唐朝詭事録<とうちょうきじろく> 第35話 あらすじ/ネタバレ

小乞丐は盧凌風(ろりょうふう)に遭遇を語ったが、盧凌風(ろりょうふう)は深く追求せず、賀蘭雪(がらんせつ)への食料の配達を続行させた。盧凌風(ろりょうふう)は『沙斯(さし)伝』を研究する中で、作者が天后(てんこう)に対して反感を抱いていない一方で、狄仁傑(てきじんけつ)に対しては批判的な記述をしていることに気づいた。蘇無名(そむめい)もまた、書物から異変を感じ取っていた。

蘇無名(そむめい)は、賀蘭雪(がらんせつ)を利用して沙斯(さし)を捕らえるという盧凌風(ろりょうふう)の計画について尋ねた。盧凌風(ろりょうふう)は成功の保証はないと認め、雍州長史?杜銘(どぅーみん)を含む複数の勢力が賀蘭雪(がらんせつ)を監視していることを明かした。

杜銘(どぅーみん)は狄仁傑(てきじんけつ)の遺言により洛州から雍州へ異動となり、司法参軍に就任した。狄仁傑(てきじんけつ)は彼を衝動的ではあるが、情に厚い人物と評していた。盧凌風(ろりょうふう)は賀蘭雪(がらんせつ)という糸口を利用して、一か八かの勝負に出ることを決意した。

杜銘(どぅーみん)の情報によると、幽怨(ゆうえん)楼周辺には最近、多くのよそ者や不審者が集まっているという。沙スの出現を予感した盧凌風(ろりょうふう)は、長安の名産である胭脂(えんじ)を賀蘭雪(がらんせつ)に贈った。胭脂(えんじ)紙に書かれた「沙斯(さし)以正国法」の文字に心を動かされた賀蘭雪(がらんせつ)は、盧凌風(ろりょうふう)の正体を見破り、彼の保護に感謝して一曲演奏することを約束した。

演奏後、賀蘭雪(がらんせつ)は部屋に戻って化粧をした。盧凌風(ろりょうふう)は小乞丐の楊稷(やんじー)に食事を届けるように指示し、杜銘(どぅーみん)は楼の外に網を張った。突然、誰かが賀蘭雪(がらんせつ)の部屋に侵入した。杜銘(どぅーみん)は自ら捕縛しようとし、部下には沙スが逃げたら容赦なく殺せと命じた。混乱の中で、「賀蘭雪(がらんせつ)を助けろ」という叫び声が響き、戦闘が勃発した。

盧凌風(ろりょうふう)と杜銘(どぅーみん)は逃走した白衣人を追跡したが、成果は得られなかった。部屋に戻ると、賀蘭雪(がらんせつ)が行方不明になり、楊稷(やんじー)は昏睡状態だった。盧凌風(ろりょうふう)は「楊稷(やんじー)」が易容した賀蘭雪(がらんせつ)であることに気づき、急いで追いかけて沙スと激闘を繰り広げた。最終的に、杜銘(どぅーみん)は誤って賀蘭雪(がらんせつ)を殺害し、沙スは湖に飛び込んで逃走した。

蘇無名(そむめい)は、小乞丐が以前に倒れた際に沙スに遭遇した可能性があると推測した。沙スは小乞丐の顔を模した人皮の仮面を賀蘭雪(がらんせつ)に贈ったのだ。盧凌風(ろりょうふう)は小乞丐のせいで賀蘭雪(がらんせつ)を逃がしてしまったことを自責し、蘇無名(そむめい)は賀蘭雪(がらんせつ)の死が沙スを激怒させるのではないかと心配した。

その後、宇文慕愷(ゆううぇんむーかい)が奇妙な死を遂げているのが発見された。その姿勢は「踩鬼天王」を暗示しており、盧凌風(ろりょうふう)はこれが彼らへの警告であると推測した。宇文慕愷(ゆううぇんむーかい)は参天楼(さんてんろう)の設計者であり、杜銘(どぅーみん)は彼の死が参天楼(さんてんろう)の完成と関係があると疑った。盧凌風(ろりょうふう)は長安の寺院をくまなく訪ねたが、成果は得られなかった。その後、蘇無名(そむめい)と共に宇文府で踩鬼天王の陶器を発見し、中には参天楼(さんてんろう)の設計図が隠されていた。

二人は設計図を携えて杜銘(どぅーみん)と相談したが、誰もその意味を理解できず、魯班の伝承者である封泰(ふぉんたい)に助けを求めた。封泰(ふぉんたい)は設計図を認識し、宇文慕愷(ゆううぇんむーかい)が参天楼(さんてんろう)を33階建てに拡張する難題について相談してきたことを明かした。また、ある小役人が案を提出したものの、採用されなかったが、その人物は天子に近い人物であると語った。

一方、裴堅(はいけん)は参天楼(さんてんろう)の落成式で起こりうる危機を避けるため、わざと足を怪我した。沙スはまだ捕まっていないにもかかわらず、太子は天子に幻術大会の中止を懇願したが、失敗に終わった。仕方なく、太子は天子に同行することになった。式典では、各国からの幻術師が次々と奇術を披露し、驚異的な光景が繰り広げられた。しかし、さらなる嵐が静かに近づいていた。

第35話の感想

第35話は、衝撃的な展開と謎が深まる内容で、最後まで目が離せない回でした。

特に、賀蘭雪(がらんせつ)の死は大きな衝撃でした。これまで、沙スを捕らえるための重要な鍵として登場し、盧凌風(ろりょうふう)たちと共に事件解決に奔走してきただけに、彼女の突然の死は非常に残念です。

また、宇文慕愷(ゆううぇんむーかい)の謎の死も気になります。参天楼(さんてんろう)の設計者である彼が、なぜ「踩鬼天王」のポーズで亡くなっていたのか、その真相が気になります。

さらに、沙スが小乞丐の顔を模した人皮の仮面を賀蘭雪(がらんせつ)に贈っていたという事実も衝撃的でした。沙スの狡猾さと残忍さを改めて感じさせられます。

一方で、杜銘(どぅーみん)のキャラクターにも注目です。衝動的な性格ではあるものの、情に厚く、賀蘭雪(がらんせつ)を救おうとする姿は印象的でした。

つづく