『花の告発~煙雨に仇討つ九義人~』第23話 あらすじ/ネタバレ

如蘭(じょらん)堂の冤罪は再び訴えられることになりました。かつて証人として助けられなかった孟宛(もうえん)は、今では成長し、田小玲(でんしょうれい)と共に呉廉(ごれん)の真の姿を暴くために立ち上がります。婁明章(ろうめいしょう)は、この事件が大きな波紋を呼ぶことを悟り、翌日には裁判を開くことを決意します。

孟宛(もうえん)は、この行動が徐(じょ)家にも影響を及ぼすことを知り、徐之旸(じょしように)との縁を切って徐(じょ)家を守るために急いで家に帰ります。機の上には、墨が乾いていない離縁状が置かれていました。徐之旸(じょしように)は複雑な表情で孟宛(もうえん)を見つめ、本当に未練がないのかと問います。孟宛(もうえん)は、徐(じょ)家での7年間は人生で最も美しい時間だったと告げ、今は過去に終止符を打つために来たのだと静かに答えます。徐之旸(じょしように)は仕方なくため息をつき、和離状に換えようとしますが、孟宛(もうえん)は離縁状でなければ完全に縁を切れないと主張します。徐之旸(じょしように)は筆を執り、ついに署名します。二人は情を断ち切りました。

別れ際、徐之旸(じょしように)は孟宛を気遣い、箱を贈りますが、孟宛は黄記(こうき)繡庄にしばらく滞在すると断ります。馬車が到著し、徐之旸が見送ろうとしますが、孟宛は一人で行くことを主張します。門口まで来ると、彼女は振り返って深く一礼し、これまでの庇護に感謝し、徐之旸の無事を祈ります。徐之旸は咲顔で見送り、孟宛の姿が遠ざかるまで「無事で」とつぶやきます。

夜が更け、孟宛は呉廉(ごれん)が田小玲(でんしょうれい)に不利な行動に出ることを予測し、準備を整えます。彼女は田小玲(でんしょうれい)を清水(せいすい)庵に避難させ、黄嬌嬌(こうきょうきょう)の屋敷に残り、罠を仕掛けます。案の定、呉安(ごあん)が現れますが、孟宛は官差を配置して待ち構えており、彼を取り囲みます。

翌日、府衙門前には人が集まり、煙雨繡楼の旧人である高程程(こうていてい)もその中にいました。法廷では、呉廉(ごれん)は巧みに言い逃れようとしますが、七義人は心を一つにして真相を明らかにしようとします。劉薪(りゅうしん)は呉安(ごあん)の出自を突破口に、道理を説きます。沈牧(しんぼく)は趙玉誠(ちょうぎょくせい)を連れて現れ、黄嬌嬌(こうきょうきょう)も勇敢に立ち上がり、当時の偽証を告発します。趙玉誠(ちょうぎょくせい)は利益と道義の間で葛藤した末、ついに真実を吐露し、丁茹(ていじょ)の直筆の手紙が証拠として提出されます。

しかし、呉安(ごあん)は突然態度を変え、孟宛を陥れようとします。事態は急変します。この時、田小玲(でんしょうれい)が立ち上がり、衣服を脱ぎ捨て、肩の梅の花の刺青を露わにします。それは呉廉(ごれん)の暴行の動かぬ証拠でした。彼女は涙ながらに当時の出来事を語り、その言葉は人々の心を揺さぶります。

しかし、これだけでは呉廉(ごれん)を罪に問うことはできません。孟宛は、被害者の勇気を呼び覚ますことだけが真実を明らかにできると知っています。彼女は人々に呼びかけ、最初は誰も仮応しませんが、その勇気と信念は、やがて人々の心に波紋を広げていきます。高程程(こうていてい)は法廷で証言することはできませんでしたが、もう黙っていることはないと決意します。孟宛は機転を利かせ、婁明章(ろうめいしょう)に屏風を立てて匿名で名前を書き残すことを提案し、被害者のプライバシーを守ることを訴えます。却下されてしまいましたが、彼女の知恵と優しさが示されました。

最終的に、呉廉と呉安(ごあん)は法廷で罪を認めませんでしたが、真相は春風のように淮州(わいしゅう)の街に根を張り、芽吹きました。孟宛と田小玲(でんしょうれい)の勇気は、自分たちのために正義を勝ち取っただけでなく、多くの人々が不公正に立ち向かい、声を上げる勇気を与えました。この日は、正義と勇気の力を証明した淮州(わいしゅう)の歴史に刻まれる日となりました。

第23話の感想

第23話は、物語の大きな転換点となる重要な回でした。7年前に起きた冤罪事件の真相が明らかになり、主人公である孟宛と田小玲(でんしょうれい)の勇気ある行動が淮州(わいしゅう)の街に大きな変化をもたらします。

特に印象的だったのは、孟宛と徐之旸の別れと田小玲(でんしょうれい)の告白のシーンです。孟宛は、徐(じょ)家を守るために自分の気持ちを押し殺して離縁状を突きつけ、徐之旸は複雑な表情でそれを受け入れます。二人の切ないやり取りは、愛と責任の葛藤を鮮明に描き出していました。

また、田小玲(でんしょうれい)が肩の刺青を露わにして呉廉の暴行を告発するシーンは、衝撃的でありながらも彼女の強い意誌を感じさせられました。このシーンは、被害者が声を上げることの大切さを訴えかけており、大きな感動を与えてくれます。

つづく