星漢燦爛<せいかんさんらん>第49話 あらすじ/ネタバレ

夜が更け、冷たい風が程少商の心を貫き、言葉にできない寒さを与え、まるで幽冥の境の端に立たされているかのようだった。かつてすぐ側にいた凌不疑(しのぶぎ)は、今や彼岸の花のように遠く、彼の美しさには果てしない悲しみと決意が込められ、その見知らぬ感じが恐怖心を抱かせる。程少商は凌不疑(しのぶぎ)の真実の身分をすでに知っていたが、彼がその破滅への道を歩むのを阻止することはできなかった。

満族の血の海の仇を背負った凌不疑(しのぶぎ)は、復讐の炎が胸の中で燃え盛っており、程家をこの嵐に巻き込まないように、結婚式の前夜に行動を起こすことを選んだ。彼はこの旅の危険性を十分に理解しており、死を覚悟し、程少商との別れを誓い、二度と会うことはないだろう。

言葉がまだ耳に残っているうちに、左将軍が兵を率いて到着し、邸宅の外は重兵に囲まれ、程家の人々も拘束された。凌不疑(しのぶぎ)は一人外へ出て、雨のように降り注ぐ矢に立ち向かった。まさにその瞬間、梁氏の兄弟が現れ、凌不疑(しのぶぎ)に一縷の生機をもたらし、程少商は馬を駆って駆けつけ、命を顧みずに彼を救い出した。

しかし、逃亡の道は平坦ではなく、前には深い谷が、後ろには追っ手が迫っていた。程少商は凌不疑と一緒に黄泉の国へ行こうとしたが、凌不疑の表情は一変し、優しさや未練は一瞬にして決意に取って代わられた。程少商が我に返ると、凌不疑はすでに崖から身を投げており、彼女は気を失う前に崖の端に命を救う蔓草を見つけた。

幸いなことに、程少商は重傷を負ったものの、命に別状はなかった。三皇子は程少商を宮殿に連れて行き、凌不疑のために皇帝に情けを請おうとした。程家の夫婦は必死に反対し、両者は膠着状態に陥った。程少商が目を覚ますまで、昨夜の出来事が鮮明に思い出され、彼女は凌不疑が死んでいないことを知っており、心の中には希望と苦悩が入り混じっていた。最終的に、彼女は宮殿に入って皇帝に面会することを決意し、凌不疑を救うために命を懸ける覚悟をした。

途中で、三皇子は程少商に凌不疑との深い友情と、凌不疑が雁回塔事件で果たした秘密の役割を明かした。程少商はようやく悟った。自分が今まで凌不疑のことを本当に理解していなかったことを。彼女は党争には関与していないものの、凌不疑の複雑な性格に困惑していた。彼女は彼の勇気と知恵を尊敬している一方で、彼の冷酷さと決意を恐れていた。

朝議では、18人の重臣が凌不疑を弾劾し、皇帝に厳罰を要求した。崔祐(ツイ・ヨウ)らは凌不疑を支持するものの、証拠不十分で朝臣たちは意見が分かれた。程少商は適切なタイミングで現れ、凌不疑の真実の身分を暴露し、腰の胎記を証拠として提示し、人々を驚かせた。皇帝は旧情を思い出し、すぐに凌不疑の救出を命じた。

朝議が終わると、三皇子は程少商に感謝の意を表した。程少商は、左将軍らはまだ凌不疑の追跡を諦めていない可能性があるので、注意するよう忠告した。一方、凌不疑は程少商から贈られた腕輪の蔓草のおかげで命を救われ、厳しい寒さの中で必死に生き延びていた。

この経験を通して、程少商は凌不疑のことをより深く理解し、自分の信念をさらに強くした。彼女は、どんなに困難な道が待っていようとも、凌不疑と肩を並べて戦い、未来の嵐に立ち向かう必要があることを理解した。

第49話の感想

第49話は、切なさや緊張感に満ちた、息を呑むような展開が続く回でした。程少商と凌不疑の愛の深さと、それぞれの苦悩が胸に迫ります。

特に、凌不疑が復讐のために決意した行動は、彼の背負っているものの重さと、程少商への深い愛情を同時に感じさせて、心を揺さぶられました。また、程少商が命を懸けて凌不疑を救おうとする姿は、彼女の勇敢さと強い意志を証明するものでした。

クライマックスの朝議のシーンは、緊迫感に満ちており、程少商の決断と行動が事態を大きく動かした展開は、見応えがありました。

つづく