少年歌行~Beginning of the Legend~ 第27話 あらすじ/ネタバレ
天啓城の通りを馬車がゆっくりと進み、盛大な宴会の幕が開きます。青州沐家の若旦那、沐春風(モク・シュンフォン)は街に到著すると、困窮している人々を救済するために惜しみなくお金を寄付し、永安王・蕭楚河(今日の偽名は蕭瑟)の名を借りて、春風楼で盛大な宴会を開き、街の人々を招待します。この行動は人々の心を捉え、沐春風(モク・シュンフォン)の評判は高まります。
しかし、沐春風(モク・シュンフォン)の目的はそれだけではありません。彼はこの機会に各商店を回り、家賃を徴収します。その様子は、普段から横暴な商人たちに、彼の力と決意を見せつけるかのようです。四大豪商は赤王・蕭羽(シャオ・ユー)の勢力に頼っていましたが、渋々ながらも宴会に出席します。
宴会の席上、蕭瑟は主人として沐春風(モク・シュンフォン)を2階の貴賓席に案内し、小医仙の門下に入れるように手助けすることを約束します。沐春風(モク・シュンフォン)は喜び、小医仙の本当の名前を知ることになります。しかし、蕭瑟は空いている宴会場に急いで座ることはありませんでした。なぜなら、本当のクライマックスはこれからだからです。
その瞬間、馬蹄の音が近づき、蘭月侯・蕭月離(ショウ・ゲツリ)が到著します。しかし、蕭瑟の視線は長くは続きません。彼が待っていたのはこの侯爵ではなかったからです。続いて、蕭月離(ショウ・ゲツリ)が連れてきた人物、三朝元老の董祝(ドン・ヂュー)の登場に、会場は騒然となります。董祝(ドン・ヂュー)は清廉潔白で党争に関与しておらず、皇帝の側近として信頼されています。彼の登場は、蕭瑟の身分と地位を最大限に認めたことになります。
このニュースは瞬く間に広がり、朝廷の六部の役人たちが千金台に集まり、宴会会場は賑わいます。赤王・蕭羽(シャオ・ユー)は不満を抱きながらも、白王・蕭崇(シャオ・チョン)の困った様子を楽しみにしています。蕭崇(シャオ・チョン)は師を敬う人物であり、太傅が来ている席を欠席することはできないからです。しかし、国師・斉天塵(セイ・テンジン)の突然の登場は、宴会をさらに盛り上げます。朝廷の役人と天啓の大富豪たちは皆、驚愕します。
宴会のクライマックスで、蕭瑟はついに杯を掲げます。皆が飲み幹そうとした瞬間、彼は突然石壁の幕を開き、巨大な「奠」の字を露わにします。その瞬間、宴会会場は厳粛な雰囲気に包まれます。この盛大な宴は、雪月城の大弟子・唐蓮(タン・リェン)を弔うためだったのです。雷無桀(レイ・ムージェ)たちは喪服を著替え、太鼓と琴の音が響き渡ります。蕭瑟は石壁に2行の詩を刻み、亡くなった友人を偲びます。
曲が終わり、会場は静まり返ります。その後、侍女たちが豆羹飯を運んできます。豪華な料理ではありませんが、故人への思いが込められています。蕭瑟と沐春風が説明すると、斉天塵(セイ・テンジン)と董祝(ドン・ヂュー)が率先して食べ始め、他の客たちもそれに倣います。赤王・蕭羽(シャオ・ユー)だけが部下の龍邪を連れて席を立とうとします。蕭瑟が止めようとすると、明徳帝が四人の宦官を連れて突然現れ、場の雰囲気はさらに厳粛になります。
明徳帝は幕越しに蕭瑟と話し、豆羹飯を食べて雪月城の大弟子の死を悼み、蕭瑟の成長を喜びます。彼の言葉は短いながらも、蕭瑟への厚い期待と信頼を表しており、かつて最も大切にしていた息子である太子・蕭楚河(シャオ・チューホー)としての身分を再確認させてくれます。
明徳帝が去ると、千金台の宴も幕を閉じます。客たちは続々と去っていきますが、華錦(カ・キン)は残り、蕭瑟や仲間たちと旧交を温め、波乱と愛情に満ちた宴に幕を下ろします。
第27話感想
第27話は、ストーリー展開の巧みさとキャラクターの魅力が際立った素晴らしいエピソードでした。沐春風の策略と蕭瑟の思惑が交錯する中で、雪月城大弟子・唐蓮(タン・リェン)の追悼という感動的な場面が描かれました。
宴会のシーンは、各キャラクターの思惑が絡み合う緊張感と、唐蓮(タン・リェン)への追悼という感動が絶妙にブレンドされていました。特に、蕭瑟が石壁に「奠」の字を刻むシーンは、視覚的にもインパクトがあり、唐蓮(タン・リェン)への思いが伝わってくる印象的な演出でした。
また、明徳帝の登場は、物語にさらなる重みを加えました。蕭瑟に対する期待と信頼を表す彼の言葉は、蕭瑟の成長を物語ると同時に、今後の展開への期待を膨らませるものでした。
キャラクターの魅力も光っていました。沐春風の豪快さと策略、蕭瑟の冷静さと優しさ、雷無桀(レイ・ムージェ)の熱血さ、唐蓮(タン・リェン)の真面目さなど、それぞれの個性が活かされており、物語に深みを与えていました。
特に印象に残ったのは、蕭瑟と沐春風の関係です。最初は互いに利用し合う関係でしたが、次第に友情が芽生えていく様子が丁寧に描かれていました。クライマックスのシーンで、蕭瑟が沐春風を庇う姿は、二人の絆の強さを象徴するものでした。
つづく