花の告発~煙雨に仇討つ九義人~ 第20話 あらすじ/ネタバレ

淮州(わいしゅう)城で一年に一度の刺繡大会が開催されます。精巧な刺繍(ししゅう)技術で有名なこの古城には、国内外から多くの名士が集まり、鑑賞や取引が行われます。今年は特に、煙雨繡楼が大会を主催することになり、城内は大騒ぎになりました。人々は、この背後に京の勢力が関わっているのではないかと噂し、呉廉(ごれん)の名前が頻繁に挙がりました。

しかし、呉廉(ごれん)の思惑はそれだけではありませんでした。彼は、捕らわれている京の名妓・柳三娘(りゅうさんじょう)を餌に、宿敵である孟宛(もうえん)とその七義人を誘き出す計画を立てていました。気性の強い三娘は、呉廉(ごれん)の企みを知りながらも抵抗できず、運命に翻弄されるしかなかったのです。

知らせを受けた孟宛(もうえん)は、三娘の危険な状況を察知し、救出に向かいます。しかし、七義人はすでにバラバラになっており、連絡が取れない状態でした。孟宛(もうえん)は、かつての合図として花火を打ち上げ、仲間たちに合流を呼びかけます。火の光が夜空を照らし、竹林を照らし、三娘の心にも希望の火を灯しました。

間もなく、竹林の外から足音が聞こえてきます。しかし、来たのは七義人全員ではなく、徐之旸(じょしように)だけでした。彼は誤解と怒りを抱えて、孟宛(もうえん)が他の男と密会している理由を問い詰めます。孟宛(もうえん)は冷静に説明し、現在の緊急事態を明かします。緊張が高まる中、沈牧(しんぼく)が及時に現れ、身分を明かして誤解を解きます。その後、残りの5人も続々と到著し、七義人は再び集結し、困難に立ち向かいます。

刺繡大会は夜に開幕します。七義人は大会の混乱を利用して、巧みに分担し、煙雨繡楼に潜入します。苦労の末、彼らは鉄鎖で繋がれた三娘を見つけます。この残酷な現実を目の当たりにした孟宛は、盗んだ鍵で三娘を助けようとしますが、鍵は偽物であることが判明し、すべてが呉廉(ごれん)の罠であることがわかります。

三娘は自分が矢面に立たされていることを悟り、仲間を巻き込みたくないと考え、自らを犠牲にすることを決意します。彼女は咲顔で仲間たちに退去を促し、同時に灯油に火をつけます。瞬く間に、煙雨繡楼は炎に包まれます。炎の中で、三娘の姿は決然として壮絶です。彼女の犠牲により、七義人は安全に撤退することができ、この汚れた繡楼は炎の中で相応の罰を受けることになりました。

呉廉(ごれん)は遠くから灰と化した煙雨繡楼を眺め、複雑な心境に陥ります。彼が綿密に計画した策略は、期待通りの効果をもたらすどころか、彼自身をより深い窮地に追いやってしまいました。この大火は、繡楼を焼き尽くしただけでなく、彼の野望と企みをも焼き尽くしてしまったのです。

一方、七義人はこの危機の中で、互いへの信念と友情をさらに強固なものにしました。彼らは、これからも長い道のりが続くことを知っていますが、心を一つにしていれば、どんな困難も乗り越えられると信じています。

第20話の感想

第20話は、緊迫感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に、三娘の決意と犠牲には胸を打たれました。彼女の強い意誌と仲間への想いは、見る人の心に深く刻まれるでしょう。

また、七義人の絆の強さも改めて感じさせられました。困難に直面しても、彼らは決して諦めず、互いに助け合いながら立ち向かっていきます。そんな彼らの姿は、私たちに勇気を与えてくれるでしょう。

一方で、呉廉の悪辣さは際立っていました。彼は自分の利益のために、他人を平気で犠牲にします。彼の策略は巧妙でしたが、最終的には自滅することになりました。これは、悪事には必ず報いがあることを教えてくれる教訓的なエピソードと言えるでしょう。

つづく