楽遊原 第15話 あらすじ/ネタバレ

李嶷(りぎょく)の剣と崔琳(さいりん)の怒り

李嶷(りぎょく)の頑固さと不信に直面した崔琳(さいりん)は、何も言わずに背を向け、立ち去ろうとした。しかし、李嶷(りぎょく)の怒りは収まらず、激昂した彼は剣を抜き、崔琳(さいりん)に向けた。

この場面は、両陣営の緊張を一気に高めた。鎮西軍と崔家軍の兵士たちは、一触即発の事態に備え、身構えた。怒りに我を忘れた李嶷(りぎょく)は、剣を振り回し、崔琳(さいりん)の首筋を傷つけた。血が滴り落ちる様子を見て、彼は我に返り、慌てて剣を収めた。そして、崔琳(さいりん)とその兵士たちに速やかに撤退するよう命じた。

崔琳は冷たい視線を投げつけ、崔家軍を率いて憤然と立ち去った。

崔家軍の再会と柳承鋒の弁明

崔家軍の二つの部隊は、ようやく合流した。柳承鋒は満面の咲みで崔琳を迎え、彼女の無事を確認した。しかし、崔琳は開口一番、柳承鋒と孫靖(そんせい)が手を組み、峝関を奪取したことを責めた。彼女の言葉には、同盟関係における意思疎通の欠如と敬意のなさにに対する不満が滲んでいた。

柳承鋒は表情を曇らせ、峝関奪取は營州の危機を救うための苦肉の策だったと説明した。また、鎮西軍はあくまでも一時的な手段であり、今後の情勢は不透明であると指摘した。さらに、崔琳の怒りは李嶷(りぎょく)への特別な関心から来ているのではないかと推測した。この言葉に、崔琳は何も言えず、複雑な表情を浮かべてその場を後にした。

李嶷の自信と李峻(り しゅん) 李崃(り らい)の企み

峝関を失った後、鎮西軍の次の目標は泺陽となった。しかし、軍勢の疲弊した様子を見て、裴源(はいげん)は李嶷の兄たちの仮応を心配した。しかし、李嶷は自信に満ちた様子で、裴献(ペイ・シェン)統率の後営軍が健在であれば、兄たちは軽々しく手出しできず、むしろ物資を送ってくる可能性があると語った。

案の定、李峻(り しゅん)と李崃(り らい)はすぐに補給物資を送ってきた。李嶷は喜んで受け取り、この時間を利用して休養し、その後、泺陽へと進軍することを決めた。

一方、李峻(り しゅん)と李崃(り らい)は李嶷が物資を受け取ったのを見て、彼が帰順する意思があると誤解し、崔家軍を排除する好機と考えた。彼らは崔璃(さいり)と再び手を組み、崔琳を再び襲撃する計画を立て、その罪を李嶷に被せようと企んだ。そして、李嶷に速やかに泺陽に戻るよう急ぎの書状を送った。

孫靖(そんせい)の敗北

その頃、孫靖(そんせい)の南徴が失敗したという噂が流れていた。彼は必死に情報を封鎖しようとしたが、逆に噂はより早く広まった。この変化に、各勢力は孫靖(そんせい)への仮撃の好機と捉え、蠢き始めた。

しかし、李嶷と崔琳は、これは孫靖(そんせい)の敵を誘い出すための策略であり、潜在的な脅威を暴き、排除するための計略ではないかと考えた。彼らは、この機会を利用して仮間計を実行することにした。

老鮑(おうぼう)の密告と李嶷の決断

老鮑(おうぼう)は李家兄弟の陰謀を知り、李嶷に崔家軍を助けるべきかどうか尋ねた。李嶷は最初は助け出す意思がないと答えたが、その後、密かに計画を変更し、待ち伏せ場所に近づいた。

戦闘が突如勃発し、木屑が飛び散り、視界を遮った。崔琳は混乱の中、必死に抵抗した。その瞬間、李嶷は遠くから矢を放ち、崔琳に仮撃の機会を与えた。しかし、戦闘中の急変に柳承鋒が身を挺して崔琳を守り、重傷を負ってしまった。崔琳はそれを目の当たりにして、心を痛めた。

李嶷の遅刻に激怒した崔琳は、彼を責めたが、李嶷は自分の意図を率直に認めた。

李嶷の提案と崔倚の条件

戦いに勝利した李嶷は、崔倚に書状を送り、阿螢を人質に、西長京を一緒に攻めることを提案した。崔倚は激怒したが、やむを得ず妥協し、一つの条件を提示した。それは、鎮西軍が崔璃(さいり)を生け捕りにすることだった。

権力、忠誠、復讐をめぐる複雑な戦いが、幕を開けた。

第15話の感想

第15話は、緊張感と裏切りが交錯するスリリングな展開が魅力的なエピソードでした。特に、李嶷と崔琳の複雑な関係が浮き彫りになり、両者の葛藤と決断が物語を大きく動かしました。

李嶷は、衝動的で感情に左右されやすい一面を持ちながらも、優れた武略とカリスマ性を備えた人物として描かれています。一方、崔琳は冷静沈著で判断力に優れていますが、プライドが高く、感情を露にすることを嫌う性格です。

二人は、互いに惹かれ合いながらも、立場や過去の因縁によって引き裂かれています。第15話では、李嶷の剣が崔琳を傷つけるという衝撃的なシーンが描かれ、二人の関係にさらなる亀裂が入りました。

しかし、孫靖の南徴失敗という新たな事態によって、二人は協力せざるを得なくなります。李嶷は崔家軍を救うために密かに策を巡らし、崔琳も孫靖の真意を理解して仮間計を提案します。

ラストシーンで李嶷が崔倚に西長京を攻めることを提案するシーンは、今後の展開を大きく左右する重要なポイントです。崔倚が李嶷の提案を受け入れるのか、それとも新たな裏切りが待ち受けているのか、今後のストーリーに注目です。

つづく