蓮花楼最終回 第40話 あらすじ/ネタバレ

夜も更け、冷たい風が吹きすさぶ中、李蓮花 (りれんか)は広々とした場所で一人佇み、静かに剣を振るっていた。その一振り一振りは、過去の師匠との対話のように見え、師匠の姿が剣光の中にちらついている。

そんな李蓮花 (りれんか)の元へ、方多病(ほうたへい)が慌ただしく駆け寄ってきた。彼は李蓮花 (りれんか)の薄著を心配し、四顧門へ向かうことを案じる。しかし李蓮花は、その視線に力強い眼差しを返すと、過去の因縁を断ち切る決意を語り、かつての思い出を象徴する赤い衣装に身を包み、剣を手に旅に出た。

李相夷(りしょうい)が江湖に復帰したという噂は瞬く間に広がり、人々はかつての武林盟主の姿を一目見ようと四顧門に押し寄せた。四顧門では、公正を期すため、裏切り者の雲彼丘(うんひきゅう)を門外に縛り付け、その裏切りの証拠を公開した。民衆は激怒し、厳罰を要求する。石姑娘(いしじょう)は自らの手で門を浄化しようと決意する。

そんな中、李相夷(りしょうい)が現れ、雲彼丘(うんひきゅう)を救い出す。その姿に人々は驚き、次々と跪拝した。

李蓮花は、雲彼丘(うんひきゅう)の大罪を認めながらも、彼が武林を守り、人々を救う善行を重ねてきたことを明かし、人々の心を動かした。雲彼丘(うんひきゅう)が毒に侵されていることを知った李蓮花は、自身の危険を顧みず、内功を使って彼を救うことを決意する。

一命を取り留めた雲彼丘(うんひきゅう)は、門主が四顧門内部の崩壊を嘆き、自分ではどうすることもできないと打ち明ける。雲彼丘(うんひきゅう)は李蓮花の弱った様子に気づき、感謝の気持ちと共に心配する。

李蓮花は、無理をして蓮花楼に戻ると、内力の消耗が激しく、倒れそうになる。方多病(ほうたへい)は、師匠が自分の身を顧みないことに心を痛め、薬を探そうとする。しかし、李蓮花は密かに旅立つことを決意し、貴重な忘川花を陛下に贈り、手紙と畢生の武功を置いて、一人馬に乗って遠ざかる。

薬を探して戻ってきた方多病(ほうたへい)は、誰もいない蓮花楼を見て、再び師匠に「からかわれた」ことに複雑な気持ちになる。一方、李蓮花は体調が悪化し、道に迷ってしまう。肖紫矜(しょうしきん)と偶然出会い、誤解から李蓮花が自分の最愛の人を隠していると勘違いした肖紫矜(しょうしきん)は、再び勝負を挑もうとする。しかし李蓮花はそれを拒否し、宝剣を折って急流に飛び込み、江湖に別れを告げた。

李蓮花が李相夷(りしょうい)であることが明らかになり、彼の伝説は瞬く間に語り継がれ、話本として歌われるようになった。それを聞いた方多病(ほうたへい)は、複雑な気持ちになる。東海の約束の日、笛飛声(てきひせい)は李蓮花を待ち望むが、届いたのは遺書だった。そこには、剣を折って隠遁し、黄泉へ向かうことが記されていた。方多病(ほうたへい)は悲しみに暮れ、師匠の遺骨を探し出すことを誓う。笛飛声(てきひせい)も落胆し、李相夷(りしょうい)との決戦が葉わなくなったことを悟る。

江湖は変わっても、人は変わっていく。李蓮花は、自分のやり方で、侠のあり方を示した。情は深く、縁は浅く、後世に残したのは、勇気、犠牲、愛の物語である。

第40話の感想

第40話は、蓮花楼の最終回にふさわしい、感動的で衝撃的な内容でした。李蓮花が過去と決別し、侠として生きる道を選んだ姿には胸を打たれました。一方で、彼の旅立ちと別れは、大きな悲しみをもたらしました。

特に印象に残ったのは、李蓮花が雲彼丘(うんひきゅう)を救うシーンです。彼はかつての敵であり、裏切り者であるにもかかわらず、命を懸けて助けるという決断は、彼の侠としての器の大きさを示しています。また、李蓮花が肖紫矜(しょうしきん)との決闘を拒否し、宝剣を折って身を投げるシーンは、彼の武人としての潔さと、江湖への決別を象徴するものでした。

第40話は、李蓮花というキャラクターの生き様を通して、侠とは何か、生きるとは何かを問いかける内容でした。彼の選択は、私たちに大きな感動と深い余韻を残しました。

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