星漢燦爛<せいかんさんらん>第43話 あらすじ/ネタバレ
文帝(ぶんてい)の決断
越妃(えつひ)の助けがなければ、文帝(ぶんてい)は程少商のために姿を現すことはなかったでしょう。宣皇后は、この恩と自分の皇位がどのようにして手に入ったのかを複雑に感じています。彼女は、文帝(ぶんてい)と乾安王の同盟がなければ、自分が皇后になることはなかったことを知っています。しかし、越妃(えつひ)は寛大で、恨みを抱くどころか、宣皇后に心を落ち着かせ、自分の身を大切にするようにと慰めます。
この誠実な交流は、宣皇後の心を動かしました。彼女は長秋宮に戻り、程少商が愁いを浮かべているのを見て、彼女の想像を超えた強靭さを痛感します。そして、宣皇后は親族訪問を理由に、程少商を出宮させることにしました。
夜が訪れ、程少商は急いで荷物をまとめ、出宮許可証を持って宣皇后に別れを告げます。宣皇后は自分の過ちを認めようとしたのですが、程少商は彼女に迷惑をかけまいと、密かに手令を偽造して、監獄への危険な道を一人で歩み始めました。
程家の葛藤
一方、程家では、程老夫人が賭け事で負けて腹を立て、絶食をしていました。蕭元漪(シャオ・ユェンイー)は彼女の生存意欲を掻き立てるため、わざと辛辣な言葉を投げかけます。二人の態度は正反対で、蕭元漪(シャオ・ユェンイー)は程少商に長秋宮で大人しくしているように諭しますが、程老夫人は程少商が家財を持ってきて、家の男たちを救ってくれることを切望しています。
凌不疑(しのぶぎ)の策略
辺境で戦略を練っていた凌不疑(しのぶぎ)は、寿春への道中で匪賊が横行していることを知ります。寿春に無事にたどり着くためには、まずこれらの障害を排除する必要があると彼は考えていました。軍の世家子弟たちはやる気満々でしたが、実戦経験が不足しており、もしものことがあれば都の貴族たちの反感を買う恐れがありました。しかし、これらの子弟たちは忠告を無視して、勝手に匪賊を討伐しに行きました。
凌不疑(しのぶぎ)はそれに便乗して、世家子弟が山賊に捕らえられたという偽情報を流します。彭坤(ペン・クン)はまんまと騙され、食料を運んで城に戻ろうとしますが、凌不疑(しのぶぎ)が巧妙に仕掛けた罠に嵌ってしまいます。
寿春の攻防
梁毅(リャン?イー)将軍は窮地に陥っても、寿春の防衛の詳細を明かそうとはしませんでした。凌不疑(しのぶぎ)は焦らず、梁毅(リャン?イー)を落ち着かせながら、地形を探るために部下を派遣します。寿春城の防御が堅固であることを知った凌不疑は、敵の食料を断つことで、寿春を無血開城させるという作戦を立てます。
その頃、程家の変事が伝えられます。程始(チョン・シー)が顔忠(ヤン・ジョン)と共に城を出た後、寿春の反乱軍の将である馬栄(マー?ロン)が県令の印を持って城に入り、銅牛県を瞬く間に占領しました。馬栄(マー?ロン)は住民を傷つけることはなく、むしろ降伏を拒否した李逢などの県丞を公開処刑し、全城が騒然となりました。銅牛県が陥落し、寿春は攻め落とせず、文帝(ぶんてい)は手一杯で、この事件は一時的に棚上げされました。左御史は程少商が罪を逃れるために逃亡したと非難し、程始(チョン・シー)が敵に通じている疑いを強めました。凌不疑は焦燥に駆られますが、部下の安全を考慮して、軽挙妄動を慎みます。
凌不疑の潜入
熟慮を重ねた凌不疑は、食料車を隠れ蓑にして、密かに寿春城に潜入します。彭坤(ペン・クン)の邸宅を探っているうちに、彭坤(ペン・クン)と遭遇し、一触即発の状態になります。そこに彭夫人が不意に現れ、凌不疑の計画が狂ってしまいます。重囲に陥った凌不疑は、彭坤(ペン・クン)を人質に取って脱出を試みます。彭坤(ペン・クン)は凌不疑が自らを罠に嵌めたと嘲笑しますが、凌不疑は梁氏兄弟(リャンしきょうだい)率いる黒甲衛の猛攻の援護を受け、ついに城門の仕掛けを破壊して、城門を開くことに成功します。激戦の中、凌不疑は彭坤の不意打ちを受けそうになりますが、程少商から贈られた軟甲のおかげで難を逃れます。その後、彼は彭坤を都に連行して裁判を受けさせ、反乱に加担した兵士全員をその場で殺害するよう命じます。
程少商の行方
凌不疑は程少商の行方について、ある程度の目星をつけていました。彼は、程少商が今回出宮したのは、逃亡するためではなく、真相を突き止めるためだと考えていました。そのため、彼は程少商の次の目的地は銅牛県だと断定し、すぐに部隊を率いて向かいます。それと同時に、梁氏兄弟(リャンしきょうだい)も、馬栄(マー?ロン)が銅牛県を占領した後、楼犇(ロウ・ベン)に寝返ったことを突き止めます。この事件に新たな変数が加わりました。
第43話の感想
第43話は、緊迫感と感動が交錯する見応えのあるエピソードでした。程少商の決意と行動力、凌不疑の策略と勇気、そしてそれぞれのキャラクターの葛藤が丁寧に描かれていました。
特に印象的だったのは、程少商が偽の手令を使って監獄へ向かうシーンです。彼女は自分の罪を認め、責任を取ろうとする強い意志を見せました。また、凌不疑が寿春城に潜入して彭坤を捕らえるシーンも手に汗握る展開でした。彼の機転と武勇が存分に発揮されたシーンでした。
一方、程家では程老夫人と蕭元漪(シャオ・ユェンイー)の対立が描かれていました。二人の葛藤は、家族に対する愛情と責任感の表れであり、共感できるものでした。
つづく