双燕秘抄 - 乱世を舞う二羽の絆 - 第5話 あらすじ/ネタバレ

萬嘉桂(ばんかげつ)の想い

萬嘉桂(ばんかげつ)は茉喜(まほろ)に惹かれながらも、今の幸せは夢に過ぎず、いずれ覚めてしまうのではないかと感じていた。彼は世の中は良い夢ばかりではなく、執着しすぎると自分にも相手にも傷がつくと考えていた。しかし茉喜(まほろ)はそんな萬嘉桂(ばんかげつ)を押し倒し、自分の気持ちに正直に生きたいと訴えた。茉喜(まほろ)は以前、二叔母から「美人肩、水蛇腰」と言われ、将来嫁ぎ遅れるだろうと言われたことがあった。茉喜(まほろ)はそんな未来が嫌なら、萬嘉桂(ばんかげつ)にしがみつくしかないと言った。しかし萬嘉桂(ばんかげつ)は、茉喜(まほろ)が自分を助けてくれたことを心から感謝し、妹として大切にしたいと告げた。茉喜(まほろ)は萬嘉桂(ばんかげつ)の言葉を聞いて、怒ってその場を去った。

茉喜(まほろ)の決意

白にふじんは茉喜(まほろ)の監視役として、2人の侍女をつけた。茉喜(まほろ)はそれが陳文德(ちんぶんとく)の仕業だと気づき、自分が逃げないように監視していると考えた。萬嘉桂(ばんかげつ)は茉喜(まほろ)のために火薬を改良し、その際に戦友の話をした。その戦友は火薬の作り方を教えてくれた人物だったが、京州城が陥落した際に殺されてしまった。生き残った仲間はほとんどいなかった。乱世の世の中、軍人にとって生死は紙一重だった。だからこそ、彼らは妻を持つことも、恋をすることもできなかった。

茉喜(まほろ)はそんな世の中でも、萬嘉桂(ばんかげつ)についていく覚悟だったが、萬嘉桂(ばんかげつ)は茉喜(まほろ)を妹としてしか見ようとしなかった。そして京州城を脱出したら、茉喜(まほろ)を池北の実家に送ると言った。茉喜(まほろ)は萬嘉桂(ばんかげつ)の決意を聞き、いつか考えを変えてくれると信じることにした。

脱出計画

茉喜(まほろ)と萬嘉桂(ばんかげつ)は脱出計画を練った。出城許可証は手に入れたが、陳文德(ちんぶんとく)の侍女2人をどうにかする必要があった。茉喜(まほろ)は当日、墓参りのために早めに出城し、その隙に侍女2人を爆薬で気絶させる計画を立てた。茉喜(まほろ)は実は、母親の遺骨はすでに父親と一緒に埋葬していたことを明かした。萬嘉桂(ばんかげつ)と脱出したら、陳文德(ちんぶんとく)が両親の墓を荒らすのではないかと心配していた。茉喜(まほろ)は幼い頃から京州城に詳しく、2人の脱出ルートを完璧に計画した。彼女は2人ならきっと京州城から脱出できると信じていた。

鳳瑶(ほうよう)の行動

鳳瑶(ほうよう)は、茉喜(まほろ)が新しい服を嬉しそうに持ち帰ってきたのを見て、陳文德(ちんぶんとく)との結婚を諦めたのではないかと疑った。翌日、茉喜(まほろ)は萬嘉桂(ばんかげつ)と一緒に変装し、出城許可証を使って馬車で京州城を脱出した。茉喜(まほろ)は両親の墓に到着すると、侍女を追い払い、萬嘉桂(ばんかげつ)に書かせた婚書を取り出した。実は茉喜(まほろ)は、以前母親に婚書を書いてもらう約束をしていた。母親の願いを叶えるために、萬嘉桂(ばんかげつ)に婚書を書いてもらったのだ。茉喜(まほろ)は婚書を母親に捧げ、母親の願いを叶えた。

鳳瑶(ほうよう)は茉喜(まほろ)の計画に気づき、茉喜(まほろ)の安否を確かめるために京州城を密かに出て行った。茉喜(まほろ)は両親に別れを告げ、帰城途中に休憩した際に、女装した萬嘉桂(ばんかげつ)を馬車に乗せ、爆竹を使って馬を驚かせた。驚いた馬は走り去り、侍女と北朔軍が追いかけてきたが、馬車は崖から落ちてしまった。

茉喜(まほろ)の嘘

茉喜(まほろ)は侍女がいない隙に馬車から抜け出し、萬嘉桂(ばんかげつ)と合流しようとしたが、北朔軍に見つかってしまった。北朔軍の隊長である小武(しょうぶ)は、崖から落ちたのは誰かと尋ねた。その瞬間、鳳瑶(ほうよう)が現れた。茉喜(まほろ)は咄嗟に鳳瑶(ほうよう)を崖から落ちた人物だと偽った。そして、白文泰(はくぶんたい)夫婦が鳳瑶(ほうよう)を嫁がせようとしているのを阻止するために、鳳瑶(ほうよう)を連れて逃げ出したと嘘をついた。しかし、実際には2人は逃げ出しておらず、茉喜(まほろ)は落胆していた。鳳瑶(ほうよう)の協力もあり、小武(しょうぶ)はとりあえず茉喜(まほろ)の嘘を信じた。

陳文德(ちんぶんとく)の疑い

帰城途中、茉喜(まほろ)は鳳瑶(ほうよう)に嘘をついてもらうよう頼んだ。鳳瑶(ほうよう)は、崖から落ちた人物が茉喜(まほろ)にとって大切な人だと知り、茉喜(まほろ)の頼みを承諾した。茉喜(まほろ)は陳文德(ちんぶんとく)の前に連れて行かれ、陳文德(ちんぶんとく)は茉喜(まほろ)の嘘を見破った。茉喜(まほろ)が墓参りの目的は将軍府に入るためではなく、白鳳瑶(ほうよう)と一緒に京州城から脱出するためだったと知った。茉喜(まほろ)はそれを認め、罰を受け入れる覚悟だった。陳文德(ちんぶんとく)は匕首を取り出し、茉喜(まほろ)を脅した。茉喜(まほろ)は恐怖で叫び声を上げたが、陳文德(ちんぶんとく)はそんな茉喜(まほろ)を見て、逆に興味を持った。

茉喜(まほろ)は白府に戻された。鳳瑶(ほうよう)は家出をしたことで白にふじんから叱責を受けており、茉喜(まほろ)は自分のせいで鳳瑶(ほうよう)に迷惑をかけてしまったと後悔した。

第5話の感想

第5話は、萬嘉桂(ばんかげつ)と茉喜(まほろ)の想いが交錯する切ない回でした。萬嘉桂(ばんかげつ)は茉喜(まほろ)に惹かれながらも、乱世に生きる軍人として、彼女を危険に巻き込むわけにはいかないという葛藤を抱えています。一方、茉喜(まほろ)は萬嘉桂(ばんかげつ)への想いを貫こうと、脱出計画を立てます。

しかし、脱出は予想外の展開となり、萬嘉桂(ばんかげつ)は崖から落ちてしまいます。茉喜(まほろ)は鳳瑶(ほうよう)の助けを借りて、萬嘉桂(ばんかげつ)の死を偽装します。

陳文德(ちんぶんとく)は茉喜(まほろ)の嘘を見破りますが、彼女の強い意志に惹かれていきます。

つづく