風起隴西(ふうきろうせい)-SPY of Three Kingdoms-』第14話 あらすじ/ネタバレ

黄預(こうよ)の疑心と荀ク(じゅんく)の計略

黄預(こうよ)は陳恭(ちんきょう)を疑い続けており、翟悅(たくえつ)の死にはまだ謎が残っている。彼は同行する関長老に陳恭(ちんきょう)を監視し、もし怪しい動きがあればすぐに殺すように命じる。関長老は竹雀の使い方を尋ねるが、陳恭(ちんきょう)は糜冲(びちゅう)としてその仕組みを知らないとごまかす。荀ク(じゅんく)は裴緒(はいしょ)に自分の代わりに守衛を任せ、もし査問された場合に備えて自分の衣服を渡す。この任務は危険なので、荀ク(じゅんく)は裴緒(はいしょ)の肩を叩き、もし自分に何かあれば靖安司は裴緒(はいしょ)に任せることを告げる。

高堂秉(こうどうへい)の定軍山訪問と荀ク(じゅんく)の潜入

高堂秉(こうどうへい)は巡糧を名目に定軍山を訪れ、馬岱(ばたい)将軍は彼をもてなすために夜の宴会を準備する。一方、荀ク(じゅんく)は偽の文書を持って馬に乗って定軍山の第二の関門に到著し、緊急の軍情を譙峻(チャオジュン)校尉に報告する必要があると嘘をつく。彼は以前ここに来たことがあるので、警備兵に案内してもらう必要はなく、自分で行くことができると言う。顔見知りであるため、警備兵は警戒することなく通行を許可し、荀ク(じゅんく)は馬を隠し、橋の下や崖を登って進んでいく。

陳恭(ちんきょう)の潜入と荀ク(じゅんく)の協力

陳恭(ちんきょう)は蜀軍の服を著て五仙道の教徒と一緒に総成部の最後の関門に到著する。黄預(こうよ)の計画によると、山の下で火を起こして蜀軍をおびき寄せた後、総成部に潜入する。この時、荀ク(じゅんく)も総成部の裏門までたどり著き、兵士を避けて鍵を開ける。陳恭(ちんきょう)は教徒を連れて密室に入り、弩機の設計図を竹筒にしまう。蜀軍が異変に気づいて戻ってくると、五仙道の刺客が応戦し、関長老と陳恭(ちんきょう)だけが元の計画通りに裏庭に逃げる。崖から飛び降りる約束の場所に到著すると、陳恭(ちんきょう)は背後から関長老を刺殺する。しかし、関長老は最後の力を振り絞って崖から飛び降り、黄預(こうよ)に危険を知らせようとする。陳恭(ちんきょう)は荀ク(じゅんく)との約束の場所までたどり著き、ドアを押すと鍵が開く。彼は親友が自分のために尽力してくれたことに感謝する。

荀ク(じゅんく)の失敗と裴緒(はいしょ)の窮地

しかし、荀ク(じゅんく)はそれほど幸運ではなかった。総成部は襲撃を受けて戒厳令が出されており、彼を解放することはできない。責任者の譙峻(チャオジュン)校尉は彼と直接面会する。荀ク(じゅんく)は馮膺(ふうよう)の命令で五仙道の襲撃を報告するために来たが、馮膺(ふうよう)を見つけられなかったため急いで戻ろうとしたと説明する。しかし、総成部の合言葉は馮膺(ふうよう)が直接決めたものであり、荀ク(じゅんく)はそれを言うことができず、譙峻(チャオジュン)は納得しない。彼は司聞曹に調査を依頼するまで荀ク(じゅんく)を拘束する。孫令(そん れい)は定軍山の守備兵が尋ねてきたことを知り、当直室に様子を見に行くが、荀ク(じゅんく)の服を著た裴緒(はいしょ)は対応できず、事態は露呈してしまう。

馮膺(ふうよう)の策略と黄預(こうよ)の敗北

馮膺(ふうよう)は柳瑩(りゅうえい)を李厳(りげん)の将軍府に連れて行き、音律に精通した柳瑩(りゅうえい)は一曲弾いて李厳(りげん)を感動させる。李厳(りげん)は先帝劉備に従って孤軍奮闘していた頃を思い出し、亡くなった友人たちを懐かしみ、目の前の美女は貴重な知己であると感じる。馮膺(ふうよう)は柳瑩(りゅうえい)を行轅に残すように提案し、李厳(りげん)に柳瑩(りゅうえい)を献上することに成功する。

黄預(こうよ)は陳恭(ちんきょう)を待つことができなかったが、関長老の遺体を見つけ、自分が策略にはめられたことに気づく。彼は残ったわずかな兵士を率いて逃亡する。荀ク(じゅんく)は嘘だらけで、弩機の設計図も盗まれてしまった。譙峻(チャオジュン)は荀ク(じゅんく)に真実を話す機会を与えたが、重大な事柄であるため荀ク(じゅんく)は簡単に打ち明けることができない。譙峻(チャオジュン)は自分の身を守るために拷問を命じる。一方、陳恭(ちんきょう)は指定された場所にたどり著き、設計図を置き、燭龍(しょくりゅう)の出現を待つ。

第14話の感想

第14話は、緊張感と策略が入り混じったスリリングな展開が魅力的な回でした。

荀ク(じゅんく)の潜入作戦は、見事なものでした。偽の文書や、以前来たことがあるという嘘など、細部まで計算された計画は、彼の知略の高さを示しています。しかし、総成部が戒厳令となり、荀ク(じゅんく)は窮地に立たされてしまいます。裴緒(はいしょ)が荀ク(じゅんく)の代わりに值守をするシーンは、友情と犠牲を感じさせ、感動的でした。

一方、陳恭(ちんきょう)もまた、黄預(こうよ)の疑いを晴らすために危険な任務を遂行します。五仙道との協力、弩機の設計図の奪取など、彼は大きなリスクを背負いながら、蜀のために尽力しています。しかし、関長老の裏切りによって計画は失敗に終わり、陳恭は孤立無援の状況に陥ってしまいます。

黄預(こうよ)の敗北は、彼の疑心深さが招いた結果と言えるでしょう。翟悅(たくえつ)の死をきっかけに、彼は陳恭を疑うようになり、結果的に彼を敵に回してしまいました。また、荀ク(じゅんく)の潜入を許してしまったことも、彼の情報収集能力の欠如を示しています。

つづく