上陽賦~運命の王妃~ 第67話 あらすじ/ネタバレ

青雲(せいうん)は太后に緊急の知らせを伝えた。馬静(ばせい)は王藺(おうりん)に保護されており、その真意は明らかだ。太后は驚きと安堵が入り混じる。王藺(おうりん)はさらに、明日宮門を開ける際に内応として協力してくれるよう太后に懇願する。太后は馬静(ばせい)の即位を後押しできるチャンスと捉え、快諾する。

一方、宋懐恩(そうかいおん)は王藺(おうりん)を訪ねた際、豪華な龍袍を発見する。王藺(おうりん)は、この龍袍は馬静(ばせい)のために用意されたもので、未来への期待を示していると明言する。そして、宋懐恩(そうかいおん)に選択を迫る。王(おう)氏一族に名を連ね、義子となるか、現状を維持し、粛毅伯であり続けるか。宋懐恩(そうかいおん)は忠誠と服従を示し、王藺(おうりん)の指示に従うと約束する。王藺(おうりん)は、翌日の行動が万全となるよう、宋懐恩(そうかいおん)に準備を命じる。

しかし、王藺(おうりん)が計画を練る中、突如として事態が変わる。王安(おうあん)は馬静(ばせい)を始末するよう命じられるが、王夙(おうしゅく)に阻止され、馬静(ばせい)は救出されてしまう。王藺(おうりん)の計画は大きな変更を余儀なくされる。

宋懐恩(そうかいおん)は軍を率いて出発する。玉秀(ぎょくしゅう)は心配するが、夫の行動を止めることはできない。彼女は事態の危険性を悟り、侍女を豫章(よしょう)王(よしょうおう)府に派遣し、王儇(おうけん)に救援を求める。王儇(おうけん)は宋懐恩の動きを察知しており、彼の行動を知ると、龐癸(ほうけい)を魏邯(ぎかん)に派遣して援軍を要請し、自ら宮殿に入り太后に謁見する。王儇(おうけん)は王夙(おうしゅく)が馬静を餌に陰謀を企てている可能性があると指摘し、太后に注意を促す。

馬静の失踪を知った王藺(おうりん)は、王夙(おうしゅく)の名を借りて朝廷の重臣を集め、偽の密詔で自分の正当性を主張する。密詔には皇室の玉璽(ぎょくじ)が押されており、王藺(おうりん)に重責が託されていると記されている。温宗慎(おんしゅうしん)らは疑念を抱くものの、無視することもできない。王藺(おうりん)は天下の混乱を理由に、重臣たちを威圧し、利誘する。多くは利害を考慮した末に妥協する。

太后は宮殿で焦燥に駆られながら待つが、王藺(おうりん)が攻城しようとしているとの知らせを受ける。彼女は急いで準備を整え、朝服を着て出迎えようとするが、孤立無援の状況に陥っていることに気づく。城門の下には再び玉秀(ぎょくしゅう)が現れ、宋懐恩に改心するよう懇願する。しかし、宋懐恩は泥沼に嵌り込んでおり、もはや後戻りできない。彼は攻撃を命じる。城門は轟音を立てて倒壊し、王朝の運命が改変されようとしている。

王儇(おうけん)と子澹(したん)は密道から逃亡するが、宋懐恩の追撃を逃れることはできない。戦いの末、胡瑶(こよう)は命を落とす。一方、後宮では太后が孫との再会を願うも叶わず、宮門前で息を引き取る。

最終的に、子澹(したん)と王儇(おうけん)は太極殿に逃れる。迫り来る運命に、子澹(したん)は皇帝として最後の審判に立ち向かうことを決意する。王儇は彼の傍らで寄り添い、未知の未来に共に立ち向かう。権力と忠誠の戦いで、それぞれが自分なりの道を歩み続ける。

第67話の感想

第67話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。王藺(おうりん)の策略、宋懐恩の忠誠、そして王儇の冷静さなど、それぞれのキャラクターの思惑が交錯し、緊迫感あふれる展開となりました。

特に印象に残ったのは、王藺(おうりん)が馬静を擁立するために奔走する姿です。彼は、かつての友である王夙(おうしゅく)との確執を乗り越え、馬静を皇帝に即位させようとします。その姿は、権力への執着というよりも、馬静への忠誠心から来るもののように感じられました。

また、宋懐恩の葛藤も描かれていました。彼は、王藺(おうりん)に忠誠を誓いながらも、玉秀(ぎょくしゅう)や王儇との関係に苦悩します。最終的に彼は王藺(おうりん)に従うことを選びましたが、その決断は彼にとって大きな犠牲を伴うものでした。

そして、王儇の冷静さと勇気にも注目したいです。彼女は、王夙(おうしゅく)の陰謀を察知し、太后に警告します。また、子澹(したん)とともに危険な状況に陥っても、最後まで諦めずに闘い続けます。彼女の強さは、この物語の希望の光となっています。

つづく