感想·評価一覧
星漢燦爛<せいかんさんらん>は、私を笑いと感動のジェットコースターに乗せてくれたドラマでした。
まず、このドラマの第一印象は「楽しい!」でした。コミカルなシーンが多く、登場人物全員が「天然ボケ」のようなキャラクターで、予想以上に笑わせてくれました。
特に印象に残っているのは、程老夫人です。彼女は欲張りなおばあちゃんですが、許娣(シュー・ディー)さんの素晴らしい演技のおかげで、その欠点が気にならなくなりました。むしろ、彼女のコミカルな言動が面白くて、登場シーンを見るたびに笑ってしまいました。
程始(チョン・シー)夫婦の掛け合いも最高でした。厳格な蕭元漪(シャオ・ユェンイー)と、優しい程始(チョン・シー)の夫婦関係は、まさに「虎の母と猫の父」という感じ。でも、夫婦の会話の中では、蕭元漪(シャオ・ユェンイー)が可愛らしい一面を見せることもあって、そのギャップがたまらなく可愛かったです。
葛氏(かっし)や凌不疑(しのぶぎ)の側近たちも、それぞれ個性的なキャラクターで、ドラマを盛り上げてくれました。葛氏(かっし)の横暴さは嫌悪感を抱かせることもありますが、彼女の演技はコミカルで、程老夫人とのやり取りは思わず笑ってしまいました。
そして、忘れてはいけないのが、程少商の兄である程少宮(チェン・シャオゴン)です。彼はいつもふざけたことを言って笑わせてくれる、ドラマのムードメーカーでした。
<せいかんさんらん>は、ユニークな作品でした。笑えるシーンが多く、テンポも良く、見ていて飽きることがありませんでした。また、様々なカップルが登場し、それぞれの恋模様にもドキドキさせられました。
このドラマは、私にとって最高の癒しとなりました。笑って、泣いて、感動して、ジェットコースターに乗っているような気分を味わうことができました。
『星漢燦爛<せいかんさんらん>』を観て、とても感動しました。特に印象に残った点は以下の通りです。
女性の自立と強さ
このドラマは、女性の自立と強さを強く訴えかけています。劇中の台詞で印象的なのは、「父母はあなたの生涯の頼りにはなりません。強い意志だけが、どんな嵐にも耐えることができるのです。いついかなる時も、大樹のように立ち続けるのです。」という言葉です。また、親が公平を装って子供を贔屓してはいけないということも指摘しています。
現代の恋愛問題
ドラマでは、現代の恋愛問題にも似た問題が提起されています。それは、男性が婚約者と部下の遺児のどちらを選ぶべきかという問題です。主人公の答えは、彼の価値観を反映しています。「人生はすべてを手に入れることはできません。誰かを犠牲にすることは避けられません。」また、婚約者と部下の遺児が同時に水に落ちた場合、主人公は「もし私がいたら、婚約者を先に助けるだろう。孤児を先に助ければ、婚約者は水草に絡まったり、水流に流されたりするかもしれない。本当に愛しているなら、愛する人に危険を冒させるわけにはいかない。」と断言しています。
ドラマのテーマ
このドラマのテーマは、天命に従うこと、そして運命に逆らわないことです。「天に情けがなければ、人は天命に従うべきである。天に情けがあれば、恋人を引き離すことはない。」という台詞が印象的です。結婚観については、「結婚は人生の一つの風景に過ぎず、成否は得失にある。どんなことがあっても、男性のために自分を捨てるべきではない。それは価値がない。」と述べています。
主人公のセリフ
主人公のセリフは、どれも深い意味を持っています。15歳の時に崑崙山の雲海を見た時のことを、「崑崙山の雲海は、空と山の頂上を漂っていて、とても綺麗でした。まるで、あの日骅县であなたが私を見た時のように。」と表現しています。また、初めて出会った時のことを、「あなたは灯を見ている時、私はあなたを見ていました。灯火は輝き、人々は賑わっていましたが、私の目にはあなたしか映っていませんでした。一目惚れとは、こういうことなのでしょう。」と語っています。
ドラマの構成
