唐朝詭事録<とうちょうきじろく> 第32話 あらすじ/ネタバレ
盧凌風(ろりょうふう)は薛環(せつかん)に、男として成長するためには勉強が必要だと説得します。蘇無名(そむめい)は薛環(せつかん)を連れて寵念寺(ちょうねんじ)に行き、勉強に専念させます。人面花の被害者が多いため、費鶏師(ひけいし)は洛陽に残って解毒に専念することにします。
一方、雍州長史の杜銘(どぅーみん)は、外賓に長安のシンボルである参天楼(さんてんろう)を紹介します。参天楼(さんてんろう)は高宗時代に建設が始まり、数十年かけて完成した壮大な建物で、伝説の三十六重天に匹敵するほどの高さがあります。さらに、頂上には天子しか入れない「天外天」という神秘的な場所があります。裴堅(はいけん)はかつて天子と共に天外天に登り、長安の繁栄を見下ろしたことがあり、朝廷の大計が成功すれば、この場所で祝勝を行うことを知っていました。
しかし、平和な表面の下では暗流が渦巻いています。かつて幻術で名を馳せた沙斯(さし)は、幻術大会を機に長安に潜入し、朝廷への復讐を誓います。裴喜君(きくん)は盧凌風(ろりょうふう)に傾倒していますが、裴堅(はいけん)は彼女の身分がトラブルを招くのではないかと心配しています。また、蘇無名(そむめい)と公主の関係も、裴家を太子と公主の権力闘争に巻き込むのではないかと懸念されています。裴堅(はいけん)は天子からの信頼は厚いものの、娘にはしばらくの間、盧凌風(ろりょうふう)との接触を控えるように忠告します。
中秋が近づき、参天楼(さんてんろう)の落成式と幻術大会が同日に行われることになりました。太子は盧凌風(ろりょうふう)を呼び出し、沙斯(さし)が長安に潜伏していること、そして狄公がかつて沙スを捕らえることに失敗したことを告げます。盧凌風(ろりょうふう)は中秋までに沙スを捕らえることを誓います。盧凌風(ろりょうふう)は官職に復帰しませんが、太子の許可を得て陸仝(りくどう)と共に捜査を進めます。盧凌風(ろりょうふう)は郭庄(かく しょう)に『沙斯(さし)伝』を探させ、自らも調査を行い、万安(ばんあん)が殺害された後、乞食から手がかりを得ますが、肖像画の特定には至りません。
夜、盧凌風(ろりょうふう)は裴府を訪れ、裴喜君(きくん)に乞食の証言に基づいて沙スの肖像画を描いてもらいます。翌日、裴喜君(きくん)は肖像画を完成させ、雍州司法参軍の座を巡る争いが始まります。公主府の韋参軍と太子府の白舍人はそれぞれ、韋典軍(いでんぐん)と盧凌風(ろりょうふう)を推薦しますが、裴堅(はいけん)は苦悩の末、公主に決定を委ねます。実は、公主はすでに沙スの存在を知っており、彼を味方につけようとしましたが、親族への思いから断念していました。韋参軍が依然として沙スを利用しようとしていることを知った公主は、彼の忠誠心を疑います。
こうして、沙スと権力闘争をめぐる暗流が長安に渦巻き、盧凌風(ろりょうふう)と裴喜君(きくん)はそれぞれ重要な役割を担うことになります。
第32話の感想
第32話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。沙スの登場により、長安に暗雲が立ち込め、盧凌風(ろりょうふう)と裴喜君(きくん)は新たな脅威に立ち向かうことになります。
盧凌風(ろりょうふう)は薛環(せつかん)の成長を願い、彼を寵念寺(ちょうねんじ)に送り出します。一方、蘇無名(そむめい)は公主との関係を深め、裴家には不穏な空気が漂います。
沙スの復讐劇は、長安に混乱をもたらします。幻術大会を舞台に、朝廷と沙スの戦いが繰り広げられます。盧凌風(ろりょうふう)は沙スの捕縛に全力を注ぎますが、苦戦を強いられます。
つづく