上陽賦~運命の王妃~ 第63話 あらすじ/ネタバレ

朝堂の騒乱

朝堂之上、宋懐恩(そうかいおん)が声を上げ、王夙(おうしゅく)がそれに応じると、他の臣下も続々と同意する。子澹(したん)は仕方なく、蕭綦(きょうき)の願いを聞き入れ、寧朔(ねいさく)の冤魂を慰めるために自ら祭祀を行う。王儇(おうけん)も邸宅の祭壇で戦死した兵士たちを悼み、祈りを捧げる。

祭礼の後、子澹(したん)は心を込めて言葉を述べ、兵士たちの霊を慰めた後、蕭綦(きょうき)に合図をして席を立つ。

温宗慎(おんしゅうしん)と王夙(おうしゅく)の密会

間もなく、温宗慎(おんしゅうしん)は王夙(おうしゅく)に密会し、馬静(ばせい)の行方を探る。王夙(おうしゅく)は、朝廷の文武百官や各地の藩王も皆、このことに疑問を抱いているが、子澹(したん)の心を探りかねるため、誰も簡単に口に出すことができないと答える。馬静(ばせい)は先帝子隆(しろう)が定めた皇太子(たいし)であり、もし彼が戻ってくれば皇位争いが勃発し、朝廷は再び混乱に陥るだろう。王夙(おうしゅく)は温宗慎(おんしゅうしん)にこれ以上深入りしないよう忠告するが、温宗慎(おんしゅうしん)は諦めきれず、馬静(ばせい)の居場所を問い詰め、秘密は守ると約束する。しかし、王夙は王儇(おうけん)に聞いていないことを理由に、知らないと答える。

太后の怒り

温宗慎(おんしゅうしん)は太后にこのことを報告する。太后は王夙が知っているのではないかと疑う。王儇(おうけん)のことは兄である王夙にはほとんど隠せないからだ。太后はさらに、温宗慎が当初、子澹(したん)を皇帝に推挙したことに対しても不満を表明する。もしそうしなければ、今日の状況は違っていたかもしれないと。温宗慎は、大成の江山のためにそうしたのだと弁解するが、太后は温宗慎を冷血だと叱責する。温宗慎は永安宮に頻繁に訪れていることを忠誠の証として挙げるが、太后的質問には答えず、最終的に太后の怒りを買って追い出されてしまう。

子澹(したん)と宋懐恩(そうかいおん)の密談

子澹(したん)は宋懐恩(そうかいおん)を呼び出し、なぜ蕭綦(きょうき)を訪ねなかったのかと尋ねる。宋懐恩(そうかいおん)は忠誠を誓い、大成と子澹(したん)のために命を捧げ、大成を脅かす者はすべて仇敵とみなすと言い切る。子澹(したん)は喜び、宋懐恩(そうかいおん)が忠誠を尽くす限り、大成は蕭綦(きょうき)一人の天下ではないと約束する。

王儇(おうけん)の疑念

ある日、王儇(おうけん)は蕭綦(きょうき)と孤児の小禾(しょう か)、沁之(しん ち)を連れて外出する。蕭綦(しょうき)は2人が孤児であることを知り、王儇を母として認めるように言う。楽しいひと時を過ごしていたところ、宮中から太后的病状が重いとの急報が届く。王儇は急いで宮に戻ると、太后は意識が朦朧としており、子隆(しろう)と狩猟場の罠のことについて喃々と語り、子澹(したん)と賀蘭箴(がらんしん)が共謀して蕭綦(しょうき)を陥れたと非難する。王儇は驚きと疑念を抱き、永安宮を出て式乾殿に直行し、子澹(したん)に問い詰める。子澹は冷静に否定し、賀蘭箴(がらんしん)との関係を否定する。王儇は失望し、憤慨して立ち去る。その時、蘇錦児(そきんじ)がやって来て、2人の争いを目撃し、理由を尋ねるが、子澹に乱暴に突き飛ばされ、倒れてしまう。

王儇の苦悩

王儇は家に帰ると、心の中で葛藤する。真相の重さを知りながらも、蕭綦(しょうき)に告げれば天下が動揺することを恐れる。実は、太后的病は演技であり、王儇を利用して子澹の陰謀を暴こうとしているのだ。

蘇錦児(そきんじ)の秘密

一方、申太医(しんたいい)は蘇錦児(そきんじ)の脈を診て、胎児に異常があることに気づく。胎齢が入宮した時期と一致しないのだ。太医は疑問を抱くが、表沙汰にすることはできない。しかし、うっかり侍女に漏らしてしまったことで、蘇錦児(そきんじ)は自分が妊娠している子供は蕭綦(しょうき)の子ではなく、忽耶奇(こつや き)の遺腹子であることを知る。この情報はすぐに青雲(せいうん)道長の耳に入り、道長は王夙と王藺(おうりん)に報告する。王藺(おうりん)はこれを蘇錦児(そきんじ)を操る良い機会だと考え、利用することを企む。

蕭綦(しょうき)への疑念

朝廷では、蕭綦に対する議論が白熱する。各地の官僚が蕭綦に九錫の礼を授けるよう上奏する。この礼は、古来より皇帝が禅譲を行う際に授けられるものとされている。衛侯(えいこう)などは蕭綦の真意を疑うが、温宗慎は蕭綦が依然として楝羽山の変にこだわっており、今回の行動はそのためのものだと考える。

第63話「陰謀と疑惑」の感想

第63話は、陰謀と疑惑が渦巻く展開で、最後まで目が離せない内容でした。

特に印象に残ったのは、王儇の苦悩です。彼女は子澹の陰謀を知りながらも、蕭綦に告げることで天下が乱れることを恐れていました。この葛藤は、彼女の立場を考えると非常にリアルであり、共感できました。

また、蘇錦児(そきんじ)の秘密も衝撃的でした。彼女は蕭綦の子ではなく、忽耶奇(こつや き)の遺腹子を妊娠していたことが判明しました。この事実は、今後の展開に大きな影響を与えそうです。

蕭綦に対する疑念も高まっています。各地の官僚が彼に九錫の礼を授けるよう上奏しており、彼の真意が気になるところです。

つづく