楽遊原第31話 あらすじ/ネタバレ

その重く闇い夜、李嶷(りぎょく)は老鮑(おうぼう)の遺体を安置した後、血滴る剣を拾い上げ、復讐への決意を固めた。李崃(り らい)はそれを目撃し、恐怖に駆られて後退し、掲硕人たちに李嶷(りぎょく)を包囲するよう命じた。しかし、復讐の炎に呑まれた李嶷(りぎょく)を前に、彼らは無力であり、彼の行く手を阻むことはできなかった。

李嶷(りぎょく)はよろめきながらも、李崃(り らい)に近づいていった。重傷で体はぐらついていたが、屈しない意誌が彼を支えていた。李崃(り らい)はそれを好機と見て剣を振りかざしたが、李嶷(りぎょく)はなんとか防御した。激しい戦いの後、李嶷はついに体力を使い果たし、李崃(り らい)の一蹴で気絶した。李崃(り らい)は勝利を確信し、得意満面になったが、その瞬間、冷酷な矢が夜空を貫き、彼の首に命中した。すべては突然に終わった。

崔琳(さいりん)は必死に李嶷に駆け寄り、彼の名前を呼び、眠りから覚まそうとした。崔琳(さいりん)の必死の呼びかけを感じたのか、李嶷は辛うじて目を覚ましたものの、すぐに体力が尽きて再び眠りに落ちてしまった。篝火のそばで踊り、未来の青写真を描いた記憶が蘇り、老鮑(おうぼう)や仲間たちの咲い声が、鋭い刃となって李嶷の心を深く傷つけた。

悪夢から目覚めた李嶷は、血を吐いた。崔琳(さいりん)は心配して彼の背中をさすり、冷たい手を握って温めた。謝長耳も自責の念に駆られ、悲劇を防げなかったことを悔やんだ。桃子(ももこ)は彼を優しく抱きしめ、心の痛みを癒そうとした。

夜が更ける中、李嶷は病を押して崔琳(さいりん)のもとを訪れ、彼女の手にキスをして、惜別と愛情を無言で表現した。そして、崔琳(さいりん)の顔を撫で、そっと背を向け、寺院の前に座った。清らかな茶を手に取っても、震える心を隠すことはできなかった。老鮑(おうぼう)の咲顔、過ごした日々が走馬灯のように浮かび上がり、彼は耐えきれず、血を吐いた。

李嶷が絶望に沈んでいると、崔琳がそっと彼の隣に座り、優しい言葉で慰めた。彼女は、生き続けることだけが、この土地と愛する人を守る道だと伝えた。そして、李嶷を強く抱きしめ、温もりと力を与えた。

皇宮では、新たな皇帝が続く事件に眠れぬ夜を過ごしていた。権力への恐怖と未知への不安が彼を蝕んでいた。李嶷が唯一の皇子となった現実を受け入れ、太子に立てようとしたが、李俊(りしゅん)と李崃を庇おうとした。裴献(ペイ・シェン)はそれに納得できず、国法を重んじるべきだと主張した。しかし、崔琳を太子妃にするという提案は、皇帝の崔家への警戒と顧丞相(こしょう)の妨害によって実現しなかった。

崔琳は李嶷が落ち込んでいるのを見て、彼を慰めるために新しい服を縫うことにした。李嶷は感慨にふけり、これまで自分が崔琳を抱きしめていたのに、今回は崔琳が後ろから抱きしめ、かつてない安心感と温もりを与えてくれたことを思い出した。崔琳はまた、お守りの簪を李嶷の身にそっと差し込み、李嶷もそれに気づき、母親の形見の珠を崔琳に贈った。長年の誤解とわだかまりが消え、二人は固く抱き合い、未来の嵐に立ち向かっていった。

第31話 感想

第31話は、怒り、悲しみ、そして希望が入り混じった、感情的なジェットコースターのようなエピソードでした。李嶷の復讐への決意、李崃の死、崔琳の李嶷への献身的な愛情、そして李嶷と崔琳の絆の強さが描かれていました。

特に印象的だったのは、李嶷と崔琳のシーンです。李嶷が絶望に沈んでいる時に、崔琳が彼を励まし、希望を与えたシーンは、とても感動的でした。また、李嶷と崔琳が誤解とわだかまりを乗り越え、固く抱き合うシーンは、二人の強い絆を感じさせました。

つづく