花の告発~煙雨に仇討つ九義人~ 第17話 あらすじ/ネタバレ

如蘭(じょらん)は自分で編んだ夢の赤い嫁衣を身に纏う。その色は、妾として生きる彼女には重すぎる。今日、それは彼女の最後の戦衣となる。

母の涙は、如蘭(じょらん)の咲顔で拭い去ろうとするが、その強さに胸が張り裂けそうになる。兄は彼女を背負い、慣れ親しんだ裏庭を歩く。嫁衣は風に揺れ、煙雨楼での日々を思い起こさせる。しかし、その華やかさは世の中の不平等と個人の無力さを映し出す。

孟宛(もうえん)は、如蘭(じょらん)を見送るしかできない。雨が降り始め、婚礼の悲しさを増す。呉家の門前では、如蘭の寂しさと対照的に賑わっている。誰もこの婚礼の背後にある辛酸を知ることはない。

呉廉(ごれん)の遅刻で、如蘭の心は沈む。彼女は咲顔を作り、台所で料理を作る。かつての敵、今の夫である呉廉(ごれん)に、彼女は従順さを示すが、その裏には鋭い棘が隠されている。彼女は過去の夢を淡々と語り、繡楼の頂上で呉廉(ごれん)の正体と騙された愛を暴く。

怒りに駆られた呉廉は暴走し、如蘭は決意を持ってこの茶番劇を終わらせる。赤い嫁衣に染み込んだ鮮やかな血は、彼女の人生で最も華やかな瞬間であり、不平等な運命への最大の抵抗である。

駆けつけた孟宛(もうえん)は、如蘭の描いた絶唱を見る。呉廉は逮捕されるが、すぐに釈放され、真実は雨の夜に葬り去られる。沈牧(しんぼく)の正義感は、官僚の闇に直面し、官職を辞して正義を守る道を選ぶ。

孟宛(もうえん)は、親友を失った悲しみに沈む。かつての絶望を思い出し、如蘭の出現が彼女に生きる勇気を与えたことを知る。しかし、その勇気は如蘭の死とともに消えてしまったようだ。

第17話の感想

第17話は、如蘭の壮絶な最期を描いた衝撃的な回でした。七年の時を経て、夢を諦めざるを得なかった如蘭は、赤い嫁衣を身に纏い、最後の戦いに挑みます。その姿は美しくも悲しく、見ている者の心を締め付けました。

如蘭の強さと決意は、見る者に勇気を与えるものでした。彼女は、不平等な運命に抗い、自分の信念を貫き通しました。彼女の死は、世の中の理不尽さを改めて突きつけるものであり、同時に、希望の大切さを教えてくれるものでした。

また、孟宛の苦悩も印象的でした。彼女は、如蘭の死によって、生きる意味を失いかけます。しかし、如蘭の言葉と行動を思い出し、再び立ち上がることを決意します。孟宛の成長は、如蘭の死が無駄ではなかったことを示唆しており、感動的なものでした。

つづく