楽遊原(らくゆうげん)第1話 あらすじ/ネタバレ
牢蘭河(ろうらんが)のほとり、銀松(ぎんしょう)がそよぐ銀松灘で、鎮西軍(ちんせいぐん)の斥候(せっこう)老鮑(ろうほう)が仲間たちと食事をとっていた。そこに李嶷(りぎょく)元帥(げんすい)がやってきて、老鮑(おうぼう)が皇室特供の精細な小麦粉を使った餅を振る舞っていることをからかう。
突然、城外から鋭い音が響き渡り、緊張感が走る。斥候の謝長耳が驚異的な敏捷さで動き、地面に耳を当てて情報を収集する。そして、来襲者は敵ではなく、鎮西都護軍(ちんせいとごぐん)の裴獻(はいけん)であることを李嶷(りぎょく)に伝える。
裴獻(はいけん)は衝撃的な知らせをもたらす。6月6日の万寿宴(ばんじゅえん)で、皇帝は奸臣の孫靖(そんせい)に毒殺され、皇城は陥落、太子は殉国、皇族は多数が不幸に見舞われ、国は前代未聞の混乱に陥ったという。唯一の希望は梁王の後継者である李嶷(りぎょく)に託され、彼は勤王救国の重責を負うことになる。
この突然の重圧に、李嶷は複雑な心境となる。彼は牢蘭関(ろうらんかん)で平穏な生活を送ることを望んでいたが、世事は無常であり、大裕国(だいうこく)の運命は彼と密接に結びついていた。軍資金を調達するため、彼は裴獻(はいけん)と協力して、穀物商の皮四郎(ひしろう)を探し出し、支配することを決意する。
しかし、皮四郎(ひしろう)を狙うのは彼らだけではない。もう一つの勢力が密かに潜入しており、同じ目的を持っていた。
李嶷と謎のライバル崔琳(さいりん)は、皮四郎(ひしろう)をめぐる偶然の衝突で、因縁が生まれる。彼らは浴場で遭遇し、水中で激闘を繰り広げるが、勝負はつかず、混乱の中で互いの持ち物を交換してしまう。李嶷は短い矢から、崔琳(さいりん)が名門の崔氏一族出身で、勤王を掲げているものの、それぞれが別の思惑を持っていることを推測する。
夜が訪れ、運命は再びこの2人を翻弄する。崔琳(さいりん)は水を汲みに行った際に再び李嶷と遭遇し、誤解と葛藤の末、太孫の居場所を知っていると主張する。しかし、それは時間稼ぎに過ぎず、李嶷は罠にはまってしまう。
しかし、李嶷はすぐに策略を立て直し、皮四郎(ひしろう)が軟禁されていることを利用して、巧妙な計略で城内に潜入する。対牌を直接奪取することはできなかったものの、崔家の陰謀を察知することに成功する。
崔家の先手を打たれた李嶷は、望州城(ぼうしゅうじょう)でじっと時を待つことを決意する。そして、逃亡途中の崔琳は、彼と正面から対峙することを余儀なくされる。交渉のテーブルでは、両者はそれぞれ主張を展開するが、李嶷は真の戦いはこれから始まることを悟る。
この国の運命を左右するこの碁局では、すべてのステップが慎重に、すべての駒が力強く打たれなければならない。そして、李嶷は、大裕国の未来のために、すべての挑戦に立ち向かう準備ができていた。
第1話 感想
第1話は、大裕国の混乱と李嶷の運命が交錯する緊迫感に満ちた展開でした。牢蘭河畔の穏やかな風景から一転、急展開する政変の知らせに、李嶷の苦悩と決意が伝わってきました。
特に印象的だったのは、李嶷と崔琳の出会いでした。浴場での水中の激闘、そして誤解と葛藤の末に明らかになる太孫の行方。二人の因縁が、今後の物語を大きく左右していく予感がします。
また、李嶷の策略と行動力にも注目です。皮四郎をめぐる駆け引きや、崔家の陰謀を察知する鋭さなど、彼の能力の高さが伺えました。
つづく