楽遊原 第7話 あらすじ/ネタバレ
崔琳(さいりん)は戦場から凱旋したばかりだったが、休む間もなく兵を率いて並州へと向かった。並州の守備兵は脆く、敗走を余儀なくされ、一部は建州へと逃亡、残りは降伏した。韓立(かんりつ)は形勢が不利と見て、親衛隊の護衛のもと逃亡を図ったが、崔家軍は既に網を張り、城門を閉鎖して韓立(かんりつ)の捕縛を図っていた。一方、鎮西軍の統帥である老鮑(おうぼう)も韓立(かんりつ)を追跡していた。
並州城内は混乱に陥っていたが、顧丞相(こしょう)府の庶女である顧婉娘は閨房で冷静さを保ち、針仕事を続けていた。顧丞相(こしょう)は6人の娘の中で婉娘を特に大切に思っておらず、優れた才能も目立った技術もないことから、三女の勧めもあり、彼女を並州へと嫁がせていた。婉娘が考え事をしていると、突然、部屋の外から足音が聞こえてきた。なんと、韓立(かんりつ)が礼儀を無視して部屋に闖入し、庇護を求めてきたのだ。婉娘は彼の行動を嘲咲し、鋭い言葉で拒絶した。韓立(かんりつ)は怒り、彼女に危害を加えようとしたが、李嶷(りぎょく)が及時に部屋に入り、危機を回避した。
李嶷(りぎょく)は韓立を押し退けて、窓から落ちそうになった婉娘を救出した。その瞬間、崔琳(さいりん)が現れ、この光景を目にした。彼女は内心不快に思ったが、約束を守るため並州を明け渡した。しかし、崔琳(さいりん)は簡単に諦めるような人物ではなかった。彼女は入城前から密かに準備を進めており、城内の食料や物資を全て移動させていたため、鎮西軍は措手不及となり、両者の間に再び緊張が走った。
柳承鋒と崔琳(さいりん)は、争いとは無関係に、悠然と点心を味わっていた。柳承鋒は不意に手で崔琳(さいりん)の唇の週りの点心の残りを拭い、その様子を李嶷(りぎょく)が目撃してしまった。彼はショックを受け、「止めてくれ」と口走ってしまった。その瞬間、部屋は静まり返った。李嶷(りぎょく)はさらに、崔琳が落としたと言っていた簪が自分の髪に挿してあるのを見て、複雑な気持ちになった。
夜が更け、李嶷(りぎょく)は思いにふけっていた。すると、部屋の外で物音がしたので、崔琳が来たのかと期待してドアを開けた。しかし、現れたのは顧婉娘だった。彼女は感謝の意を表し、顧家の物資を提供する代わりに、軍と一緒に都に行くことを希望した。李嶷は最初は規則に仮し、面倒を見るのが難しいとして拒否したが、婉娘の熱心な懇願に負けて、男装して同行することを許可した。
民心を安定させるため、城内では灯会が開催された。李嶷は崔琳を誘って一緒に灯会を見に行った。夜空には無数の孔明灯が浮かび、二人は舟に乗って美しい景色を楽しんだ。李嶷は子供の頃に都で過ごしたことを語り、楽遊原の壮大さを語った。崔琳はそれに応えて、古詩を詠んだ。しかし、李嶷が本当に言いたいことは詩ではなく、崔琳は彼の気持ちを察して先に言葉にした。二人は言葉にしなくても心が通じ合っていた。
皇城では、魏国夫人が正宮であることを自負していたが、かつての太子妃である蕭氏は孫靖(そんせい)の旧愛であり、魏国夫人は蔑ろにされ、恨みを抱いていた。彼女は蕭氏と対立し、屈辱を晴らそうと企んでいた。しかし、蕭氏は寵愛を笠に著て魏国夫人を無視し、孫靖(そんせい)がまだ即位していないにもかかわらず、地位を誇示していた。魏国夫人は蕭氏を目の敵にし、彼女を皇城から追い出すことを密かに計画していた。
第7話の感想
第7話は、緊迫感と人間ドラマが入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に、崔琳と李嶷の心の動きが繊細に描かれていて、二人の関係に大きな進展があった回と言えるでしょう。
崔琳は、並州を陥落させたものの、食料や物資を事前に移動させていたことで、鎮西軍との間に新たな緊張が生まれます。しかし、彼女は柳承鋒との関係を深め、心の安らぎを見出している様子が伺えました。
一方、李嶷は、韓立の危機を救ったことで、崔琳との距離が縮まります。しかし、彼は顧婉娘の男装姿に戸惑い、複雑な感情を抱くようになります。
皇城では、魏国夫人と蕭氏の対立が激化し、今後の展開が気になるところです。
つづく