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鏡のような大唐
『唐朝詭事録<とうちょうきじろく>』の最終話を見終えました。細思恐ろしい結末に、盧凌風(ろりょうふう)の言い終わらなかった言葉のように、「大唐は一面の鏡のようだ。一面は歌舞昇平、そしてもう一面は...」と、考えさせられます。
物語を通して、盧凌風(ろりょうふう)と太子の関係の変化に注目しました。二人は当初、とても親密な関係でした。太子は盧凌風(ろりょうふう)を信頼し、盧凌風(ろりょうふう)も太子を盲目的に信頼していました。しかし、盧凌風(ろりょうふう)が飲酒で夜間外出禁止を犯し、喜君(きくん)を救うために元来(げんらい)を殺害したことで、二人の関係は転換点を迎えます。太子は盧凌風(ろりょうふう)の行動を裏切りとみなし、彼を追い出してしまいました。
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このドラマは、ミステリーと政治劇が巧みに融合されており、最後まで目が離せない展開でした。特に、登場人物たちの思惑が交錯するストーリーは、見応えがありました。
1. 盧凌風(ろりょうふう)の免職
盧凌風(ろりょうふう)は、長安紅茶事件を解決したにもかかわらず、太子によって免職されてしまいました。これは、太子が盧凌風(ろりょうふう)の能力を恐れたためではなく、太平公主との権力闘争に巻き込まれたためと考えられます。盧凌風(ろりょうふう)は、事件の真相を明らかにしたことで、太平公主の潔白を証明してしまいました。これは、太子にとって不都合なことであり、盧凌風(ろりょうふう)を排除することで、太平公主への牽制を図ったのでしょう。
2. 蘇無名(そむめい)の左遷
蘇無名(そむめい)は、長安紅茶事件を解決したことで、太平公主に能力を認められました。しかし、蘇無名(そむめい)は太平公主への忠誠を表明しなかったため、南州に左遷されてしまいました。これは、太平公主が蘇無名(そむめい)を自分の陣営に引き込むことができず、また、太子に寝返ることを防ぐためだったと考えられます。
3. 人面花事件
人面花事件では、太子が太平公主を死なせようとしませんでした。これは、太子が太平公主を殺害することで、皇帝が退位する可能性を恐れたためと考えられます。皇帝が退位すれば、太子はすぐに帝位に就くことができなくなります。そのため、太子は太平公主を殺害するのではなく、あくまで幽閉することで、自分の権力を維持しようとしたのでしょう。
4. 蘇無名(そむめい)の真意
蘇無名(そむめい)は、人面花事件の捜査中に、太平公主も人面花を使用したことを知りました。しかし、蘇無名(そむめい)は太平公主に人面花を使用した時期を尋ねませんでした。これは、蘇無名(そむめい)が太平公主を殺害する機会を逃したことを意味します。蘇無名(そむめい)は、太平公主の死によって朝堂の政治風波が収束することを望んでいたと考えられますが、太子が太平公主を殺害するのを阻止できなかったため、自分の計画を断念したのでしょう。
5. 皇帝李旦
皇帝李旦は、劇中でも史実でも、実権のない傀儡皇帝でした。皇帝の側近である元来(げんらい)は、ただの県令であり、皇帝の権力の弱さを象徴しています。長安紅茶事件では、太子と太平公主は、皇帝が事件の黒幕であることを知っていましたが、何もすることができませんでした。これは、李旦が実権のない傀儡皇帝であったことを示しています。
総括
唐朝詭事録<とうちょうきじろく>-The Mystery of Kingdom-は、ミステリーと政治劇が融合した見応えのあるドラマでした。登場人物たちの思惑が交錯するストーリーは、最後まで目が離せず、最後まで楽しめました。