風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~ 第35話 あらすじ/ネタバレ

武攸決(ぶゆうけつ)の苦悩と春秋道(しゅんじゅうどう)の暗躍

武攸決(ぶゆうけつ)は皇帝からの信頼に感謝しつつ、体調不良を理由に聯昉(れんほう)の管理を拒否します。彼は聯昉(れんほう)と内衛は別人で管理すべきだと主張し、皇帝に宗室から賢い人物を選ぶように懇願します。武慎行(ぶしんこう)が自分を推薦したにもかかわらず、武攸決(ぶゆうけつ)は譲歩せず、皇帝も諦めます。

含嘉倉(がんかそう)が爆破され、神都の米屋300軒以上が一夜にして米を売り尽くしてしまいます。米を求める民衆が米屋に押し寄せ、暴動が発生し、神都は混乱に陥ります。李訳忱(りやくしん)は皇帝が群臣を集めて対策を協議していることを知り、自分が呼ばれていないことに不安を覚えます。高秉燭(こうへいしょく)は、誰かが讒言を言って李訳忱(りやくしん)を罷免させようとしているのではないかと心配し、それが春秋道(しゅんじゅうどう)の思う壺になると忠告します。李訳忱(りやくしん)は決意を新たにして、再び皇帝に会いに行き、高秉燭(こうへいしょく)に聯昉(れんほう)を任せるように頼みます。

裴諫(はいかん)は、大理寺の護衛を率いて米屋に駆けつけ、民衆を落ち着かせようとします。皇帝は各地から漕運で米を運ばせており、10日以内には米不足の問題が解決されると説明し、民衆はようやく納得して散っていきます。百里弘毅(ひゃくりこうき)は、春秋道(しゅんじゅうどう)の掌春使(しょうしゅんし)が兄の百里寛仁(ひゃくりかんじん)であることを武攸決(ぶゆうけつ)に打ち明けますが、武攸決(ぶゆうけつ)は信じようとせず、百里弘毅(ひゃくりこうき)は必死に訴えます。武攸決(ぶゆうけつ)は自分が神都の混乱を招いたことを自覚し、百里弘毅(ひゃくりこうき)に当年の真実を打ち明けます。

武攸決(ぶゆうけつ)は、百里延(ひゃくりえん)がかつて自分に送った密書を取り出します。皇帝は百里寛仁(ひゃくりかんじん)を流刑にしようとしており、百里延(ひゃくりえん)は武攸決(ぶゆうけつ)に助けてくれるよう懇願していました。武攸決(ぶゆうけつ)は百里延(ひゃくりえん)と相談して、百里寛仁(ひゃくりかんじん)に偽の死を遂げさせます。百里寛仁(ひゃくりかんじん)は長安に逃亡した後、改名して二度と神都には戻らないと誓っていましたが、まさか春秋道(しゅんじゅうどう)に加担していたとは思いもしませんでした。

武思月(ぶしげつ)は、含嘉倉(がんかそう)の焼け跡を丹念に調べ、焼かれたのは古くて腐った米だったことを突き止めます。李純(りじゅん)は、含嘉倉(がんかそう)の主事である陳卓が首吊り自殺し、自宅から多くの不明な財産が見つかり、爆発前に李北七(りほくしち)と会っていたことを報告します。武思月(ぶしげつ)は、陳卓も春秋道(しゅんじゅうどう)に買収されていたと断定します。

武攸決(ぶゆうけつ)は、皇帝が百里寛仁(ひゃくりかんじん)が掌春使(しょうしゅんし)だと知ったら、九族皆殺しにされると恐れ、百里弘毅(ひゃくりこうき)に決して誰にも話さないように念を押します。武思月(ぶしげつ)は急いで戻ってきて、武攸決に腐った米を見せ、武攸決は春秋道が事前に含嘉倉(がんかそう)の米を運び出したと推測します。彼はすぐに宮殿に駆け込み、皇帝に報告します。

李訳忱(りやくしん)は、安白檀(あんびゃくだん)を連れて宮殿に向かいます。宇文佩佩(うぶんはいはい)は途中で李訳忱(りやくしん)の馬車を止め、涙ながらに別れを告げ、お守りを渡します。突然、4人の刺客が通りから現れ、安白檀(あんびゃくだん)は急いで馬車から降りて刺客を阻止し、4人全員を殺します。宇文佩佩(うぶんはいはい)は、李訳忱に短刀を突き刺して逃げ去ります。

