ユン・シャン伝 ~江湖(こうこ) 復讐の嵐~ 第9話 あらすじ/ネタバレ

蘇(スー)家の屋敷で、蘇懐柔(スー・ホワイロウ)は弟の蘇鳴玉(スー・ミンユー)が家族の事業に熱心に取り組む姿を見て、手元の契票を彼に託す決意をします。これは、家族の全財産を賭けてでも、南都の生糸市場の混乱を収拾しようとする、並外れた勇気と決断を示すものでした。雲襄(ユン・シャン)/駱文佳(ルオ·ウェンジア)は蘇懐柔(スー・ホワイロウ)の行動に感銘を受け、これが市場の不安を鎮めるだけでなく、蘇(スー)家の責任と覚悟を示すものだと理解します。

一方、銭栄(チェン・ロン)が買い占めを煽る噂を流しても、蘇(スー)家は動揺することなく、公正な価格である2両1斤で生糸の取引を継続することを発表します。蘇鳴玉(スー・ミンユー)は自ら生糸の輸送を指揮し、四大鏢局の護衛をつけるなど、その決意と胆力は明らかでした。

わずか1日の間に、生糸契票の7割が売却され、市場は活況を呈し、生糸価格は急騰しました。これは、蘇(スー)家が南都の生糸市場を正常化に導こうとしていることを示しています。しかし、このニュースは一部の人々の神経を逆撫でしました。特に大量の生糸を買い占めていた戚天風(チー・ティエンフォン)は、この機会に蘇(スー)家を乗っ取ろうと企んでおり、蘇(スー)家の思うようにはさせません。

丁義(ディン・イー)は戚天風(チー・ティエンフォン)に、雲襄(ユン・シャン)/駱文佳(ルオ·ウェンジア)が蘇(スー)家を夜間に訪れたことを報告し、この巧妙な計画は雲襄(ユン・シャン)/駱文佳(ルオ·ウェンジア)の仕業ではないかと疑います。戚天風(チー・ティエンフォン)は不満を募らせながらも、雲襄(ユン・シャン)/駱文佳(ルオ·ウェンジア)の非凡さを認め、直接会談することを決意します。

蘇鳴玉(スー・ミンユー)は同行を希望しますが、丁義(ディン・イー)に断られてしまいます。雲襄(ユン・シャン)/駱文佳(ルオ·ウェンジア)は淡々と兄をなだめ、未知の挑戦への強い興味と自信を言葉に表します。

単身で戚天風(チー・ティエンフォン)と会った雲襄(ユン・シャン)は、不意打ちを受けます。2人は互いに探り合いながら、それぞれの技を披露します。雲襄(ユン・シャン)は戚天風(チー・ティエンフォン)の深厚な内力を察知し、戚天風も雲襄(ユン・シャン)の武功の微妙な欠点を見抜き、聞聰(ウェン・チョン)を引き合いに出して、雲襄(ユン・シャン)の真の目的である蘇(スー)家と漕幫を争わせ、両敗俱傷にさせようとする意図をほのめかします。雲襄(ユン・シャン)は冷静さを保ち、戚天風の言葉に仮応しません。

戚天風は蘇(スー)家の百年続く基盤を餌に、雲襄に降伏を迫りますが、雲襄は動じません。簡単な挨拶を交わした後、席を立ちます。帰路、雲襄は玉扳指を落としたことに気づき、焦燥に駆られます。

一方、戚天風は扳指に刻まれた「駱」の字を見て、雲襄が駱家の人間であることに気づき、今回の南都への旅は復讐の目的があるのではないかと疑います。そこで、戚天風は策略を変更し、蘇(スー)家を監視しながら、雲襄への警戒を強めることにします。

蘇(スー)家の商隊が出発する日が近づくと、蘇懐柔(スー・ホワイロウ)は蘇鳴玉(スー・ミンユー)に危険を冒さないよう説得しますが、雲襄は舒亜男(シュー·ヤーナン)/寇蓮衣(コウ・リエンイー)と金彪(ジン・ビャオ)が同行しているため、安全が確保できると考えます。金彪(ジン・ビャオ)はこれを機に、雲襄に売られた子供の捜索と連昇坊に学堂を設立することを依頼します。雲襄は2人がすでに相談済みであることを知っており、承諾します。

舒亜男(シュー·ヤーナン)/寇蓮衣(コウ・リエンイー)は雲襄の不安を察し、自分の身を顧みずに戚府に潜入し、命からがら玉扳指を取り戻します。戚天風はこれを利用して雲襄を脅迫し、蘇(スー)家を助けない場合は駱家庄の秘密を暴露すると約束します。

深夜、舒亜男(シュー·ヤーナン)/寇蓮衣(コウ・リエンイー)は玉扳指を雲襄に返し、戚天風の脅迫を伝えます。雲襄は表面上は舒亜男(シュー·ヤーナン)/寇蓮衣(コウ・リエンイー)を叱責しますが、内心では感謝していました。舒亜男(シュー·ヤーナン)/寇蓮衣(コウ・リエンイー)の落胆を見て、雲襄はついに感情を抑えきれず、彼女を抱きしめ、無事を喜ぶ。このシーンは温かく、誠実です。

戚天風は計画を加速させ、蘇(スー)家の生糸の輸送が困難であることを知っており、密かに計画を立てて、生糸の入城を阻止しようとします。雲襄も負けじと莫不凡(モー・ブーファン)に助けを求め、利益を餌に生糸の安全な入城と済善堂の孤児の救出を依頼します。戚天風も莫不凡(モー・ブーファン)の力を借りて期票の価格を引き上げようと企んでおり、両者は利益をめぐって激しい争いを繰り広げます。莫不凡(モー・ブーファン)は雲襄と同じ門下生ですが、商人として、どちらに利益の天秤が傾くのかを重視しており、それが南都の商業界の未来を左右することになります。

第9話感想

第9話は、雲襄と蘇(スー)家の南都での戦いにおける重要な転換点となりました。蘇懐柔(スー・ホワイロウ)の決断力と蘇鳴玉(スー・ミンユー)の勇敢さ、そして雲襄の巧妙な策略が、市場の混乱を収拾し、蘇(スー)家の地位を確立する道を切り開きました。しかし、戚天風の存在は依然として大きな脅威であり、雲襄との対立はさらに激化していくことが予想されます。

特に印象に残ったのは、雲襄と戚天風の初対面シーンです。2人は互いに探り合いながら、それぞれの技を披露する様子は、緊張感と興奮に満ちていました。また、舒亜男(シュー・ヤーナン)が命を懸けて玉扳指を取り戻すシーンは、彼女の勇気と忠誠心を示しており、感動的でした。

第9話では、登場人物たちの複雑な人間関係も描かれていました。雲襄と蘇(スー)家の絆、戚天風と丁義(ディン・イー)の狡猾さ、金彪(ジン・ビャオ)と舒亜男(シュー・ヤーナン)の友情など、それぞれのキャラクターが持つ個性と背景が、物語に深みを与えています。

つづく