ドラマの構成は壮大で、一般の人々でさえ天下の安寧を願い、他人を思いやるべきであるというメッセージが込められています。たとえ自分が間違っていたとしても、庇護することはできず、公正に処理し、全体への影響を考慮する必要があります。ドラマの撮影手法も見事で、長回しを駆使して、一鏡で全景を捉え、美しい映像と巧妙な構図を実現しています。
登場人物
登場人物はそれぞれ個性豊かで、地位や出身に関係なく、人の価値を判断したり、卑屈になったりしてはいけません。そうすれば、人を傷つけ、自分自身を壊してしまうだけです。
ドラマの見どころは、何と言っても家族間のコミカルなやり取りです。特に、祖母役の許娣(シュー・ディー)は、一見慈悲深そうに見えながら実は腹黒い老婦人を完璧に演じきっています。表情の変化の速さや、生き生きとした演技は、見る人を笑いと同時に憎しみを感じさせます。また、許娣(シュー・ディー)が病気のふりをして高麗人参スープを一気に飲み干すシーンは、彼女の貪欲さと愚かさを露呈しています。
もう一人の叔母、葛氏(かっし)は、愚鈍で悪意が見え見えなため、すぐに退場してしまいます。一方、郭涛と曾黎(ズン・リー)演じる程氏夫婦は個性的なキャラクターで、特に曾黎(ズン・リー)演じる母親は娘への深い愛情を表現しており、複雑な感情が伝わってくるような演技が印象的です。
主人公の程少商は、幼い頃に両親と離れ離れになり、祖母に育てられます。15年後、両親が戻ってきますが、程少商は両親から冷たい扱いを受け、傷つくことになります。
このドラマで特に印象的なのは、程少商と母親である蕭元漪(シャオ・ユェンイー)の関係です。蕭元漪は、程少商が自分の思い通りにならないことに苛立ち、彼女を厳しく叱責します。しかし、その裏には、程少商への愛情が隠されています。蕭元漪は、程少商が幸せになってほしいと願っており、そのために厳しい態度を取っているのです。
程少商は、母親の愛情を感じることができず、葛氏(かっし)という女性を母親のように慕います。葛氏は、程少商に愛情を注ぎ、彼女を支えてくれます。しかし、葛氏は程家の人々から疎まれ、程少商は葛氏との関係を断絶させられます。
このドラマは、家族愛の複雑さを見事に描いています。血のつながりがあっても、必ずしも心が通じ合うとは限りません。しかし、たとえ血のつながりがなくても、愛情で結ばれた家族は存在します。
凌不疑(しのぶぎ)と程少商の愛の物語は多くの視聴者を魅了しました。彼らの物語から、美しい愛に必要な3つの要素を学ぶことができます。
1. 一途な愛
古代中国では、男性は複数の妻を持つことが許されていましたが、一人の女性だけを愛し続ける男性は稀でした。凌不疑(しのぶぎ)は、程少商と楼垚(ロウ・ヤオ)の婚約が破棄された後、すぐに皇帝に結婚を申し出ます。程少商の母が皇帝の前で娘の欠点を列挙し、結婚を拒否しようとすると、程少商は凌不疑(しのぶぎ)に「こんな私でも、あなたは娶ってくれるのですか?」と尋ねます。凌不疑は「この世に、この子以外に娶る人はいない」と断言します。この告白は、程少商を深く感動させました。三公主が凌不疑に愛を告白しても、彼は「この世に、彼女以外に愛する人はいない」と明確に答えます。この一途な姿勢は、程少商を驚かせ、感動させました。
2. 美は見る人の目の中にある。
多くの人にとって、程少商は頑固で、言うことを聞かず、知識が浅い人物です。しかし、凌不疑の目には、彼女は「この世で最高の女性」であり、天真爛漫で勇敢で、愛憎がはっきりしています。彼の目には、彼女の頑固さは天真爛漫になり、言うことを聞かないのは、自分の考えを持ち、胆力があるように映ります。凌不疑は「私の目の中で最も輝く星は、あなたです」と言います。これはまさに、「情人眼里出西施」の典型的な例です。夫婦は、お互いの良いところを見ることで、長く幸せな関係を築くことができます。
3. お互いのために変わる
