唐朝詭事録<とうちょうきじろく> 第17話 あらすじ/ネタバレ
蘇無名(そむめい)は、裴喜君(きくん)の絵の才能を利用して、独孤遐叔(どっこかしゅく)の夢と現実の混乱を解き明かすため、彼女を牢獄に招きました。裴喜君(きくん)は快諾し、独孤遐叔(どっこかしゅく)の口述をもとに、繊細な筆致で彼の記憶を絵に描き起こしました。
しかし、劉有求(りゅうゆうきゅう)が軽紅(けいこう)を殺害する場面を描いた絵は、盧凌風(ろりょうふう)に強い疑問を抱かせます。蘇無名(そむめい)は、裴喜君(きくん)の絵から独孤遐叔(どっこかしゅく)の精神状態が不安定であることを察知し、彼が何らかの陰謀の犠牲になったのではないかと推測します。
蘇無名(そむめい)の辛抱強い誘導により、独孤遐叔(どっこかしゅく)は2ヶ月前の記憶を語ります。雨の日、軽紅(けいこう)は独孤遐叔(どっこかしゅく)のために衣服を届けに来たが、彼が外出している間に劉有求(りゅうゆうきゅう)と出会い、文廟東堂で雨宿りをします。独孤遐叔(どっこかしゅく)が戻ると、軽紅(けいこう)が劉有求(りゅうゆうきゅう)の衣服を整えている場面を目撃し、誤解が生じます。その後、軽紅(けいこう)が頻繁に訪れるようになり、独孤遐叔(どっこかしゅく)は2人の関係を疑うようになります。ある日、彼は劉有求(りゅうゆうきゅう)と軽紅(けいこう)が親密な様子を目撃し、怒りに駆られますが、自分が巧妙に仕掛けられた罠に嵌められていることに気づきません。
事件の複雑さを察知した蘇無名(そむめい)は、盧凌風(ろりょうふう)を文廟に派遣し、吉祥(きつしょう)に真相を尋ねます。盧凌風(ろりょうふう)は文廟で乞食の冬郎(とうろう)が窃盗をしている場面に遭遇し、彼を諭した後、吉祥(きつしょう)に独孤遐叔(どっこかしゅく)の話を確認します。吉祥(きつしょう)は独孤遐叔(どっこかしゅく)の主張を否定し、衝撃的な真実を明かします。軽紅(けいこう)が見たのは、劉有求(りゅうゆうきゅう)との不適切な関係ではなく、他の2人の受験生の間の秘密だったのです。
この事実を知った盧凌風(ろりょうふう)は激怒し、牢獄に戻って独孤遐叔(どっこかしゅく)を問い詰め、衝動的に手を出します。真実を知った独孤遐叔(どっこかしゅく)は自責の念に駆られ、自害を図りますが、費鶏師(ひけいし)に助けられます。
蘇無名(そむめい)は盧凌風(ろりょうふう)の衝動的な行動を厳しく叱責します。一方、新たな手がかりが続々と明らかになり、事件は再び大きな転機を迎えます。臨州から協力を要請する文書が届き、10年前の凶悪犯?霊鑑(れいかん)の足取りが判明します。彼の凶器である鋼針は、現在の事件と酷似しています。さらに衝撃的なことに、劉有求(りゅうゆうきゅう)の父親の死も他殺の上、焼却されたことが判明し、2つの事件に密接な関連がある可能性が浮上します。
与此同时、吉祥(きつしょう)は文廟を離れて別の道を模索しようと考えますが、蘇無名(そむめい)が官職への推薦を申し出ても断ります。盧凌風(ろりょうふう)らは吉祥(きつしょう)の真意を探るため、密かに罠を仕掛けます。そして、彼の正体が10年前の逃亡犯?霊鑑(れいかん)であることが判明します。吉祥(きつしょう)は武力と知恵を駆使した追跡の末、逮捕されます。彼は出世のために軽紅(けいこう)と劉氏父子を殺害し、推薦状を盗んだことを自白します。彼の犯行動機は、科挙への狂信的な執着と、自身の運命に対する歪んだ認識から来ていました。
事件の真相が明らかになり、盧凌風(ろりょうふう)は冷静さと知恵を兼ね備えることで、複雑な真実を見抜くことができるという教訓を得ます。一方、吉祥(きつしょう)の悲劇は、自分を見失い、虚妄を追いかける人間の戒めとなりました。
第17話の感想
第17話は、複雑に絡み合った人間関係と、衝撃的な真実が明らかになる回でした。
蘇無名(そむめい)と裴喜君(きくん)のコンビは、独孤遐叔(どっこかしゅく)の精神状態を巧みに解きほぐし、事件の真相に迫っていきます。一方、盧凌風(ろりょうふう)は衝動的な行動が目立ちましたが、吉祥(きつしょう)の正体を見抜くなど、成長も見られました。
吉祥(きつしょう)の悲劇は、野心と執着が人をどこまで追い詰めるのか、考えさせられるものでした。また、蘇無名(そむめい)と盧凌風(ろりょうふう)の対比も興味深く、冷静さと知恵の重要性を改めて認識させられました。
つづく