武攸決は、皇帝に含嘉倉(がんかそう)の事件を報告します。楊煥(ようかん)は、李訳忱が刺されたという知らせをもたらします。皇帝は激怒し、李訳忱が聯昉(れんほう)の主事である公子楚(こうしそ)であることを明かします。武攸決は驚きを隠せません。皇帝は、武攸決に聯昉(れんほう)を引き継ぎ、春秋道を一掃し、含嘉倉の米を取り戻すように命じます。

武攸決は、危機に瀕して聯昉を引き継ぎます。高秉燭(こうへいしょく)は、含嘉倉の米がすり替えられたことに疑問を呈し、聖旨を受け取りません。安白檀(あんびゃくだん)は重傷を負った李訳忱を聯昉に連れ戻し、公子楚(こうしそ)として高秉燭(こうへいしょく)に真相究明を要請します。聯昉の同僚たちは、東川(とうせん)王王の李訳忱が公子楚(こうしそ)だったことに驚き、高秉燭(こうへいしょく)は仕方なく聖旨を受け取ります。武攸決は、聯昉と内衛が協力して春秋道を一掃し、盗まれた米を見つけ出すことを宣言し、高秉燭(こうへいしょく)を聯昉の主事に任命します。

春秋道の策略と神都の混乱

含嘉倉が爆破されて以来、神都の民衆は不安に駆られ、噂が飛び交います。神都は完全に食料不足に陥ると言われています。皇帝は、羽林軍に春秋道の根拠地を掃討するよう命じますが、そこには誰もいませんでした。春秋道は痕跡を残さずに姿を消します。10日後、神都は食料不足に陥り、全市民が不安に陥ります。民衆は食料を求めて街に繰り出し、暴動が頻発し、神都は新たな危機に陥ります。

掌春使(しょうしゅんし)は、春夜堂を率いて堂々と神都に現れ、神都の混乱を目の当たりにします。彼は朝廷の内応者に守られ、含嘉倉を爆破することに成功しますが、満足していません。彼は人心征服によって天下を征服すると豪語し、青夜(せいや)に神都の民衆に椿の枝を配るように命じます。掌春使(しょうしゅんし)は、誰かがこっそりと椿の枝を門に挿しているのを見て、狂喜します。

百里弘毅(ひゃくりこうき)は、百里延(ひゃくりえん)が武攸決に送った手紙を手に、苦悩します。彼はどうすべきか分からず、最終のには皇帝に真実を伝えることを決意しますが、柳然(りゅうぜん)を巻き込みたくありません。柳然(りゅうぜん)に神都を離れるように頼むと、柳然(りゅうぜん)は彼と苦楽を共にすると言います。

武思月(ぶしげつ)は、高秉燭(こうへいしょく)に食料を探す相談を持ちかけます。高秉燭(こうへいしょく)は、春秋道が食料を使って人心を買収しようとしていると推測し、多くの流民や乞食が神都に流入していることに気づきます。聯昉の人々は、乞食から椿の枝を発見し、高秉燭(こうへいしょく)は春秋道が動き出したことを知ります。掌秋使(ひらきみおくり)は、流民や乞食に椿の枝を配り、椿の枝を門に挿せば3日分の食料がもらえると噂を流します。民衆は続々と椿の枝を門に挿し、実際に食料を受け取ります。民衆は春秋道に感謝し、崇拝します。

高秉燭(こうへいしょく)と武思月(ぶしげつ)は街に行き、家々の門に椿の枝が挿されているのを見て、春秋道が含嘉倉の米を使って人心を買収していることに気づきます。武思月(ぶしげつ)は、官府が民衆の家から食料を没収しようとしているという知らせを受けます。民衆は頑なに拒否し、双方で衝突が発生し、多くの民衆が負傷します。武思月(ぶしげつ)は官兵に軽挙妄動しないように命じます。高秉燭は、春秋道が民衆の怒りを煽り、状況を悪化させようとしていることに気づきます。

第35話感想

第35話は、春秋道の策略によって神都が混乱に陥る様子が描かれ、緊張感あふれる展開が続きました。武攸決の苦悩や李訳忱の決意、高秉燭の推理など、各キャラクターの心理描写が丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。

特に印象に残ったのは、春秋道が人心を買収するために椿の枝を利用するシーンです。民衆が食料を求めて必死になる様子は、人間の弱さを浮き彫りにし、春秋道の策略の巧妙さを物語っています。また、高秉燭が春秋道の真意を見抜くシーンは、彼の洞察力の鋭さを示しており、今後の展開に期待が高まります。

一方で、武攸決の苦悩や李訳忱の決意は、物語の重厚さを増していますが、やや説明のな部分も見受けられました。キャラクターの心情をより鮮明に表現することで、視聴者の共感をより一層高めることができるでしょう。

つづく