多くの夫婦は、相手のために少しも変わろうとしないために、最終的に別々の道を歩むことになります。凌不疑は当初、常に冷たく、無愛想でした。しかし、程少商と付き合うようになってから、彼は自分を変え始め、彼女の考えや行動を尊重するようになります。もともと程少商は寝る前に餅を食べるのが好きでしたが、凌不疑は健康に良くないと考え、食べるのを禁止します。これが原因で、二人は何度も喧嘩をし、婚約破棄まで考えます。しかし、凌不疑は程少商を尊重することを学び、「これからは、食べたい時に食べなさい。好きなことをしなさい」と言います。彼はまた、笑顔の練習をし、程少商の家族に溶け込もうと努力します。一方、程少商は凌不疑をより深く理解するために、礼儀作法を学び、宮廷生活に適応し、より知識を深めます。二人はお互いのために変わり、共に成長することで、愛をより強固なものにしていきます。
このドラマの魅力は、何と言っても個性豊かな登場人物たちでしょう。特に、程少商と凌不疑(しのぶぎ)のキャラクターは、視聴者を惹きつける魅力に溢れています。
程少商は、天真爛漫でありながら、芯の強い女性です。彼女は、様々な困難を乗り越えながら成長していく姿が印象的キャラクターでした。
一方、凌不疑は、冷酷な一面を持ちながらも、程少商を心から愛する一途な男性です。彼の複雑な心情が、視聴者の心を揺さぶりました。
しかし、このドラマの最大の魅力は、愛と復讐が交錯するストーリー展開でしょう。程少商と凌不疑の愛は、様々な困難に阻まれ、最終的に悲劇的な結末を迎えます。
この結末は、視聴者の間で賛否両論を巻き起こしました。しかし、私はこの結末が、このドラマのテーマである「愛と復讐」をより鮮明に描き出していると思います。
愛と復讐は、相反する感情ですが、同時に密接に関連しています。愛する人を失った者にとって、復讐は唯一の救済となるかもしれません。しかし、復讐はまた、新たな悲劇を生み出す可能性を秘めています。
程少商にとって、凌不疑(しのぶぎ)は良き伴侶ではありません。 彼はあまりにも多くのものを背負い、計算しすぎているからです。 彼の甘い言葉は、彼の冷酷な手段によってかき消されてしまいます。 凌不疑の苦肉の策によって、程少商は彼を心から信頼するようになりますが、彼の名前すら偽りです。 彼は自分の計画に程少商を一切関与させず、復讐後の彼女の未来を考慮していません。 呉磊はこの役を完璧に演じきっており、程少商を覆う暗い雲のような存在感を放っています。
原作小説を読んだ後、このドラマは復讐に生きる男主が、自立したヒロインを信頼させ、愛させ、依存させ、最終的に婚約直前に捨て去る物語だと感じました。 このドラマは最初から暗い影が漂っており、いつ雷雨が訪れるか分かりません。
監督はこのドラマで、権力の圧迫感とそれを利用する快感を巧みに表現しています。 それは美しい夢を描きながら、その夢の中で傷つけられるという矛盾した感覚を視聴者に与えます。 この極端な対比が、ドラマの悲劇性を際立たせています。
まず、本作は従来の時代劇の套路を覆す斬新なストーリー展開が魅力的です。権謀術数や宮廷闘争といった要素は控えめであり、主人公?程少商の成長と自立を描くことに重点が置かれています。彼女は、幼い頃に両親と離れ離れになり、苦労を重ねてきた少女です。しかし、持ち前の明るさと芯の強さで、様々な困難を乗り越えていきます。
また、本作は随所にユーモアが散りばめられており、視聴者を飽きさせません。コミカルな演技や台詞、そして時代劇とは思えないほど現代的な音楽が、ドラマに軽快な雰囲気を与えています。
さらに、本作は現代社会への示唆に富んだ内容となっています。程少商の生き様は、現代の女性たちにも勇気を与えてくれるでしょう。彼女は、理不尽な扱いを受けながらも、屈することなく自分の道を切り開いていきます。その姿は、現代社会が抱える様々な問題に立ち向かうヒントを与えてくれるはずです。
女性キャラクターの運命
ドラマには、さまざまな女性キャラクターが登場します。彼女たちの運命は、社会的地位や性格によって大きく異なります。
