蓮花楼 第13話 あらすじ/ネタバレ

李相夷(りしょうい)、現在の李蓮花 (りれんか)の心は、四顧門への深い愛著と自負で満たされており、闇流のように激しく渦巻いている。彼は、自分の決然とした言葉が、親友である単孤刀(ぜんことう)の心を奈落の底に突き落としてしまうとは、思いもしなかった。幼い頃から共に過ごしてきた、情の深い兄貴分である単孤刀(ぜんことう)は、粗末な食事を分け合い、宝剣を贈り合った、昨日のように鮮明な思い出に浸っていた。しかし、李相夷(りしょうい)の決然とした言葉を聞いた彼は、何も言わずに去っていき、李相夷(りしょうい)には遠ざかる背中だけが映っていた。

後悔の念に駆られた李相夷(りしょうい)は、失われゆく友情を取り戻すべく、馬を駆って追いかけた。しかし、彼を待っていたのは、冷たくなった単孤刀(ぜんことう)の遺体だった。彼は静かに横たわり、李相夷(りしょうい)の呼びかけに二度と応えることはなかった。この瞬間、李相夷(りしょうい)の心は、果てしない後悔と悲しみに引き裂かれた。彼は、かつての衝動と自負を仮省し始めた。

しかし、逝ってしまったものは戻らない。残された者は、前に進むしかない。単孤刀(ぜんことう)の葬儀の準備を進める中、李相夷(りしょうい)は、金鴛盟に遺体を奪われたという衝撃的な事実を知る。これは、相手が彼をおびき出すための策略だったのだ。怒りと復讐の炎が彼の胸中で燃え上がり、彼はすぐに四顧門の仲間を集め、金鴛盟との決戦を誓う。単孤刀(ぜんことう)の遺体を取り戻し、兄の仇を討つために。

一方、李蓮花 (りれんか)は一人、思い出に浸っていた。方多病(ほうたへい)は、彼の様子を見て、疑問と不安に駆られる。彼は李蓮花 (りれんか)を連れ戻し、百川院(ひゃくせんいん)に戻って真相を究明し、共に江湖の奇案を解決し、江湖の正義を再興しようと考えた。しかし、李蓮花の突然の失踪に、方多病(ほうたへい)は怒りを爆発させ、彼と決著をつけることを誓う。

笛飛声(てきひせい)は、李蓮花 (りれんか)に対して複雑な感情を抱いていた。彼は、李蓮花 (りれんか)が廃人のように彷徨う姿を見るに忍びない一方で、彼と勝負して自分の力を証明したいという思いもあった。そこで、彼は薬魔(やくま)から霊蛇窟、そして伝説の忘川花まで、あらゆる治療法を探し求めた。李蓮花 (りれんか)がかつての輝きを取り戻すためなら、彼はどんな犠牲も払う覚悟だった。しかし、李蓮花 (りれんか)はすでに過去を断ち切っており、李相夷(りしょうい)の名で江湖の争いに巻き込まれることを望んでいなかった。

酒楼で屈辱を受けた方多病(ほうたへい)は、一人屋根の上に身を潜め、李蓮花 (りれんか)への恨み言を呟いていた。彼が李蓮花 (りれんか)を見つけると、偶然笛飛声(てきひせい)と遭遇し、衝突は避けられない。李蓮花 (りれんか)は方多病(ほうたへい)を守るために身を挺し、負傷してしまう。一方、笛飛声(てきひせい)は静かに考えを巡らせ、悲惨な幼少時代を思い出し、李相夷(りしょうい)の境遇に同情する一方で、角麗譙(かくれいしょう)の毒殺事件で彼女に警告を与える。

目を覚ました方多病(ほうたへい)は、李蓮花 (りれんか)が自分を捨てずに、食事を用意してくれたことに感動する。彼は、李蓮花の祖伝の功法を学び、自分と週りの人を守ることを決意する。李蓮花の辛抱強い指導の下、二人の関係は静かに変化していく。

第13話の感想

第13話は、李相夷(りしょうい)と単孤刀(ぜんことう)の友情が大きな転換を迎える回でした。李相夷(りしょうい)の決然とした言葉が単孤刀(ぜんことう)を傷つけ、彼の死という衝撃的な展開に心が痛みました。しかし、この出来事は李相夷(りしょうい)に大きな変化をもたらし、彼は自らの過ちを認め、前に進む決意を固めます。

また、方多病(ほうたへい)と李蓮花の関係にも変化が見られました。最初は李蓮花の失踪に怒りを爆発させていた方多病(ほうたへい)ですが、彼の真意を知り、理解を深めていきます。二人の関係は、今後どのように発展していくのかが気になります。

笛飛声(てきひせい)は、李蓮花 (りれんか)に対して複雑な感情を抱いています。彼は李蓮花の才能を認めつつも、同時にライバルとして意識しています。そんな彼が、李蓮花の治療法を探し求める姿には、彼の優しさと強さが感じられました。

つづく