そして、蕭綦(しょうき)は賀蘭拓(がらんたく)に近づき、二度と大成を侵略すれば容赦しないと警告する。しかし、戦いを避けるため、今回は見逃すことにする。賀蘭拓(がらんたく)は感謝せず、蕭綦を殺すと宣言して去っていく。

城内に入った蕭綦は、牟連(むれん)将軍(ぼうれんしょうぐん)と劉将軍が蕭綦を救出するため、劉将軍を拘束していたことを知る。蕭綦は劉将軍の拘束を解き、謝罪する。そして、二度とこの件に触れないよう命じる。劉将軍は恐縮し、蕭綦の謝罪を受け入れる。この件はこれで解決する。蕭綦は寧朔(ねいさく)に戻ると、真相を究明し、寧朔軍の名誉を回復するために、王儇(おうけん)と共に兵を率いて上京することを決意する。王儇(おうけん)は真相が明らかになった後、故郷の人々と向き合うことができないのではないかと不安に思うが、蕭綦と共に立ち向かうことを決意する。大成各地で反乱が勃発する中、蕭綦は軍を率いて叛乱を鎮圧しながら上京を目指す。

上京の各勢力は、蕭綦が生きていること、叛乱を鎮圧していることを知る。しかし、皮肉にも蕭綦自身は反逆者の汚名を着せられている。叛乱鎮圧から半年後、蕭綦は10万の兵を率いて上京に迫る。群臣は蕭綦への対応を協議する。温宗慎(おんしゅうしん)は、子澹(したん)に蕭綦への反逆罪を赦免し、叛乱鎮圧の功績を称える詔勅を出すことを提案する。状況が好転する可能性があるという。

この半年間、蘇錦児(そきんじ)は妊娠していた。王儇(おうけん)の帰還を知り、不安に駆られる。温宗慎(おんしゅうしん)は子澹(したん)に蕭綦の処遇について相談する。子澹(したん)は温宗慎(おんしゅうしん)を冷嘲熱諷し、蕭綦は来た道を戻ればいいと主張する。温宗慎(おんしゅうしん)は群臣にこのことを伝える。この状況では、宋懐恩(そうかいおん)に蕭綦を説得してもらうしかない。宋懐恩(そうかいおん)は仕方なく承諾する。

宋懐恩(そうかいおん)は朝廷の使者と共に蕭綦のもとを訪れ、これ以上進軍しないよう説得する。宋懐恩(そうかいおん)は蕭綦に誥命を授けようとするが、蕭綦は朝廷が豫章(よしょう)王(よしょうおう)としての自分を認めていないのに、なぜ誥命を与えるのかと反論する。朝廷が自分を豫章(よしょう)王(よしょうおう)として認めているなら、なぜ当初自分を追いつめたのかと問う。宋懐恩(そうかいおん)の説得にもかかわらず、蕭綦は寧朔で不当に殺された兵士たちの名誉を回復することを決意する。宋懐恩はこれ以上何も言わず、誥命を地面に捨てて立ち去る。蕭綦は誥命を無視し、進軍を続ける。

第60話感想

第60話は、怒涛の展開と登場人物たちの葛藤が描かれた、見応えのある回でした。

まず、蕭綦の寧朔奪還は、彼のカリスマ性と民衆の支持がいかに強いかを改めて感じさせられました。牟連将軍の忠誠心や、劉将軍の葛藤など、登場人物たちの複雑な心情が丁寧に描かれており、ドラマに深みを与えていました。

また、王儇の決意も印象的でした。故郷の人々との再会を前に、不安を抱えながらも蕭綦と共に立ち向かう姿は、彼女の成長と強さを示していました。

一方、上京では、蕭綦への対応をめぐって各勢力が暗躍する様子が描かれました。温宗慎(おんしゅうしん)の策略や、子澹(したん)の複雑な感情など、それぞれの思惑が交錯し、今後の展開がますます気になります。

特に、宋懐恩の苦悩は胸を打つものでした。蕭綦への忠誠心と朝廷への忠誠心の板挟みになり、葛藤する彼の姿は、この物語の複雑さを象徴しているように感じられました。

つづく