上陽賦~運命の王妃~ 最終回 第68話 あらすじ/ネタバレ

クライマックス

決定的瞬間、子澹(したん)は長年連れ添った佩剣を王儇(おうけん)に渡し、彼女の見守る前で自害を願う。捕虜となることで帝王の尊厳を汚すことを避けようとしたのだ。王儇(おうけん)は涙ながらに彼の願いを聞き入れる。しかし、その直後、反乱軍の鉄蹄が太極殿の静寂を破る。宋懐恩(そうかいおん)は王儇(おうけん)に退避を命じ、彼女に危害を加えるつもりはないと告げる。

激怒した子澹(したん)は宋懐恩(そうかいおん)の正体と目的を問い詰めるが、彼は蕭綦(きょうき)に自分を重ねつつ、剣で子澹(したん)の命を絶とうとする。子澹(したん)は背後に黒幕がいると指摘するが、その言葉も虚しく、王藺(おうりん)が龍袍を纏い、軍勢を率いて大殿に現れる。

衝撃の事実

王儇(おうけん)は父が生きていることに驚き、言葉を失う。王藺(おうりん)は子澹(したん)の前に歩み寄るが、宋懐恩(そうかいおん)が子澹(したん)を龍椅から引きずり下ろし、王藺(おうりん)を玉座に据える。激昂した子澹(したん)は反撃を試みるが、抑え込まれてしまう。

王儇(おうけん)はようやく声を上げ、王藺(おうりん)の行動の理由を問う。王藺(おうりん)は自分が死んでいないこと、大局のためにやむを得ずこのような行動に出たことを説明する。王氏と馬氏の基盤を守るためには自分が帝位に就くしかないのだという。

王儇は悲しみと怒りで、父に国を憂い、私利のために国を盗むような真似は止めるよう懇願する。しかし、説得は届かず、王儇は絶望のあまり、子澹(したん)の剣で自害しようとする。長公主(ちょうこうしゅ)の悲劇を思い出し、王藺(おうりん)の良心を呼び起こそうとしたのだ。

王藺(おうりん)は苦悩の末、王儇から剣を奪い、自分の責任を果たすために帝位に就くしかないと言い切る。

裏切りと決着

その瞬間、宋懐恩(そうかいおん)が背後から王藺(おうりん)を刺し、野望を打ち砕く。王儇は信じられない思いでその光景を見つめる。宋懐恩(そうかいおん)は王儇の結婚式の記念品をちらつかせ、彼女を后宮に入れようと企む。

怒り心頭の王儇は宋懐恩を平手打ちし、彼の卑劣さを責める。宋懐恩がさらに迫ろうとしたその時、蕭綦(きょうき)が軍勢を率いて駆けつけ、一矢で宋懐恩を倒し、事態を収拾する。宋懐恩は息絶える間際、寧朔(ねいさく)に戻り、権力の渦から逃れたいと願うが、叶わぬ夢に終わる。

エピローグ

反乱が鎮圧された後、王儇は重傷を負った王藺(おうりん)のもとに駆けつけるが、彼は治療を拒否する。自分の死期が近いことを悟り、王儇の幸せを願う王藺(おうりん)は、王夙(おうしゅく)と蕭綦(きょうき)を呼び寄せ、最後の言葉を託す。そして、安らかな表情で息を引き取る。王儇は悲しみに暮れ、冷たくなった父の体を抱きしめる。

天下が太平を取り戻すと、王儇と蕭綦(きょうき)は都の喧騒を離れ、寧朔(ねいさく)に戻り、平穏な生活を送る。彼らは多くの孤児を引き取り、愛情と優しさで彼らを育て上げる。その後、王儇は再び妊娠し、苦難を乗り越えた夫婦に待望の子供が誕生する。

一方、都では子澹(したん)が罪己詔を出し、皇陵に幽閉される。馬静(ばせい)は蕭綦(きょうき)の補佐を受けて帝位に就き、三族雑居地の設定、税制改革、農商の重視など、国を豊かにするための政策を実施する。崇光之治と呼ばれる繁栄の時代が幕を開け、国家はかつてない安定と発展を遂げる。

第68話の感想

上陽賦の最終回は、ドラマを通して描かれてきた愛、裏切り、そして犠牲を鮮やかに描いた感動的なクライマックスでした。

特に印象に残ったのは、子澹(したん)の壮絶な最期です。帝王としての尊厳を守るために自害を選ぶ彼の姿は、見る者の心を打たずにはいられません。また、王儇の父に対する複雑な感情も丁寧に描かれており、彼女の苦悩と葛藤に共感しました。

最終的には、悪は滅び、正義が勝利するという勧善懲悪的な結末を迎えます。しかし、その過程で多くの犠牲が払われたことを忘れてはなりません。上陽賦は、単なる恋愛ドラマではなく、権力闘争の残酷さや人間の心の闇をも描いた重厚な作品でした。

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