塑造が比較的良いキャラクター
- 蕭元漪(シャオ・ユェンイー): 女主角の母親。女将軍として活躍する一方で、娘との関係は良好とは言えません。教育熱心なあまり、厳しすぎる一面も見られます。
- 何昭君(カ・ショウクン): 高貴な生まれながら、家族の崩壊を経験し、最終的には男三と結ばれます。当初は婚約者を軽蔑していましたが、逆賊と結婚させられ、その残虐な行為を目の当たりにします。
- 萬萋萋(ワン・チーチー): 豪快な性格の貴女。将軍の家に生まれ、13人の姉妹を持つも、男子はいません。彼女の物語は、伝統的な家庭におけるジェンダー観を反映しています。
- 越妃(えつひ): 皇帝の最初の妻であり、最終的には皇后となります。ドラマの中では比較的成功した女性キャラクターの一人です。
- 皇后: 完璧な女性のイメージ。女主角にとって精神的な母親のような存在です。高潔な人格を持ちますが、封建的な礼教の束縛により、最終的には鬱屈した人生を送ります。
- 程姎(チェン・ヤン): 女主角の従姉妹。穏やかな性格で、しばしば女主角の「完璧な」イメージと対比されます。
設定が突飛なキャラクター
- 三公主、五公主: 女主角を虐待する道具のような存在。知能が低く、行動も非常識です。
- 裕昌郡主(ユチャングンシュ): 男主角の追っかけ。初期の「雌競」の代表格であり、その追求方法は滑稽です。
- 王姈(ワン・リン): 郡主の取り巻き。最終的には遠方に嫁がされ、主人公の輝きを強めるためのキャラクターとなります。
- 文修君(ウェン・シュウジュン): 皇后の姉。嫉妬から狂気に陥り、最終的には幽閉されます。
- 楼璃: 男三の妹。脳のない悪女のイメージ。女主角に悪意を持ち、知能が低く、深みがない。
- 骆济通: 女官。男主角のために命を落とします。
率直な感想としては、前半部分の丁寧な人物描写と後半部分の壮絶な展開が非常に魅力的なドラマだったと思います。特に、主人公である程少商と凌不疑(しのぶぎ)の成長過程は、とても見応えがありました。
程少商の野性味あふれる魅力
程少商は、一見すると棘のある性格をしていますが、その裏には深い愛情と寂しさが隠されています。董舅爺(とうきゅうい)を告発したり、貴女をからかったり、五公主に草木灰をかけたりするなど、彼女の行動は常に大胆で予測不可能です。しかし、その行動の根底には、愛する人を守りたいという強い意志が流れています。
凌不疑(しのぶぎ)の復讐と愛
凌不疑(しのぶぎ)は、復讐のために生きてきた青年です。冷酷な一面もありますが、実は家族の温もりに飢えている普通の人間でもあります。程少商の笑顔は、彼の心を照らす光となりました。二人は、互いに惹かれ合いながらも、価値観の違いから衝突を繰り返します。しかし、凌不疑は程少商を心から愛しており、復讐のために5年間の別れを選ぶほどです。
脇役たちの活躍
程少商と凌不疑以外にも、魅力的な脇役たちが物語を盛り上げています。厳格な母親である蕭元漪(シャオ・ユェンイー)は、娘の真意を理解して後悔の念に駆られます。常に従順だった宣皇后は、臨終の際に自分のために生きたいという願いを口にします。文帝(ぶんてい)は、凌不疑を大切に思っていますが、小越侯の救援遅延を知って妥協を選択します。我儘な何昭君(カ・ショウクン)は、父と兄を失った後に家族の支柱となります。温和な楼垚(ロウ・ヤオ)は、骅县の変と何家の惨事を通して成長を遂げます。
前半の丁寧な描写と後半の壮絶な展開
前半は、程少商と凌不疑の人物描写に重点が置かれており、丁寧な描写が印象的です。後半は、凌不疑の復讐劇を中心に、壮絶な展開が繰り広げられます。特に、銅牛の事件やその後の数話は、緊迫感溢れる内容となっています。
に好きな結末
個人的には、54話で程少商と凌不疑が長秋宮で涙ながらに別れを告げるシーンで終わるのが一番美しい結末だと思います。悲劇的な美しさを感じさせるラストは、視聴者に強い印象を残すでしょう。