唐朝詭事録<とうちょうきじろく>-The Mystery of Kingdom- 第18話 あらすじ/ネタバレ
学問に励み、科挙の道を志す吉祥(きつしょう)は、独孤遐叔(どっこかしゅく)の妻である軽紅(けいこう)に出会い、異様な感情を抱きます。一方、劉有求(りゅうゆうきゅう)は遊んでばかりで、父親に無理やり文廟で勉強させられますが、本性は変わらず、口実を作っては外をうろついていました。ある日、劉有求(りゅうゆうきゅう)は吉祥(きつしょう)に外へ出るのを手伝ってくれるように頼みますが、吉祥(きつしょう)は熱心に学業に集中するよう説得します。しかし、劉有求(りゅうゆうきゅう)は家柄を頼み、勉強しなくても合格できると主張します。この言葉は吉祥(きつしょう)の心に深く響き、挫折感を抱き、学業に集中できなくなってしまいます。
しばらくして、軽紅(けいこう)は文廟に衣服を届けに行った際、劉有求(りゅうゆうきゅう)に目をつけられてしまいます。ある雨の夜、劉有求(りゅうゆうきゅう)は独孤遐叔(どっこかしゅく)を家から連れ出し、軽紅(けいこう)に不埒なことをしようとします。吉祥(きつしょう)はこれを目撃しますが、独孤遐叔(どっこかしゅく)は何も知りません。吉祥(きつしょう)は軽紅(けいこう)に恋心を抱いており、自分こそが彼女にふさわしいと考えたため、独孤遐叔(どっこかしゅく)に薬を飲ませて精神を錯乱させ、劉有求(りゅうゆうきゅう)を使って嘘の情報を流して夫婦仲を裂こうと企みます。
吉祥(きつしょう)は計画通り、独孤遐叔(どっこかしゅく)が噂を信じて軽紅(けいこう)を捨てた後、彼女を連れて長安に行き、新しい人生を始めようとします。しかし、劉有求(りゅうゆうきゅう)を暗殺しようとした際に軽紅(けいこう)に見つかり、誤って彼女を殺してしまいます。吉祥(きつしょう)の夢はすべて崩れ落ちてしまいます。
蘇無名(そむめい)は最初は独孤遐叔(どっこかしゅく)を疑いませんでしたが、隣人の老人の証言から、夜中に研ぎの音を聞いたことを知り、疑念を抱きます。調査の結果、真相が明らかになります。軽紅(けいこう)は吉祥(きつしょう)と関係を持ったものの、すぐに後悔し、文廟で真実を明かそうとしたところ、殺されてしまいました。盧凌風(ろりょうふう)は吉祥(きつしょう)を非難し、愛を語る資格がないと断言します。さらに、吉祥(きつしょう)は軽紅(けいこう)を殺した後、残忍にも遺体を隠して罪を擦り付けようとしたことも告発します。
事件解決後、独孤遐叔(どっこかしゅく)は亡き妻の遺志に従い、長安で科挙の道を歩むことを決意します。盧凌風(ろりょうふう)は軽紅(けいこう)が隠していた銀锭を返し、馬を贈って、彼の旅立ちを助けます。また、裴喜君(きくん)の書簡を裴堅(はいけん)に渡すよう託されます。
盧凌風(ろりょうふう)は裴喜君(きくん)に感謝の意を表し、文廟の事件で何度も助けてくれたことに感謝します。蘇無名(そむめい)と費鶏師(ひけいし)は、2人の仲をからかうように、もうすぐいいことがあるだろうと冗談を言います。
盧凌風(ろりょうふう)は橘県県尉に任命され、最初は蘇無名(そむめい)が裏で手回しをしたと思ったのですが、蘇無名(そむめい)に指摘されて、裴侍郎が裴喜君(きくん)との仲を助けるために手配してくれたことを知ります。盧凌風(ろりょうふう)は他人に頼りたくないと思い、最初は任命を拒否しますが、裴喜君(きくん)と蘇無名(そむめい)の巧みな説得により、赴任を決意します。裴喜君(きくん)は盧凌風(ろりょうふう)の冷たい態度に少し落胆しますが、真相を知って安心します。
盧凌風(ろりょうふう)は橘県に到着すると、すぐに県令に挨拶もせずに、県衙で事件の記録を調べます。橘県には未解決事件が山積みで、特に昨年以降は多くの女性が殺害され、頭部を切断されています。前任の県尉は何もできず、民衆の間では白髪の幽霊の仕業だと噂されています。盧凌風(ろりょうふう)は事件の真相を究明しようと決意し、近年だけでなく40年前の関連事件の資料も収集します。県令の叱責や県丞の妨害にも屈せず、あえて噂の絶えない衆生堂の奥に部屋を借り、恐れを知らずに橘県の謎を解き明かそうとします。
第18話の感想
第18話は、愛と欲望、陰謀と裏切りが絡み合う、衝撃的な展開を見せる回でした。吉祥(きつしょう)の狂気と軽率さが招いた悲劇には、胸が痛む思いです。
吉祥(きつしょう)は、本来は真面目で学問に励む青年でしたが、軽紅(けいこう)への恋慕と自尊心の高さから、道を誤ってしまいました。独孤遐叔(どっこかしゅく)を陥れようと企てたのは、軽率かつ残忍な行為であり、許されるものではありません。彼の行動は、愛という感情が、時に人を盲目にすることを痛感させます。
一方、蘇無名(そむめい)と盧凌風(ろりょうふう)は、事件の真相を解き明かし、吉祥(きつしょう)の悪事を暴くことで、正義を貫きました。特に、盧凌風(ろりょうふう)が吉祥(きつしょう)の罪を糾弾するシーンは、痛快でした。
また、独孤遐叔(どっこかしゅく)の悲しみと決意にも心を打たれます。彼は、亡き妻の遺志を継ぎ、新たな道を歩むことを決意しました。彼の姿は、どんな苦難にも立ち向かう人間の強さを示しています。
つづく