風起隴西-SPY of Three Kingdoms- 第21話 あらすじ/ネタバレ

荀ク(じゅんく)は、馮膺(ふうよう)が昨夜書き記した蜀軍の機密情報を収めた箱を手に、丞相の令牌を掲げて馮膺(ふうよう)を連れ去ろうとした。馮膺(ふうよう)は動じることなく、これは自分だけの問題であり、他人を巻き込むべきではないと主張し、荀ク(じゅんく)に従って行った。

一方、諸葛亮(しょかつりょう)率いる蜀軍は南鄭城外に駐屯していた。李厳(りげん)は、荀ク(じゅんく)が魏との通信任務の開始直後に捕らえられたという狐忠(こちゅう)からの急報を受け、諸葛亮(しょかつりょう)に報告した。

李厳(りげん)は、荀ク(じゅんく)が馮膺(ふうよう)を真の燭龍(しょくりゅう)と疑っており、高堂秉(こうどうへい)の殺害にも関与しているのではないかと考えていた。そこで彼は、狐忠(こちゅう)を通じて馮膺(ふうよう)に黙秘を指示し、事後に朝廷に推挙することを約束した。また、馮膺(ふうよう)と魏との連絡網は陳恭(ちんきょう)に引き継がせ、既定の計画を続行させた。

馮膺(ふうよう)が敵に通じていたという報告を受けた諸葛亮(しょかつりょう)は、淡々と微笑んだ。彼は馮膺(ふうよう)の人柄をよく知っており、この事件の背後に何か隠された事情があると考えていた。楊儀(ようぎ)は李バク(りばく)事件を例に挙げ、荀ク(じゅんく)が確たる証拠を掴んでいると主張したが、諸葛亮(しょかつりょう)は戦後に馮膺(ふうよう)を自らの手で尋問することを決めた。

馮膺(ふうよう)が捕らえられた後、司聞曹の責任は陳恭(ちんきょう)に託された。諸葛亮(しょかつりょう)は陳恭(ちんきょう)のことをよく知らなかったため、李厳(りげん)に後方との調整を任せ、楊儀(ようぎ)を南鄭に残して陳恭(ちんきょう)を補佐させた。

荀ク(じゅんく)は馮膺(ふうよう)を捕らえたものの、馮膺(ふうよう)が本当に魏に寝返ったとは信じられなかった。彼は馮膺(ふうよう)の逮捕があまりにもスムーズに進んだこと、証拠がすべて揃いすぎていることから、これは馮膺(ふうよう)が自らを陥れるための芝居ではないかと疑っていた。荀ク(じゅんく)は事件の記録を調べ、建安二十三年の仮乱事件に関する資料を取り寄せた。

陳恭(ちんきょう)は、手錠をかけられた馮膺(ふうよう)と共に馬車に乗り、楊儀(ようぎ)に謁見した。そこで陳恭(ちんきょう)は、自分の実父が奸臣ではなく、国のために命を落とした英雄であったことを知った。馮膺(ふうよう)が漢のために汚名を著せられることを承知の上で行動していたことに、陳恭(ちんきょう)は深い敬意を抱いた。馮膺(ふうよう)は陳恭(ちんきょう)の手を握りしめ、「生き延びろ」とだけ言った。陳恭(ちんきょう)は馮膺(ふうよう)に青萍計画の全容を明かし、仮間計が最終段階に入ったことを告げた。

実は、馮膺(ふうよう)と楊儀(ようぎ)は郭淮(かくわい)の青萍計画の真実をすでに知っており、陳恭(ちんきょう)の二重スパイとしての役割は、彼らによって綿密に計画された計中計だった。荀ク(じゅんく)もまた、この計画の重要な一翼を担っていた。李厳(りげん)を倒すために、馮膺(ふうよう)は魏のスパイであるという事実を証明する必要があり、陳恭(ちんきょう)は魏に潜入するための切り札となった。しかし、黄預(こうよ)は陳恭(ちんきょう)に荀ク(じゅんく)を自らの手で殺害することを要求し、郭淮(かくわい)への最後の忠誠の証とした。馮膺(ふうよう)は事態の深刻さを悟った。

楊儀(ようぎ)と馮膺(ふうよう)は陳恭に大局を優先するよう説得した。荀ク(じゅんく)はすでに任務を完瞭しており、彼を追跡し続けることは計画が暴露される危険があり、多くの人々を巻き込むことになる。陳恭は利害関係を理解し、心を痛めながらも荀ク(じゅんく)を殺害することを決意した。

黄預(こうよ)は荀ク(じゅんく)を西郷関に誘い込み、陳恭の手で殺害しようとした。同時に、部下に陳恭を始末するよう密命を下した。李厳(りげん)が持つ劉禅の密詔は計画の障害となるため、陳恭は柳瑩(りゅうえい)を李厳(りげん)の書斎に潜入させて密詔を破棄させた。柳瑩(りゅうえい)は厳重な警戒の中、死を覚悟して任務を遂行した。陳恭は柳瑩(りゅうえい)に司聞曹の最高令牌を与え、速やかにその場を離れて生き延びるよう命じた。

郭淮(かくわい)は諸葛亮(しょかつりょう)が陳倉に兵糧を蓄えていることを察知し、大将の王双(おうそう)に守備を固めさせた。諸葛亮(しょかつりょう)は王双(おうそう)を先に討ち取り、その後、新しい弩砲を装備して河を渡り、郭淮(かくわい)と正面から決戦することを決意した。

第21話の感想

第21話は、緊迫感と感動が交錯する見応えのある回でした。荀ク(じゅんく)と馮膺(ふうよう)の複雑な関係、陳恭の葛藤、そして諸葛亮(しょかつりょう)の深謀遠慮など、登場人物それぞれの心情が丁寧に描かれており、物語に深みを与えていました。

特に印象的だったのは、陳恭が馮膺(ふうよう)の真意を知り、青萍計画の全容を理解するシーンです。馮膺が魏のスパイという汚名を著せられることを承知の上で行動していたことを知り、陳恭は深い敬意を抱きます。また、荀ク(じゅんく)を自らの手で殺害するという過酷な決断を迫られる陳恭の苦悩も、視聴者の心を打つものでした。

つづく