風起隴西-SPY of Three Kingdoms- 第17話 あらすじ/ネタバレ

郭剛(かくごう)と郭淮(かくわい)の対局

郭剛(かくごう)と郭淮(かくわい)が対局している最中、郭剛(かくごう)は落ち著きをなくしていた。郭淮(かくわい)は笑みを浮かべながら、高堂秉(こうどうへい)と司尉の地位が危ういことを指摘し、次の“燭龍(しょくりゅう)”は誰が利益を得られるかで決まると示唆した。郭剛(かくごう)は長年の疑問が確信に変わった。陳恭(ちんきょう)こそが、闇に潜む燭龍(しょくりゅう)だったのだ。しかし、なぜ陳恭(ちんきょう)が初心を捨て、魏に寝返ったのか、理解できなかった。

陳恭(ちんきょう)と柳瑩(りゅうえい)の密会

陳恭(ちんきょう)は柳瑩(りゅうえい)が李厳(りげん)の寵姫になったことを知った。燭龍(しょくりゅう)の計画は馮膺(ふうよう)を倒すことを目的としているが、成功する保証はない。柳瑩(りゅうえい)は自信満々に、二人で手を組めば蜀漢の根底を揺るがすことができると語ったが、その代償はあまりにも重いものだった。翟悅(たくえつ)の話題になると、陳恭(ちんきょう)は激怒し、柳瑩(りゅうえい)に妻の痛みを二度と触れないように強く警告した。柳瑩(りゅうえい)は翟悅(たくえつ)が陳恭(ちんきょう)の弱点であることを理解しているが、二人で協力するしかないこともわかっていた。信頼を深めることでしか前に進むことはできないのだ。

陳恭(ちんきょう)の密命

陳恭(ちんきょう)は密報を受け取った。李厳(りげん)は楊儀(ようぎ)の復職を条件に馮膺(ふうよう)の命を救ったが、青萍計画のためには馮膺(ふうよう)を排除しなければならない。陳恭(ちんきょう)は柳瑩(りゅうえい)に、必要に応じて極端な行動を取るように命じた。

郭淮(かくわい)の策略

郭淮(かくわい)は陳恭(ちんきょう)が裏切りを憎んでいることを知っていた。その感情が陳恭(ちんきょう)の弱点になっているのだ。実は、郭淮(かくわい)と馮膺(ふうよう)は以前、情報取引をしていた。馮膺(ふうよう)は陳恭(ちんきょう)の部下を人質にして陳恭を裏切り、陳恭に深い絶望を与えたのだ。

郭剛(かくごう)はこのような陰湿な手段に憤慨し、陳恭は馮膺(ふうよう)を抹殺することを決意した。この憎しみと決意が、陳恭を蜀と魏の二重スパイという困難な道へと導いた。

郭淮(かくわい)の思惑

郭淮(かくわい)は陳恭のスパイとしての才能を見抜き、馮膺(ふうよう)のために働き続けるように仕向けた。司聞曹に潜入し、最終的には馮膺(ふうよう)に取って代わるためだ。さらに、高堂秉(こうどうへい)という駒も使って、陳恭の一挙手一投足を把握していた。

馮膺(ふうよう)の窮地

馮膺(ふうよう)は李厳(りげん)の策略で命を救われたことに安堵したが、司聞曹の安定を保つ必要があると判断し、陰輯(いんしゅう)に荀ク(じゅんく)が高堂秉(こうどうへい)を尋問する様子を監視させた。

朝堂では、諸葛亮(しょかつりょう)が出師表を提出して北伐を決意した。しかし、陛下は劉備の遺言を記した密書を受け取り、諸葛亮(しょかつりょう)の権力集中を懸念していた。

荀ク(じゅんく)は高堂秉(こうどうへい)を尋問したが、高堂秉(こうどうへい)は弩機の図面の密輸計画について詳しく語らず、谷正(こくせい)の事件については軽く流した。高堂秉(こうどうへい)は取引を持ちかけたが、荀ク(じゅんく)は拒否し、一日以内に考え直すように命じた。

狐忠(こちゅう)は李厳(りげん)がなぜ馮膺(ふうよう)を殺さなかったのか疑問に思ったが、李厳(りげん)は権力が集中するのを防ぐために、人材をうまく使うことが重要だと答えた。その後、馮膺(ふうよう)は李厳(りげん)を秘密の別荘に誘い、柳瑩(りゅうえい)と一緒に過ごさせた。しかし、そこには別の目的があった。

陳恭は荀ク(じゅんく)を訪ね、高堂秉(こうどうへい)が獄中で憔悴していることを伝え、自ら尋問を引き継ぎたいと申し出た。陳恭は真実を暴き出し、次の計画の準備をしたいと考えていた。

これらの出来事は、精密に編まれた網のように、各勢力を絡め取っていく。国家の運命をかけた闇闘が静かに幕を開けた。

第17話 感想

第17話は、緊張感と策略が交錯する、まさに息詰まる展開だった。郭剛(かくごう)と陳恭の対峙、柳瑩(りゅうえい)の冷酷さ、そして郭淮(かくわい)の陰謀など、各キャラクターの思惑が複雑に絡み合い、目が離せない内容だった。

特に印象に残ったのは、陳恭の葛藤だ。蜀への忠誠心と魏への寝返り、そして馮膺(ふうよう)への復讐心。これらの感情が複雑に交錯し、陳恭を苦しめている。そんな陳恭の姿は、人間の心の闇を映し出すようで、とても興味深かった。

つづく