少年歌行~Beginning of the Legend~ 第32話 あらすじ/ネタバレ
白王府は深い悲しみに包まれていました。瑾玉(ジン・ユー)公子の死は朝廷全体を震撼させました。白王 蕭崇(シャオ・チョン)の二師父である瑾玉(ジン・ユー)は、普段は目立たない存在でしたが、彼の死は大きな波紋を呼び起こしました。
三大監は真っ先に霊堂に弔問に訪れました。瑾仙(ジン・シエン)公公と瑾玉(ジン・ユー)は最も親密な関係にありました。彼は綿密な調査の結果、犯人は彼らの中に潜んでいると断定しました。三大監は武功の源流が同じであるため、互いに疑心闇鬼に陥っていましたが、瑾宣(キン・セン)公公が製止して、ようやくこの目に見えない嵐が収まりました。
蕭崇(シャオ・チョン)の到著は、霊堂の雰囲気をさらに重苦しいものにしました。彼は白布をめくり、二師父である瑾玉(ジン・ユー)の穏やかで安らかな顔を見つめ、言葉にできないほどの悲しみに包まれました。蕭崇(シャオ・チョン)の記憶の中では、瑾玉(ジン・ユー)は世俗を超越した儒学者、あるいは博識な学者であるはずでした。しかし、彼は初対面の時の純粋さと強靭さを最後まで持ち続けていました。瑾玉の蕭崇(シャオ・チョン)への恩は山よりも重いものでした。蕭崇(シャオ・チョン)は皇位を捨て、自分の手で師匠の仇を討つことを誓いました。
夜が訪れ、瑾宣(キン・セン)公公は蕭羽(シャオ・ユー)の行動が早すぎると叱責しましたが、すぐに妙案を立てたと明かしました。それは、琅琊王の息子である蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)という隠された駒を利用して、天啓の勢力図を覆すというものでした。一方、掌印監の瑾言は葉嘯鷹(イエ・シャオイン)を見つけ、龍封巻軸を餌に、彼に大軍を率いて蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)を天啓に迎え入れ、帝位に就かせるように説得しようとしました。
思慮深い少年である蕭瑟は、瑾宣(キン・セン)が瑾玉を殺害した黒幕であると9割方確信していました。しかし、彼は時機が熟していないことを悟り、真相を蕭崇(ショウ・シュウ)に告げないことに決めました。一方、葉若依は蕭瑟と司空千落(スコン・チエンルオ)の関係を気にしていましたが、蕭瑟は冗談めかして、葉若依の心にはすでに雷無桀(レイ・ムージェ)がいることをほのめかしました。
華錦(カ・キン)医師は明徳帝の病気を一時的に抑えることに成功しましたが、心病は癒えるものではありませんでした。明徳帝は、自分の心病は琅琊王との兄弟の情の深さ、そして権力闘争における無力感と犠牲に起因していることを知っていました。彼は人々に、たとえ情の深い兄弟であっても、皇権の誘惑に惑わされ、最終的には仮目し合うことになるだろうと語りました。
天啓の外では、琅琊軍の昔の神将である王劈川と蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)たちは機をうかがっていました。将軍府から派遣された密偵が重要な情報を伝えてきました。姬雪(ジー・シュエ)は永安王府を訪れ、蕭瑟に龍封巻軸の真の意味を明かしました。それは、天啓に政変の嵐が訪れることを予兆しているということです。蕭瑟はこれを聞いて深く憂慮し、葉嘯鷹(イエ・シャオイン)とは目標は一緻していても、戦略的には意見が分かれていると考えました。
葉若依は家に帰ると、父である葉嘯鷹(イエ・シャオイン)が「忍」という字を書いているのを見て、何かが起こる予感がしました。葉嘯鷹(イエ・シャオイン)は娘に、琅琊王との過去と、琅琊王の名誉を回復するために長年耐え忍んできたことについて語りました。しかし、葉若依は父親の極端なやり方に賛同できず、永安王府に引っ越して、父親の考えを蕭瑟に伝えようと決意しました。
蕭瑟はこれを聞いて、複雑な気持ちになりました。彼は、葉嘯鷹(イエ・シャオイン)の計画が実行されれば、計り知れない結果をもたらすことを知っていました。20万の琅琊軍が集結し、天啓を目指していますが、城内の守備兵はわずか3万しかいません。状況は極めて危ういものでした。蕭瑟は、蕭氏の皇族の中に蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)と内通している者がいるに違いないと考え、蕭月離(ショウ・ゲツリ)を緊急に招集して対策を練りました。迫り来る嵐の中で、一縷の希望を見出そうとしました。
第32話の感想
第32話は、悲しみが漂う白王府から始まり、緊迫感のある展開が続く回でした。瑾玉の死は、蕭崇(ショウ・シュウ)や朝廷に大きな衝撃を与え、今後の物語の重要な鍵となる事件であることが示唆されています。
特に注目すべき点は、三大監と蕭氏皇族の内部闘争です。瑾仙(ジン・シエン)公公と瑾宣(キン・セン)公公の対立、葉嘯鷹と蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)の共謀など、それぞれの思惑が複雑に絡み合っています。また、蕭瑟が瑾玉の死の真相を探り、葉若依が父親の計画に疑問を抱くなど、若者たちの成長も描かれています。
第32話で明らかになった龍封巻軸の真の意味も重要な要素です。天啓に政変が起きることを予兆しており、物語はさらに大きな展開を迎えることが予想されます。
つづく