風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~ 第20話 あらすじ/ネタバレ
夷則(いぞく)の消息と内奸の正体
夷則(いぞく)は頑なに口を割らず、李訳忱(りやくしん)は歯軋りしながら夷則(いぞく)を痛めつけると脅し、高秉燭(こうへいしょく)に夷則(いぞく)が発信したメッセージを見せる。高秉燭(こうへいしょく)は一つ一つ確認し、韓冬青(かんとうせい)が殺害された日に夷則(いぞく)が「法善寺で香客が騒ぎを起こし、3人が重傷を負った」というメッセージを送信していたことを突き止める。高秉燭(こうへいしょく)は、その日法善寺に香客はいなかったことを鮮明に覚えており、武思月(ぶしげつ)と百里弘毅(ひゃくりこうき)の3人だけであったことを思い出し、李訳忱(りやくしん)は安白檀(あんびゃくだん)にそのメッセージの送信先を調査するよう命じる。
一方、内衛府に拘束された百里弘毅(ひゃくりこうき)は、武思月(ぶしげつ)が護衛をつけて彼の行動を監視していることに不満を漏らし、内衛の訓練に口出しをして彼らを嘲笑する。李訳忱(りやくしん)は武思月(ぶしげつ)を呼び出し、高秉燭(こうへいしょく)が聯昉(れんほう)に潜む内奸を突き止めたことを伝える。韓冬青(かんとうせい)の死で苦しむ武思月(ぶしげつ)は、内奸の正体が分かったことで復讐を果たした気分になり、高秉燭(こうへいしょく)に十六夜(いざよい)が女性であることを明かす。
安白檀(あんびゃくだん)は急いで調査結果を高秉燭(こうへいしょく)に報告し、夷則のメッセージが積善博坊(せきぜんばくぼう)に送信されたことが判明する。高秉燭(こうへいしょく)は一言も発さずに立ち去ろうとし、武思月(ぶしげつ)は彼を引き留めようとするが、彼は振り返ることなく姿を消してしまう。安白檀(あんびゃくだん)は武思月(ぶしげつ)を李訳忱(りやくしん)のもとへ連れて行き、李訳忱(りやくしん)は韓冬青(かんとうせい)に最後の敬意を表するために武思月(ぶしげつ)を呼んだことを明かす。李訳忱は韓冬青(かんとうせい)の功績を記した名簿に「忠良仁勇、剛正信達」と書き記し、韓冬青(かんとうせい)の生涯を閉じる。武思月(ぶしげつ)は真犯人を一刻も早く捕らえて韓冬青の仇を討つことを誓い、李訳忱は春秋道(しゅんじゅうどう)を徹底のに排除する決意を表明する。
百里弘毅(ひゃくりこうき)の牢獄と李済(りせい)の冤罪
内衛府で文句を言い、トラブルを起こす百里弘毅(ひゃくりこうき)は、摘星楼の鮑魚羹を食べたいと騒ぎ立てる。内衛たちは辟易し、李北七(りほくしち)に訴え出る。怒った李北七(りほくしち)は百里弘毅(ひゃくりこうき)を問い詰め、百里弘毅(ひゃくりこうき)は内衛の体制について持論を展開するが、李北七(りほくしち)は激怒して彼を牢獄に閉じ込める。柳然(りゅうぜん)が内衛府を訪ねて百里弘毅(ひゃくりこうき)に会おうとするが、護衛に阻まれてしまう。
牢獄に入れられた百里弘毅(ひゃくりこうき)は、隣の牢にいる李済(りせい)という男の叫び声を聞く。李北七(りほくしち)は李済(りせい)を無視するが、李済(りせい)は百里弘毅(ひゃくりこうき)に自分の冤罪を訴える。天香楼で胡人(こじん)と出会い、軽く押しただけでその胡人(こじん)が鼻血を出し、李済(りせい)の父親が仵作を買収して胡人(こじん)の内臓が破裂していたことを突き止めたという。百里弘毅(ひゃくりこうき)は胡人(こじん)が沙遅蛇の毒に侵されていたと推測し、李済に胡人(こじん)の様子を詳しく尋ねる。
積善博坊(せきぜんばくぼう)での再会と十六夜(いざよい)の正体
