唐朝詭事録<とうちょうきじろく> 第6話 あらすじ/ネタバレ

裴喜君(きくん)は驚嚇のあまり気を失ってしまう。意識を取り戻した彼女は、助けられた時の記憶が蘇り、蕭郎がまだ生きているという強い信念を抱く。しかし、裴堅(はいけん)は残酷な真実を明かさざるを得なかった。本当の蕭将軍(しょうしょうぐん)である蕭伯昭は既に戦死しており、彼女が心を寄せていたのは金吾衛中郎将の盧凌風(ろりょうふう)だったのだ。

一方、盧凌風(ろりょうふう)は金吾獄に投獄されてしまう。裴喜君(きくん)は彼に会いたいと願うが叶わず、疑問は解決されないままだった。

朝廷では、太子と公主がそれぞれ蘇無名(そむめい)と盧凌風(ろりょうふう)を召見した。太子は蘇無名(そむめい)が長安紅茶事件を解決したことを高く評価するが、盧凌風(ろりょうふう)が元来(げんらい)を斬殺したことに対しては、無謀な行動であり功績とは言い難いとの見解を示す。一方、公主は盧凌風(ろりょうふう)に初めて会った時、故人に似ていると感じた。二人は面識がないにもかかわらず、幽離四怪(ゆうりしかい)を斬殺した彼の力量を称賛する。しかし、その直後、盧凌風(ろりょうふう)に本物の長安紅茶を飲ませ、元来(げんらい)が作ったものは偽物であることを証明しようとする。

金吾獄で反省する盧凌風(ろりょうふう)は、公主の誤解を解いてくれたことに感謝しつつも、太子の冷淡な態度に失望する。公主に赦免された後、彼は太子に事件の進展を報告しようとするが、拒否されてしまう。鬱屈した気持ちを抱えたまま、裴喜君(きくん)は家僕薛環(せつかん)と共に宴会を開き、盧凌風(ろりょうふう)を招待する。彼は最初は断るものの、裴喜君(きくん)の誠意に心を打たれ、酒を飲みに行く。

同じ頃、蘇無名(そむめい)も公主に召見されるが、公主府に対する噂を鎮静化できなかったため叱責を受ける。皇帝は事件を大理寺に移管し、民衆を不安にさせないために秘密裏に処理することを命じる。また、温超(おんちょう)殺害事件も保留された。公主は蘇無名(そむめい)に長安県令を引き継ぐように提案し、自分の助力になってくれることを期待するが、蘇無名(そむめい)は朝廷への忠誠のみを表明し、公主の要請に直接応じない。怒った公主は彼を金吾獄に戻すように命じる。

酒に酔った盧凌風(ろりょうふう)は帰路で十一娘(じゅういちじょう)に襲撃される。彼は必死に抵抗するが、宵禁違反で陸仝(りくどう)大将軍に再び投獄されてしまう。裴堅(はいけん)は深夜、金吾獄を訪れ、蘇無名(そむめい)が南州司馬に任命され、即刻赴任することになったという知らせをもたらす。これは公主の意向であり、蘇無名(そむめい)を試すためのものだった。盧凌風(ろりょうふう)は宵禁違反の罪で杖打ちを受け、宅田を没収され、長安を追放される。

郭庄(かく しょう)は忠誠心から陸仝(りくどう)に従うことを拒否し、盧凌風(ろりょうふう)と一緒に旅に出ることを決意する。費鶏師(ひけいし)は知らせを聞いて駆けつけ、盧凌風(ろりょうふう)の傷を治そうとするが、彼は拒否する。盧凌風(ろりょうふう)は絶望し、死を求める。費鶏師(ひけいし)は辛抱強く説得し、彼は誰かに陥れられたに違いないと指摘し、復讐を果たすためには傷を癒やす必要があると説く。

裴堅(はいけん)は娘を慰め、盧凌風(ろりょうふう)が左遷されたことを伝え、盧凌風(ろりょうふう)との結婚を諦めるように説得する。裴喜君(きくん)は心中に様々な思いを抱きながらも、現実の残酷さを理解し、涙ながらに承諾し、父親が新しい縁談を探してくれるのを待つ。こうして、裴喜君(きくん)は部屋に閉じ込められ、盧凌風(ろりょうふう)は南州への孤独な旅に出る。彼の心には、未来への不安と過去の深い懐かしさが入り混じっていた。

第6話の感想「謎多き展開と複雑な人間模様」

第6話は、物語が大きく動き出し、謎が深まる展開となった。裴喜君(きくん)は蕭郎の生存を信じ、盧凌風(ろりょうふう)との関係に揺れ動く。一方、盧凌風(ろりょうふう)は公主の誤解に苦しみ、太子からの冷遇に失望する。蘇無名(そむめい)は公主の期待に応えようと奮闘するが、事件の真相は依然として霧の中だ。

キャラクターそれぞれの思惑が交錯し、複雑な人間模様が描かれた。裴喜君(きくん)の純粋な思い、盧凌風(ろりょうふう)の葛藤、蘇無名(そむめい)の忠誠心、そして公主の野心。それぞれのキャラクターが持つ魅力が、物語をより一層引き立てている。

つづく