祝卿好~永遠の幸せを君に~ 第10話 あらすじ/ネタバレ

夜が深まる広平侯府では、ある嵐が静かに近づいていた。

老侯爷は厳かな表情で、息子である少侯爷の決断を厳しく叱責します。彼は、陸チエン(ルー・チエン)が連れてきた翎児(りんじ)を簡単に受け入れるべきではなかったと非難します。少侯爷は自分の非を認め、頭を下げて謝罪します。そして、驚くべき事実を明かします。劉泠(リウ・リン)は沈宴(シェン・イエン)に連れ去られたのです。老侯爷は複雑な表情を浮かべ、心配と無力感を隠せません。

一方、劉泠(リウ・リン)は沈嗷嗷(シン・アオアオ)を失った悲しみに暮れていました。沈宴(シェン・イエン)はそんな彼女を山へ連れ出し、一緒に月を眺めます。そして、人工的に作った流星雨で、彼女の心を晴らそうとします。劉泠(リウ・リン)は突然のロマンチックな演出に心を打たれ、久々に笑顔を見せます。しかし、その喜びも束の間、彼女は美しいものはすぐに消えてしまうと嘆きます。沈宴(シェン・イエン)は優しく彼女を慰め、目の前の美しさを大切にして、悲しみを忘れるように励まします。

同じ頃、江州事件の噂が日に日に強まっていました。陸(ルー)家の切り札である神機箭の製造費用は、陸公を陸公府外の勢力に頭を下げざるを得ないほど高額でした。陸チエン(ルー・チエン)は銀貨が惜しいと思いつつも、これは必要な犠牲だと理解していました。彼女は父を慰め、大事が成し遂げられれば、これらの投資はすべて無意味なものになると言います。

沈宴(シェン・イエン)は著々と計画を進めていました。彼は沈昱(シェン・ユー)に、玉珏の神秘的な紋様の出所を調査するように依頼します。それが中原のものではないと知った沈宴(シェン・イエン)は、決意を新たにします。彼は太子の権限を利用して陸(ルー)家に挑戦することを決意し、最初の目標は「坤」の字が刻まれた半分の玉珏を取り戻すことでした。

沈昱(シェン・ユー)は、莳花閣で酒を飲んで憂さを晴らしている陸銘山(ルー・ミンシャン)と偶然出会います。実は、陸銘山(ルー・ミンシャン)は陸チエン(ルー・チエン)の指示で翎児(りんじ)を殺害したことで、深い罪悪感と苦悩に苛まれていました。この発見は、沈宴(シェン・イエン)が陸(ルー)家を攻撃するきっかけとなりました。その後、翎児(りんじ)の遺体が発見され、沈宴(シェン・イエン)はそれが殺人であると断定します。そして、金鱗衛(きんりんえい)を率いて陸府に侵入し、陸公、陸銘山(ルー・ミンシャン)、執事などを連行して取り調べます。また、陸(ルー)家と親交のある朝臣にも北典正司への協力を要請します。

府内では、老侯爷と劉泠(リウ・リン)の会話から、沈宴(シェン・イエン)の身分に対する懸念が明らかになります。老侯爷は劉泠(リウ・リン)が沈宴(シェン・イエン)と付き合うことに強く仮対し、彼女が金鱗衛(きんりんえい)のような危険な場所に嫁ぐことを望んでいません。劉泠(リウ・リン)は心の中で不満を感じながらも仮論できず、病気を理由に席を離れます。舅舅は沈宴(シェン・イエン)が助けになると感じていましたが、老侯爷の頑固さにはどうすることもできませんでした。

劉泠(リウ・リン)の窮地を救うため、舅母は徐時錦(シュー・シージン) に協力を求めます。徐時錦(シュー・シージン) は劉泠(リウ・リン)の気持ちを知っており、彼女と沈母が紅螺寺で偶然出会うように仕向けます。劉泠(リウ・リン)は誠心誠意でおみくじを引きますが、下下签を引いてしまいます。門の外にいる沈母も心配そうに、劉泠(リウ・リン)が沈宴(シェン・イエン)を放っておいてくれるように願っています。

一方、陸銘山(ルー・ミンシャン)と劉大人の密謀を沈昱(シェン・ユー)が偶然耳にします。彼らは沈宴(シェン・イエン)を含む太子の側近を排除する計画を立てていましたが、自分たちの行動がすでにバレていることに気づいていませんでした。

劉泠(リウ・リン)と徐時錦(シュー・シージン) の会話の中で、劉泠(リウ・リン)は沈宴(ジェン・イェチョン)への深い愛情と未来への迷いが明らかになります。彼女は母親の轍を踏むことを恐れ、沈宴(ジェン・イェチョン)との未来に不安を感じています。この言葉は沈宴(ジェン・イェチョン)の耳に届き、彼は黙って立ち去ります。劉泠(ユエン・ビンイエン)は追いかけようとしますが、徐時錦(シュー・シージン) に引き止められ、沈宴(ジェン・イェチョン)との道は想像以上に険しいことを悟ります。

夜が更け、沈宴(ジェン・イェチョン)と劉泠(ユエン・ビンイエン)は眠れない夜を過ごします。沈宴(ジェン・イェチョン)は再び行動を起こし、部下を率いて陸府に夜襲をかけます。一方、劉泠(ユエン・ビンイエン)は霊璧(リン・ビー)の導きのもと、沈宴(ジェン・イェチョン)のいない夜を一人で過ごそうとしますが、心は複雑です。

同じ頃、徐時錦(シュー・シージン) は玉珏の情報を求めて沈昱(シェン・ユー)に助けを求めることにしました。南典正司の複雑な状況に頭を悩ませながらも、家族の名誉のために前に進みます。この夜、誰もが秘密と葛藤を抱えて眠れぬ夜を過ごします。そして、それはこれから訪れる嵐がさらに激しくなることを予感させていました。

第10話の感想

第10話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。沈宴(ジェン・イェチョン)と劉泠(ユエン・ビンイエン)の切ない恋模様、陸(ルー)家の陰謀、そして徐時錦(シュー・シージン) の活躍など、見どころ満載の内容でした。

特に印象的だったのは、沈宴(ジェン・イェチョン)が劉泠(ユエン・ビンイエン)のために人工の流星雨を降らせたシーンです。ロマンチックな演出に劉泠(ユエン・ビンイエン)の心がほころぶ様子は、見ていて心が温まりました。しかし、その後の劉泠(ユエン・ビンイエン)の言葉は、彼女の未来への不安を垣間見せてくれました。沈宴(ジェン・イェチョン)との幸せを願う一方で、母親の悲劇を繰り返すことを恐れている彼女の心情が伝わってきました。

また、陸(ルー)家の陰謀が明らかになるにつれて、物語はますます緊迫したものになってきました。陸銘山(ルー・ミンシャン)が翎児(りんじ)を殺害したという事実には衝撃を受けました。陸(ルー)家の冷酷さと野心は、沈宴(ジェン・イェチョン)たちにとって大きな脅威となるでしょう。

一方、徐時錦(シュー・シージン) の活躍にも注目です。彼女は沈昱(シェン・ユー)の協力を得て、玉珏の謎に迫ろうとしています。彼女の機転と行動力は、今後の展開を左右する重要な要素となるでしょう。

つづく