唐朝詭事録<とうちょうきじろく>-The Mystery of Kingdom- 第12話 あらすじ/ネタバレ

謝公(しゃこう)の屋敷では、二人の息子が科挙に合格し、熊刺史(ゆうしし)は蘇無名(そむめい)、盧凌風(ろりょうふう)、裴喜君(きくん)を招待して盛大な祝宴を開きます。宴会の最中、謝家の兄弟である謝明(しゃめい)、謝晦(しゃかい)が乗っていた船が転覆し、二人は溺死してしまいます。さらに、船を漕いでいた老僕も服毒自殺を遂げます。

不可解な事件に、老僕が謝家の旧僕であることは知られていましたが、その背後にある深い恨みは誰も知りませんでした。捕頭の謝班頭(しゃばんとう)は何か言いたげでしたが、謝公(しゃこう)に制止されてしまいます。

盧凌風(ろりょうふう)は謝班頭(しゃばんとう)を個人的に訪ね、真相を突き止めます。老僕の息子は謝氏兄弟と同い年で、幼い頃から一緒に読書をしていました。ある日、湖で遊んでいる時に嵐が襲い、謝公(しゃこう)の息子が危険な状態に陥ります。老僕の息子は命を懸けて謝公(しゃこう)の息子を救いましたが、謝公(しゃこう)は自分の息子を守るために老僕の息子を見捨ててしまい、老僕の息子は溺死してしまいます。老僕はこの恨みを長年胸に秘め、謝氏兄弟が成功を収めた時に命を懸けて復讐を果たしたのです。

裴喜君(きくん)は「石橋図」を思い出し、絵の中で将棋を指している童子が謝氏兄弟であり、その隣に侍っているのが老僕ではないかと疑います。蘇無名(そむめい)は恐ろしいことに、もしこの推測が正しければ、絵の中の登場人物は次々と不幸に見舞われるのではないかと考えます。

翌日、蘇無名(そむめい)は謝公(しゃこう)の屋敷を訪れて絵の中の童子の身元を確認し、張萱と謝氏兄弟、そして南州四子の関係を知ります。

蘇無名(そむめい)は「石橋図」をさらに詳しく調べ、裴喜君(きくん)は絵の中の樵夫の手がかりを発見します。盧凌風(ろりょうふう)はすぐに部下を派遣して樵夫を探しますが、樵夫が不慮の事故で亡くなったという知らせを受けます。蘇無名(そむめい)は顏元夫(がんげんぶ)の死にも不可解な点があることを確信し、熊刺史(ゆうしし)に検視を許可してもらうように頼みます。盧凌風(ろりょうふう)は中郎将ではありませんでしたが、太子の名を使って熊刺史(ゆうしし)に圧力をかけ、熊刺史(ゆうしし)はしぶしぶ承諾します。

検視の日、嵐が吹き荒れ、検視は中断を余儀なくされます。盧凌風(ろりょうふう)は反対を押し切って、蘇無名(そむめい)はようやく検視を行うことができます。検視の結果は衝撃的で、費鶏師(ひけいし)は死者の体内から百毒虫の抜け殻を発見します。この虫は非常に凶暴で、心臓を食い尽くすことができます。

蘇無名(そむめい)は盧凌風(ろりょうふう)に独り身の冷籍(れいせき)の警護を任せ、費鶏師(ひけいし)と共に毒虫の入手先を調べます。すると、遊方僧が毒虫を購入していたことが判明します。

その頃、鍾伯期(しょうはくき)から手紙が届き、初九に石橋山を訪れて四人が初めて出会った日を記念したいという内容でした。蘇無名(そむめい)は裴喜君(きくん)たちを連れて石橋山を訪れ、石橋仙境を探検し、鍾伯期(しょうはくき)たちの動向を密かに監視することにします。

「石橋図」をめぐる謎と危機が、静かに幕を開けます。

第12話の感想

第12話は、物語が大きく動き出す重要な回となりました。謝氏兄弟の死の真相が明らかになり、蘇無名(そむめい)と盧凌風(ろりょうふう)は新たな謎に直面します。

特に印象深かったのは、老僕の復讐劇です。長年胸に秘めた恨みを晴らすために、命を懸けて行動する姿には、悲壮感と同時に一種の凄みを感じました。また、裴喜君(きくん)が「石橋図」の謎に迫る展開も興味深く、今後のストーリーがますます楽しみになりました。

一方で、顏元夫(がんげんぶ)の死の真相や、毒虫の入手先など、依然として謎が残されています。蘇無名(そむめい)と盧凌風(ろりょうふう)がどのようにこれらの謎を解き明かしていくのか、目が離せません。

つづく