高秉燭(こうへいしょく)は積善博坊(せきぜんばくぼう)を訪れ、窈娘(ようじょう)に酒を飲みたいと申し出る。窈娘(ようじょう)は店を早く閉めて客を追い出し、高秉燭(こうへいしょく)のために秘蔵の酒を用意する。柳然(りゅうぜん)は武攸決(ぶゆうけつ)に助けを求め、武攸決(ぶゆうけつ)は自ら牢獄を訪れて百里弘毅を解放する。
高秉燭(こうへいしょく)と窈娘(ようじょう)は酒を酌み交わしながら、窈娘(ようじょう)の夫である康九郎(こうきゅうろう)が借金をして逃げ出したことを話す。窈娘(ようじょう)は高秉燭の支援のおかげで積善博坊(せきぜんばくぼう)が発展したことに感謝し、高秉燭は窈娘(ようじょう)こそが十六夜(いざよい)であることを明かす。窈娘(ようじょう)はそれを否定せず、高秉燭を殺すことができなかったことを明かす。
窈娘(ようじょう)は自分の過去を語り始める。幼い頃に春秋道(しゅんじゅうどう)に売られた彼女は、他の子供たちと一緒に厳しい訓練を受け、殺人を強いられた。生き残ったのは3人だけで、窈娘(ようじょう)は他の仲間をすべて殺して生き延びたという。康九郎(こうきゅうろう)は夫ではなく、春秋道(しゅんじゅうどう)の仲間であった。康九郎(こうきゅうろう)は任務に失敗したため、掌秋使(ひらきみおくり)は窈娘(ようじょう)に康九郎(こうきゅうろう)を殺害し、積善博坊(せきぜんばくぼう)を引き継ぐよう命じた。
積善博坊を引き継いだばかりの頃、借金取りが押し寄せたが、高秉燭が駆けつけて窈娘を自分の女だと偽り、借金取りを追い払った。窈娘は高秉燭に感謝し、高秉燭は殺人者である窈娘を助けたことを自嘲する。窈娘は、高秉燭が仲間たちと危険な場所に来るべきではなかったと責めるが、高秉燭は激怒する。5年前、仲間たちが殺害された後、重傷を負った高秉燭は誰かに助けられ、窈娘は彼を懸命に看病していた。
高秉燭と十六夜(いざよい)の対決
高秉燭は窈娘の細い手を強く握りしめ、彼女の犯した罪を一つ一つ数え上げる。窈娘は掌秋使(ひらきみおくり)の命令で陳闕(ちんけつ)を殺害し、現場に手戟(しゅげき)を残して高秉燭を百里延(ひゃくりえん)の捜査に導き、さらに百里延(ひゃくりえん)を殺害して高秉燭に罪を着せようとした。そして、船頭を使って積善博坊で騒ぎを起こし、高秉燭を船に誘い込んで十六夜(いざよい)を殺害したように見せかけたのだ。
窈娘は、高秉燭が執拗に自分を追いかけてこなければ、高秉燭は何度も死んでいたはずだと責める。高秉燭は、最も信頼していた窈娘が冷酷な刺客である十六夜だったことに衝撃を受ける。武思月(ぶしげつ)は安白檀(あんびゃくだん)に高秉燭の居場所を問い詰めるが、安白檀(あんびゃくだん)は拒否する。武思月(ぶしげつ)はしつこく問い詰め、ついに高秉燭の居場所を聞き出す。
窈娘は掌秋使(ひらきみおくり)から高秉燭を排除する密命を受け、任務遂行用の夜行衣と手戟(しゅげき)を身につける。窈娘は武思月と堂々と付き合える高秉燭を羨ましく思い、自分は暗い場所に潜むしかないことを嘆く。高秉燭は、武思月と自分を比べるなと怒鳴り、窈娘は二度と嘘をつかないと謝罪し、手戟(しゅげき)で自害する。
第20話の感想
第20話は、衝撃のな展開と複雑な人間関係が描かれた回でした。夷則の頑なな態度と李訳忱の怒り、高秉燭の苦悩と武思月の悲しみ、そして窈娘の過去と決意が交錯し、物語は新たな局面を迎えます。
特に印象に残ったのは、高秉燭と窈娘の対峙シーンです。高秉燭は、最も信頼していた窈娘が冷酷な刺客であることを知り、大きなショックを受けます。一方、窈娘は自分の過去と宿命に苦しみ、高秉燭を憎みながらも愛している複雑な感情を露わにします。
また、武思月の韓冬青への思いや、百里弘毅の正義感も描かれ、それぞれのキャラクターが抱える葛藤が浮き彫りになります。
つづく