花の告発~煙雨に仇討つ九義人~ 第18話 あらすじ/ネタバレ

孟宛(もうえん)は如蘭(じょらん)の墓前に立ち、碑文を撫でながら複雑な思いに浸っていた。清水(せいすい)庵の住職の言葉が耳に残り、道義と私情の間で揺れ動いていた。せっかく手に入れたものを手放すのは惜しいが、無辜の人々を巻き込むのも望んでいない。孟宛(もうえん)は立ち上がり、遠くを見つめながら、心を落ち著かせる答えを探していた。

鄭大娘子(せいさい)の窮状は孟宛(もうえん)の心配をさらに募らせた。呉廉(ごれん)との関係が続けば、より多くの人が渦中に巻き込まれることは明らかだった。しかし、三娘は成し遂げるためには手段を選ばず、田小玲(でんしょうれい)の犠牲が呉廉(ごれん)を倒す鍵になると考えていた。それを聞いた李春風(りしゅんふう)は激怒し、酒杯を割って三娘を非難した。空気が凍りつく中、孟宛(もうえん)は仲裁に入り、事態を収拾しようとした。

ある日、三娘のもとに密書が届き、天水茶坊で会う約束がされた。三娘の行方はごく一部の人しか知らないため、この手紙は不審だった。真相を確かめるため、三娘は1人で約束の場所へ向かった。しかし、彼女を待っていたのは呉廉(ごれん)だった。呉廉(ごれん)は三娘の行動を把握しているだけでなく、7人の素性や私語の内容まで知っていた。

三娘が戻ると、小院は緊張に包まれていた。李春風(りしゅんふう)は三娘を疑い、鋭い視線を向けた。三娘は冷咲しながら事情を説明し、仲間の中に裏切り者がいることを示唆した。それを聞いた一同は驚き、誰が裏切り者なのかを疑い合い、不穏な空気のまま別れた。

夜になり、三娘は荷物をまとめ、潯州(じんしゅう)城に戻ることにした。孟宛(もうえん)の説得もむなしく、劉薪(りゅうしん)に小院の監視を託して黒幕を突き止めようとした。劉薪(りゅうしん)は竹林を歩いていると三娘に出会い、疑惑が再燃した。説明を受けた後、2人は別行動を取り、小院の安全を守ることにした。

しばらくして、三娘は怪しい女の姿を捉え、尾行したところ、呉廉(ごれん)が30万の兵を率いて北上しようとしていることを知った。この驚愕の事実を三娘は孟宛に伝えようと急いで戻った。心を痛めながらも、孟宛は三娘の決意を受け入れ、劉薪(りゅうしん)に渡すようにと靴を預かった。

潯陽城に戻った三娘は、袁嵋(えん び)との再会を果たした。京城的混乱について話し合う中で、三娘は「30万」が禁軍を指している可能性に気づいた。突然の危機に直面し、三娘は袁嵋(えん び)に心境を打ち明け、危険を承知の上で京城に向かうべきかどうかを尋ねた。袁嵋(えん び)は愛情を込めて慰め、どんな結果になろうとも、自分が支えになると励ました。

京城では、呉廉が大理寺に向かった。彼の目的は明らかだった。一方、三娘は旧友の羅琼(らけい)の助けを借りて禁軍の陣営に潜入し、呉廉と禁軍の癒著を暴いた。彼女は目撃したことを詳細に記録し、羅琼(らけい)に密書を託した。羅琼(らけい)を守るため、三娘は身を挺して追っ手を引きつけた。

羅琼(らけい)は手紙を持って急いでいると、劉薪(りゅうしん)と再会した。淮州(わいしゅう)城での記憶が蘇り、彼女は三娘の依頼通り、密書を劉薪(りゅうしん)に渡した。孟宛はそれを受け取り、呉廉がなぜ文繡院の院長にこだわるのか疑問に思った。よく考えると、呉廉の真の目的は、京師の百官の刑事事件を裁く権限を持つ大理寺右寺卿の座にあるのではないかと推測した。正義と陰謀をめぐる戦いが、京城で静かに幕を開けた。

第18話の感想

第18話は、孟宛と三娘の葛藤が描かれた回だった。孟宛は清水(せいすい)庵の住職の言葉に心を揺さぶられ、道義と私情の間で苦悩する。一方、三娘は呉廉を倒すためには手段を選ばないという考えを持ち、孟宛と対立する。

特に印象的なシーンは、三娘が呉廉に呼び出される場面だ。呉廉は三娘の行動をすべて把握しており、三娘は窮地に立たされる。このシーンは、呉廉の恐ろしさを改めて感じさせるものだった。

また、三娘が潯州(じんしゅう)城に戻ることを決意した場面も印象的だった。孟宛は三娘の決意を受け入れ、劉薪(りゅうしん)に靴を預ける。このシーンは、孟宛と三娘の友情の深さを示している。

つづく