双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆 第16話 あらすじ/ネタバレ

陳文徳は、明德侯(めいていこう)が磬州女学(けいしゅうじょがく)を訪れた真意を疑い、その目的が鉄鉱石にあるのではないかと考えていた。鐘太后は詩文に精通しているだけでなく、地理探査にも長けており、彼女の遺書には磬州に膨大な鉄鉱石が埋蔵されていることが記されていたが、その正確な位置は彼女が手書きした地図にしか記されていなかった。

馮嫣(ふう・えん)は、薛嘉児に丁一苑(ていいちえん)の生徒たちを率いて舞を披露させ、権力者に媚びを売る計画を企てた。相府(しょうふ)の密偵である呉吟(くれ・ぎん)は、明德侯(めいていこう)に蔵書閣で謎の人物と遭遇したことを報告し、その目的は太后の墨宝だけでなく、さらに大きな陰謀があるのではないかと推測した。明德侯(めいていこう)は姉から磬州の鉄鉱石について聞いており、兵器を鍛造し、軍備を強化するために鉄鉱石の地図を手に入れようとしていた。磬州は広大で山々に囲まれており、鉄鉱石の場所は見つけるのが難しいことから、今回の訪問は鉄鉱石の地図を手に入れることが目的だった。呉吟(くれ・ぎん)は全面的に協力することを約束した。

陳文徳は杖責(じょうせき)を受けそうになった鳳瑶(ほうよう)を救出し、姉妹は無事に再会を果たした。陳文徳は鉄鉱石の地図の重要性を認識しており、敵の手に渡ることを阻止したいと考えていた。そこで、茉喜(まほろ)と鳳瑶(ほうよう)に女学からすぐに逃げるように促した。

鳳瑶(ほうよう)は陳文徳が明德侯(めいていこう)を暗殺しようとしていることを知り、その結果を心配して女学に戻って知らせようと決意した。彼女は明德侯(めいていこう)は聖上が派遣した人物であり、もし何かあれば動乱が起き、女学の師弟が巻き込まれる恐れがあると考えた。茉喜(まほろ)は彼女を説得しようとしたが、無駄だったため、仕方なく一緒に女学に戻ることにした。

沈書墨(しんしょぼく)は女学の現状に不満を持ち、辞任することを決意した。茉喜(まほろ)は陳文徳の暗殺計画を阻止するため、沈書墨(しんしょぼく)と鳳瑶(ほうよう)を部屋に閉じ込め、一人で明德侯(めいていこう)に会いに行った。

丁二苑(ていにえん)の生徒は、丁一苑が舞を披露することに不満を持ち、湘南(ショウナン)をリーダーとして薛嘉児に勝負を挑んだ。茉喜(まほろ)は陳文徳を探して暗殺を阻止しようとしたが、失敗に終わった。湘南は試合中に明德侯(めいていこう)を暗殺しようとしたが、陳文徳と呉吟(くれ・ぎん)が介入し、激しい戦いの末、陳文徳は負傷し、湘南は殺された。

負傷した陳文徳は明德侯(めいていこう)を人質に取り、鉄鉱石の地図を渡すように要求した。茉喜(まほろ)が現れて阻止しようとしたが、陳文徳を救出するしか方法がなかった。陳文徳は途中で意識を失い、茉喜(まほろ)は足首を捻挫したふりをして呉吟(くれ・ぎん)に捕まった。住居に戻ると、鳳瑶(ほうよう)は茉喜(まほろ)に迷惑をかけたことを謝罪した。茉喜(まほろ)は陳文徳との関係を隠し、言い訳をして回避した。

茉喜(まほろ)は鳳瑶(ほうよう)を沈書墨(しんしょぼく)の部屋で休ませ、戻ると陳文徳がすでに部屋に隠れていることに気づいた。陳文徳は怪我の治療を理由に部屋に残ることにし、茉喜(まほろ)が男女二人きりで過ごすことを恐れないことに対して冗談を言った。二人の雰囲気は微妙なものだった。

第16話感想

第16話は、緊迫感と人間ドラマが交錯する、見応えのあるエピソードだった。陳文徳と明德侯(めいていこう)の対立が激化し、ついに鉄鉱石の地図を巡って直接対決する場面は手に汗握る展開だった。また、陳文徳と茉喜(まほろ)の関係も大きく進展し、二人の絆が深まる様子が描かれた。

特に印象的だったのは、陳文徳が負傷しながらも明德侯(めいていこう)を人質に取ったシーンだ。陳文徳の強い意志と、茉喜(まほろ)の必死の説得が伝わってくる、胸を打つ場面だった。また、鳳瑶(ほうよう)が陳文徳の暗殺計画を阻止するために女学に戻ろうとするシーンも、彼女の勇気と決意が感じられて感動的だった。

つづく