唐朝詭事録<とうちょうきじろく>-The Mystery of Kingdom- 第21話 あらすじ/ネタバレ

盧凌風(ろりょうふう)は一日中何も得られず、裴喜君(きくん)はそれを聞いて診察記録を確認しに行くと、冬至の前日の記録が後から書かれたものだと気づく。薬師の供述により、慧娘(けいじょう)が確かに来たことは認めたものの、記録は翟良によって改竄されていた。翟良は仕方なく当日の出来事を説明する。翟良は美しさに惑わされ、何度も慧娘(けいじょう)と裏庭で密会をしていた。今回、慧娘(けいじょう)にも裏庭に行くように手配したが、翟良が到着した時には慧娘(けいじょう)は姿を消していた。翟良は慧娘(けいじょう)が閣楼にある墓に驚いて逃げ出したと思い、特に気にも留めなかった。後に慧娘(けいじょう)が殺されたという噂が流れ、疑われるのを恐れて記録を改竄したのだ。

費鶏師(ひけいし)は盧凌風(ろりょうふう)が自分を騙したと責め、彼に嗅がせた布には8種類の薬草が入っており、しかも全て猛毒だった。酒に浸す薬草などではなく、盧凌風(ろりょうふう)はそれが死体を包んでいた布だと認めるしかなかった。費鶏師(ひけいし)は思わず、それらは全て頭痛の治療薬であり、一般の人は一緒に使うことはない、孟老(もうろう)怪以外には、と言ってしまった。盧凌風(ろりょうふう)は費鶏師(ひけいし)と孟東老(もうとうろう)の関係を問い詰め、費鶏師(ひけいし)は兄を弔うため、兄がどこに葬られているかを知るために、孟東老(もうとうろう)と兄弟弟子であることを認める。裴喜君(きくん)が恐がらないようにするため、薛環(せつかん)は費鶏師(ひけいし)に、彼の兄である孟東老(もうとうろう)は城外40里にある山に葬られていると嘘をつく。

裴喜君(きくん)は聞き出した犯人の情報を絵に描き、異常なことに気付く。盧凌風(ろりょうふう)も死体を遺棄した人物は同一人物だと推測し、裴喜君(きくん)は数人が共通して述べている特徴を一人に描き、偶然にも費鶏師(ひけいし)が兄である孟東老(もうとうろう)と一致することに気付く。盧凌風(ろりょうふう)は仕方なく費鶏師(ひけいし)を連れて閣楼で兄を弔う。

実は、費鶏師(ひけいし)と孟東老(もうとうろう)はどちらも孫思邈の弟子であり、孟東老(もうとうろう)の本名は孟東小で、少年時代に白髪だったため、孟東老(もうとうろう)と呼ばれていた。後に孟東老(もうとうろう)が橘県に戻ってきたのは、師門から追放されたためだった。詳細を問いただした盧凌風(ろりょうふう)たちは、当時の孟東老(もうとうろう)が人体経絡を知るために墓を暴いて死体を持ち出したことを知る。このことは費鶏師(ひけいし)が師匠に報告しており、費鶏師(ひけいし)は兄に恨まれるのを恐れて弔いに行こうとしたのだ。盧凌風(ろりょうふう)はさらに、孟東老(もうとうろう)が猫を飼うのが好きだったことを知り、閣楼には4匹の猫がいることを確認する。蘇無名(そむめい)の検死で入手した猫の毛と関連付けて、盧凌風(ろりょうふう)は皆にすぐにこの場所から立ち去るように指示する。そして薛環(せつかん)に裴喜君(きくん)に付き添い、一歩も離れないように守るように命じる。

一夜考えた盧凌風(ろりょうふう)は、梁三啓(りょうさんけい)が自殺したのは秘密を隠蔽するためであり、その人物が孟東老(もうとうろう)であることに気付く。盧凌風(ろりょうふう)は県令に棺を開ける許可を求める。事件が大きくなって官の評判に影響が出ないように、県令は盧凌風(ろりょうふう)に影響を抑えるように指示する。盧凌風(ろりょうふう)は人々に、衆生堂に猫妖が取り憑いていると告げ、正午に焼却する準備をすると同時に、避難するように伝える。盧凌風(ろりょうふう)は翟良の反対を押し切って棺を開けると、意外にも棺の中には確かに骨格が存在していた。しかし、費鶏師(ひけいし)はそれが孟東老(もうとうろう)ではなく、長身の女性であると判断する。盧凌風(ろりょうふう)は棺の下に衆生堂の隠し部屋を発見する。その後、孟東老(もうとうろう)が隠し部屋にいることが判明し、薛環(せつかん)も反対側から隠し通路の出口を発見する。そこは梁三啓(りょうさんけい)が孟東老(もうとうろう)に食べ物と頭蓋骨を届けていた場所と思われる。

孟東老(もうとうろう)は40年前に管梓君(かんし くん)も自分が殺害したことを認め、死体をバラバラにしたのは、完全な骨格を保存して医学を研究し、骨経を書くためだったと述べる。半年前、頭部の病気の研究のために、仮死状態になる薬を服用した。梁三啓(りょうさんけい)は色鬼であり、連れてきた女性は容姿は美しかったものの、研究には役に立たなかった。その後、孟東老(もうとうろう)は偶然慧娘(けいじょう)を発見し、彼女が頭部の病気を持っていることに気付き、頭部の病気の研究のために殺害した。孟東老(もうとうろう)は頑なに自分の考えを曲げず、千年後には誰も自分が人殺しであることを気にする人はおらず、自分の医学書が世に伝わるだけだと主張する。

盧凌風(ろりょうふう)は孟東老(もうとうろう)を極悪非道であると判断し、速やかに処刑するよう判決を下す。費鶏師(ひけいし)は橘県に残り、人々の頭痛を治療し、翟良を弟子に迎える。費鶏師(ひけいし)の行動は人々に再世華佗と称賛される。裴喜君(きくん)は盧凌風(ろりょうふう)に付き添われて誕生日を過ごし、その後南州に戻る。別れの際に、再び盧凌風(ろりょうふう)に自分の気持ちを伝える。盧凌風(ろりょうふう)は喜君(きくん)を見送って県尉に戻ると、猫妖騒動で民衆を惑わせたとして罷免される。盧凌風(ろりょうふう)は薛環(せつかん)を連れて橘県を去る。人々は道端に並び、恩義に感謝して跪いて見送る。

第21話感想

第21話は、衝撃的な展開が続く回だった。孟東老(もうとうろう)の正体が明らかになり、彼の恐ろしい犯行が暴かれた。また、盧凌風(ろりょうふう)と裴喜君(きくん)の恋模様も描かれ、感動的なシーンもあった。

特に印象に残ったのは、孟東老(もうとうろう)の狂気的な言動だ。彼は医学への執念から、多くの人を殺害し、死体を解剖していた。その冷酷さは、見る者に恐怖を与える。しかし、一方で彼の医学への情熱も伝わってくる。彼は医学の進歩のために、手段を選ばなかったのだ。

盧凌風(ろりょうふう)と裴喜君(きくん)の恋模様も、見どころの一つだった。二人は互いに惹かれ合っているが、身分の違いや事件の解決など、様々な障害が立ちはだかる。果たして二人は結ばれることができるのか、今後の展開が気になる。

つづく