花の告発~煙雨に仇討つ九義人~ 第10話 あらすじ/ネタバレ

七年後、馮大(ふうだい)は江湖で小有名氣な鏢師となっていたが、その行動はしばしば鏢局の大当家の底線に触れ、解雇寸前にまで追い込まれていた。そんな時、謎めいた若い女性が訪ねてきて、馮大(ふうだい)に鏢の依頼をする。馮大(ふうだい)は訝しがりながら女性を見ると、見覚えのある顔だった。彼女は馮大との過去の思い出を語り始める。

実は、この鏢は淮南東路提点刑獄公事(ていてんけいごくこうじ)・婁明章(ろうめいしょう)とその妻が微服私訪で、官商勾結と腐敗を調査するためのもので、命を懸けた危険な任務だった。夫妻は淮州(わいしゅう)城外の山林で賊に襲われるが、馮大が神出鬼没に現れ、賊を撃退する。しかし、婁明章(ろうめいしょう)は馮大と賊との間に何かあると見抜き、馮大は婁明章(ろうめいしょう)夫妻を安全な場所に「移送」する。

馮大に護送された婁明章は淮州(わいしゅう)城に到著し、知府(ちふ)の陳之遠(ちんしえん)に呉廉(ごれん)と趙寅(ちょういん)が密輸に関与していることを告発する。陳之遠(ちんしえん)は言葉を濁し、宴(うたげ)会で時間を稼ごうとするが、婁明章は陳之遠(ちんしえん)の企みを看破り、陳之遠は停職処分となる。

一方、国公府では、国公夫人が码頭のことで不安に駆られているが、孟宛(もうえん)は冷静に事態を分析し、呉廉(ごれん)を救出するためには大船が必要だが、短期間で調達するのは難しいと指摘する。国公夫人はさらに、婁明章が陳之遠を停職させ、碼頭に向かったという情報を得て、事態の複雑さを痛感する。

碼頭では、婁明章は呉廉(ごれん)が密輸を行い、皇室への貢物を偽造していることを告発する。呉廉は弁明し、趙寅(ちょういん)との関係を否定しようとするが、趙寅(ちょういん)は呉廉の悪行を暴露する。しかし、確たる証拠がなく、呉廉を処罰することはできない。

婁明章は趙寅を京へ連行し、呉廉の調査を継続する。国公夫人は呉廉の行動に嫌悪感を抱き始め、孟宛(もうえん)は呉廉を倒すには国公夫人の支持と趙寅の財力を削ぐ必要があると考える。呉廉を直接倒すことはできなかったが、趙寅の失脚は大きな打撃となる。

孟宛(もうえん)は淮州(わいしゅう)の文人墨客に呉廉の罪を告発する状紙を書かせ、深夜に淮州城中に貼り出す。状紙は人々の怒りを呼び、正義感の強い婁明章は淮州に残り、真相を究明し、呉廉を処罰することを決意する。国公夫人の心も揺れ始め、淮州城では正義と悪の戦いが始まろうとしていた。

第10話感想

第10話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。馮大の過去が明らかになり、婁明章夫妻の命を救ったことで、官商勾結と腐敗を暴くための戦いに巻き込まれていきます。

特に印象に残ったのは、馮大と婁明章の対峙シーンです。馮大は、過去に犯した罪の意識から、婁明章を拒絶しようとしますが、婁明章は馮大を信じ、共に戦うことを提案します。このシーンは、二人の絆が深まる重要な場面であり、今後の展開が期待されます。

また、孟宛の策略も注目すべき点です。彼女は、呉廉の罪を告発する状紙を淮州城中に貼り出すことで、民衆の怒りを煽り、婁明章を淮州に残るように仕向けました。この策略は、呉廉を倒すための重要な一歩となるでしょう。

つづく