花の告発~煙雨に仇討つ九義人~ 第22話 あらすじ/ネタバレ

章榕児(しょうようじ)は、呉廉(ごれん)の執拗な迫害に耐えかね、名ばかりの夫婦関係に終止符を打つべく、離縁を申し出る。しかし、当時の女性の運命は己の手にはなく、離縁への道のりは険しいものであった。章母は娘の将来を案じ、密かに策略を練る。京の人脈を利用して呉廉(ごれん)に重い「冷茶」を差し出し、離縁状を手に入れ、章榕児(しょうようじ)を解放しようと企てる。

しかし、呉廉(ごれん)は思わぬ形で文繡院の院長に昇進する。この事態に章榕児(しょうようじ)は苦海からの脱出に希望を見出す。彼女は実家から持参した嫁入り道具を急いでまとめ、自由への憧れを抱きながら章(しょう)家へと戻る。

しかし、孟宛(もうえん)たちは事態の異変に気づき、素早く行動を起こし、章榕児(しょうようじ)を清水(せいすい)庵へと連れ去る。彼女たちの目的は、章榕児(しょうようじ)の心のわだかまりを解きほぐすことであった。

章榕児は孟宛(もうえん)の誘いを無視する。彼女の心は過去の傷で満たされており、呉廉(ごれん)に関わる人や事には一切触れたくないと考えていた。しかし、孟宛(もうえん)の粘り強い説得により、清水(せいすい)庵へと連れて行かれ、田小玲(でんしょうれい)と再会を果たす。

孟宛(もうえん)の説得を受け、章榕児はついに堪えきれず、涙を流しながら長年の委屈と無念を訴える。彼女は、どのようにして従兄弟に騙され、清白を奪われ、その後も様々な勢力に翻弄されてきたかを語る。そして、もう過去とは完全に決別し、新しい人生を歩みたいと願う。

孟宛(もうえん)は章榕児の言葉を聞き、同情と怒りを同時に感じる。彼女は、このままでは章榕児は牢獄(ろうごく)から牢獄(ろうごく)へと移るだけだと悟る。孟宛は章榕児に自分の心に正直になり、勇敢に立ち上がるよう促す。章榕児は、呉廉(ごれん)の悪行を記した小帳簿を握っていることを明かす。それは彼女にとって最後の武器であった。

しかし、呉安(ごあん)は章榕児と孟宛の会話を盗み聞きし、帳簿を奪い去ってしまう。呉廉は七義人を誘き出すため、巧妙に罠を仕掛け、李春風(りしゅんふう)は不運にも捕らわれてしまう。呉廉の脅迫に遭った李春風(りしゅんふう)は必死に抵抗するが、敵わずに敗北する。呉廉は帳簿を手に入れた後も仮省の色を見せず、罪証を隠滅しようと公衆の面前で帳簿を燃やしてしまう。

その時、孟宛と劉薪(りゅうしん)が駆けつけ、李春風(りしゅんふう)と孟宛を救出する。しかし、李春風(りしゅんふう)は重傷を負っており、運命のいたずらから逃れることはできなかった。彼は最期に孟宛に、田小玲(でんしょうれい)の面倒を見て、無理に下山させないようにと頼む。

乞巧節の夜、田小玲(でんしょうれい)は期待に胸を膨らませて庭にやってくるが、李春風(りしゅんふう)の訃報を聞かされ、心は打ち砕かれる。

李春風(りしゅんふう)の後事を処理するため、人々は彼の家に集まり、田小玲(でんしょうれい)の到著を待つ。しかし、田小玲(でんしょうれい)は姿を現さず、代わりに婁明章(ろうめいしょう)が呉廉の勢力が強大すぎて助けることができないという知らせをもたらす。現実の無力さを前に、婁明章(ろうめいしょう)夫妻は悔恨の念を抱きながら町を後にし、京へと向かう。

一方、孟宛は城門に立ち、婁明章(ろうめいしょう)の馬車を阻止し、李春風(りしゅんふう)ら被害者のために公然と冤罪を晴らすことを決意する。

第22話感想

第22話は、物語の大きな転換点となる重要な回でした。章榕児がついに呉廉との離縁を決意し、自由への希望を見出す一方で、李春風(りしゅんふう)が呉廉の罠に嵌り、命を落としてしまうという悲劇も描かれました。

章榕児の苦悩と決意は、見ていて胸が痛みました。彼女は名ばかりの夫婦関係に苦しめられ、自分の意誌で人生を歩むことができない状況に置かれていました。しかし、孟宛たちの支えもあり、彼女は立ち上がり、自分の幸せを掴むために闘うことを決意します。

一方、李春風(りしゅんふう)の死は、物語に大きな衝撃を与えました。彼は正義感の強い人物であり、常に弱き者のために闘ってきました。彼の死は、呉廉の残虐さと、悪がはびこる世の中の理不尽さを浮き彫りにしました。

この回では、孟宛の成長も描かれていました。彼女は章榕児を救うために奔走し、呉廉の悪行を暴こうとします。彼女の勇気と正義感は、見ていて感動しました。

つづく