少年歌行~伝説の始まり~ 第33話 あらすじ/ネタバレ

天啓の空に闇雲が立ち込め、様々な勢力が集結する中、かつてない変革の兆しが現れ始めていました。葉啸鷹(ヨウ・ショウヨウ)率いる旧部と蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)の連合軍は、北離を目指し勢いよく進軍し、琅琊鉄騎が天啓の静寂を破り、太安殿の威厳に迫ります。

一方、明徳帝は重病で昏睡状態に陥り、皇城内外は不安に包まれます。蕭瑟は、この危機的状況の中で、姬雪(ジー・シュエ)を蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)のもとへ派遣し、迫り来る戦を回避しようとします。しかし、姬雪(ジー・シュエ)の説得は蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)の決意を覆すことができず、篝火を囲んだ再会は、過去への未練と確固たる立場の対峙という結果に終わります。

かつての草莽の若き王であった蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)は、如今は戦甲を身にまとい、天下を誌します。彼の登場は、天啓の緊張を最高潮にまで高めます。百官は一斉に迎え、深謀遠慮な掌印監・濁心公公も姿を現し、塵封された秘密が明かされようとしていました。

勤王令は発令されましたが、援軍は遠く、火急の事態には間に合いません。蕭瑟の沈黙は、蕭月離(ショウ・ゲツリ)を焦燥させますが、彼女は彼を信じるしかありません。藏冥(ゾウ・メイ)と蕭崇(シャオ・チョン)は密談を行い、蕭瑟と蕭凌塵(シャオ・ リンチェン)の間に微妙な協力関係があるのではないかと推測しますが、蕭崇(シャオ・チョン)は蕭瑟が無辜の民を犠牲にすることはないだろうと確信します。

一方、司空千落(スコン・チエンルオ)との対局は、蕭瑟が打開策を練るきっかけとなります。姬雪(ジー・シュエ)の再訪は、神の手引きのように、蕭瑟に突破口を示します。葉若依は迅速に行動を起こし、蕭月離(ショウ・ゲツリ)に王離天軍を率いて撤退させ、後の作戦の準備を進めます。

天啓の街に警鍾が鳴り響き、人々は逃げ惑います。葉啸鷹(ヨウ・ショウヨウ)率いる将兵は、血戦の覚悟を決めますが、城門が開かれていることに驚き、疑念を抱きます。白王府と赤王府はそれぞれ思惑を巡らせ、華錦(カ・キン)は自らを犠牲にする覚悟を決め、沐春風(モク・シュンフォン)は蕭瑟が彼女のために用意した退路を明かします。

警鍾の音で目を覚ました明徳帝は、病を押して禁軍親兵・虎賁郎を率いて出陣します。蕭凌塵は入城後、まず太廟に参拝し、父への深い愛情と敬意を表します。斉天塵(セイ・テンジン)の説得も虚しく、明徳帝は蕭瑟が蕭凌塵を説得し、この怨恨の連鎖を断ち切ってくれることを期待します。

蕭羽(シャオ・ユー)は機に乗じて、蕭瑟が蕭凌塵と通じて謀仮を企てていると非難します。蕭瑟は、大局を考慮し、蕭羽(シャオ・ユー)に両軍が争い、彼が漁夫の利を得ることを望むのかと仮問します。両者が対峙する中、宮門が開かれ、鮮紅の鎧をまとった蕭凌塵率いる軍勢が威風堂々と登場します。その姿は、父である琅琊王に劣りません。

しかし、事態は急変します。濁心公公が龍封巻軸を手に、明徳帝の廃位と蕭凌塵の新皇即位を宣言します。この衝撃的な発表は、先帝が琅琊王に帝位を継承させようとしていた事実を明かし、明徳帝がそれを篡奪していたことを明らかにします。琅琊軍は激昂し、皇城を血の海に染めようとします。

しかし、蕭凌塵は権力に目がくらむことはありませんでした。彼は龍封巻軸を一瞥すると、それを引き裂き、濁心公公を刺し、宦官に操られることも、蕭氏皇族の運命を他人の手に委ねることも拒否します。この行動は、場を静まり返らせ、誰もがこの若い王を改めて見つめ直します。

最終的に、蕭凌塵は蕭瑟のもとに歩み寄り、いつもの陽気な表情を取り戻します。彼は琅琊王の血を受け継ぎ、父の遺誌を継ぎ、奸臣を討伐し、北離を守ると誓います。嵐の前の政変は、新たな方向性を見出したかのようでした。

第33話感想

第33話は、緊張感と衝撃が連続する怒涛の展開でした。葉啸鷹(ヨウ・ショウヨウ)率いる連合軍の迫り来る脅威、明徳帝の重病、蕭凌塵の決意、そして濁心公公による驚愕の発表など、息つく暇もないほどの情報量に圧倒されました。

特に印象に残ったのは、蕭凌塵のキャラクターです。彼は、かつての無邪気な少年から、天下を誌す凛々しい若き王へと成長しました。父への敬意、民への思い、そして権力への拒否。彼の葛藤と決意は、見る者の心を揺さぶります。

また、蕭瑟の冷静さと機転にも注目したいところです。彼は、窮地に立たされながらも、的確な判断を下し、事態を好転させようと尽力します。彼の知略と勇気は、今後の展開を大きく左右することでしょう。

さらに、濁心公公の存在も気になるところです。彼は、長年闇躍してきた謎多き人物であり、彼の真の目的はまだ明らかになっていません。今後のストーリーにおいて、重要な役割を果たすことは間違いありません。

つづく