斛珠夫人~真珠の涙~ 第17話 あらすじ/ネタバレ

方鑑明(ほうかんめい)が辺境で敵と戦い、戦況報告が都に届く。帝旭(ていそく)は日中は政務をこなし、夜は過去の出来事に心を悩ませていた。その頃、庭園ではテイ蘭が侍女たちと話をしており、物語に出てくる男女の愛に憧れていた。

帝旭(ていそく)は庭園を通りかかった際にテイ蘭たちの会話を耳にし、興味を持った。そして愈安宮に泊まり、テイ蘭に物語を聞かせてもらうことにした。物語を聞いているうちに帝旭(ていそく)は眠りに落ち、夢の中で偏殿にいる自分に気づく。そこには方鑑明(ほうかんめい)と、冷たくなった人頭が置かれていた。

帝旭(ていそく)は17歳になるまでは人を殺したことがなかったが、17歳を過ぎると戦場に出向き、忠臣を殺した。帝旭(ていそく)と共に反乱を鎮圧し、天下を平定した六翼将は、建国から5年の間に4人が亡くなり、方家と蘇家のみが残った。このことから、両家の間に恨みの種が芽生えた。

方鑑明(ほうかんめい)は蘇鳴(そめい)は常に忠義を尽くしており、蘇鳴(そめい)の父も帝旭(ていそく)のために亡くなったため、蘇家の血筋だけでも守ってほしいと懇願した。しかし、名将の死は功績が高すぎたためではなく、帝旭(ていそく)が戦争を嫌い、人々が苦しむのを望まなかったためだった。彼らは儀王の乱ではなく、この平和な時代に命を落とした。

悪夢から覚めた帝旭(ていそく)は、我を忘れてテイ蘭を傷つけそうになる。落ち着きを取り戻した帝旭(ていそく)は、テイ蘭に物語の続きを聞かせてもらう。翌日、テイ蘭に支度をしてもらった帝旭(ていそく)は、紫宸殿へと急いだ。一方、季昶は閑職に就き、朝議に出席しても怠惰な性格は変わらず、堂々と居眠りをしていた。

大臣たちは帝旭(ていそく)に各地の状況を報告し、泉明港の刺史が北部の寒波による難民救済のために開倉を懇願した。他の大臣たちは反対したが、帝旭(ていそく)は開倉を命じた。誰もこの困難な任務を引き受けようとしなかったが、蘇鳴(そめい)が泉明港への赴任を志願した。

出発に際し、蘇鳴(そめい)は城門前で跪いて泣きながら、帝旭(ていそく)の恩に感謝した。帝旭(ていそく)はこれを聞いて感慨深げに、「もしあの時、今日のことを知っていたら」とつぶやいた。その頃、張承謙は密かに調査を行い、方鑑明(ほうかんめい)に報告した。また、蘇鳴(そめい)が開倉を支援していることを伝え、蘇鳴(そめい)が黄泉関を迂回して鵠庫の領地に向かい、二度と戻ってこないのではないかと懸念した。

方鑑明(ほうかんめい)は海市(かいし)を看病しており、薬を飲ませているが、海市(かいし)はまだ意識を取り戻していない。サリヤは悲しみに暮れ、一族を率いて海市(かいし)が危機を乗り越えられるように神に祈った。符義(ふぎ)は医師を連れて海市(かいし)の診察に訪れたが、それは表面的なものであり、別の思惑があった。

張承謙は手がかりを追っているうちに、烏の羽根を発見した。大徴朝では蘇家だけが烏を使って情報を伝えていることを思い出す。方鑑明(ほうかんめい)は張承謙に方卓英(ほうたくえい)に伝言を送り、蘇鳴(そめい)を天啓城に連れ戻すように命じた。もし蘇鳴(そめい)が従わなければ、その場で斬首せよと命じた。符義(ふぎ)も張承謙との会話の中で、相手の靴底に烏の羽根があることに気づき、蘇鳴(そめい)の正体がバレていることを知った。

方鑑明(ほうかんめい)は張承謙に千年霊芝を取ってくるように頼み、符義(ふぎ)に会うことはできないため、サリヤに接待を任せた。歓迎の宴で、符義(ふぎ)は右菩敦王の新しい王妃について故意に話題を出し、その人物が海市(かいし)と関係があるかどうかを探ろうとした。張承謙とサリヤは協力して別の話題にすり替え、それ以上追求しなかった。

蘇鳴(そめい)一行は昼夜兼行で都穆闌城に到着した。そこで方鑑明(ほうかんめい)が将軍府が鵠庫に情報を伝えている証拠を掴んだという情報を得た。正体がバレたことで、蘇鳴(そめい)は完全に裏切り、淤河に沿って涣海に向かい、瀚州左部に投靠して左菩敦王奪洛(だつらく)のもとへ向かうことにした。

本来、方卓英(ほうたくえい)は柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)に自分の正体を明かす勇気を持っていたが、方鑑明(ほうかんめい)から任務を伝えられた。出発前に、方卓英(ほうたくえい)は柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)に蛍を捕まえてプレゼントし、屋根に座って柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)を見守っていた。柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)が喜んでいるのを見て、自分も嬉しくなり、任務を終えて戻ってきたら必ず会いに来ると心に誓った。

張承謙は蘇鳴(そめい)の行方を突き止め、鵠庫に寝返ることを恐れて、黄泉関で阻止することを提案した。もし涣海に入れば、追跡は不可能になり、虎を逃がすようなものだ。方鑑明(ほうかんめい)は張承謙の懸念はもっともだと考え、すぐに蘇鳴(そめい)を捕まえに行くように命じた。その瞬間、屋内からサリヤの悲鳴が聞こえてきた。方鑑明(ほうかんめい)は急いで部屋に入ると、海市(かいし)が血を吐いて、息が弱くなっているところだった。

サリヤは海市(かいし)を救うために、迦満皇族唯一の聖薬を取り出した。海市(かいし)は飲み込むことができないため、方鑑明(ほうかんめい)は口移しで薬を与え、真気を送り続けた。6時間後、ようやく止まった。幸いにも聖薬の効果が現れ、海市(かいし)の脈拍は落ち着き、命は助かった。

鞠典衣は帝旭(ていそく)に常服を縫って届け、ついでに方鑑明(ほうかんめい)の様子を尋ねた。しかし、細作が目を覚ましたと聞くと、普段は落ち着いている鞠典衣も少し慌てた様子だった。帝旭(ていそく)は綾錦司の技術を褒め称え、一人一人に杏仁茶を賜った。鞠典衣は思い悩んだ様子で茶を飲み、他の刺繍娘たちも我先にと茶碗を手に取った。

柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)は一口飲んだが、まだ飲み終わらないうちに、誰かがノックをする音が聞こえてきた。来たのは宮中の衛兵だった。柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)は官服を取り出して衛兵に渡し、見送った後、体調が優れないことに気づいた。大広間に戻ると、刺繍娘たちが倒れており、親友や鞠典衣までもが血を吐いて死んでいた。柘榴(しゃりゅう)(しゃりゅう)は助けを求めて外に駆け出そうとしたが、毒が回って意識を失ってしまった。

第17話の感想

第17話は、物語が大きく動き、衝撃的な展開が続きました。

印象に残ったシーン

  • 帝旭(ていそく)が夢の中で過去の出来事を思い出すシーン。蘇家の悲劇や、戦争に対する思いが描かれており、帝旭(ていそく)の心の葛藤が伝わってきました。
  • 蘇鳴(そめい)が帝旭(ていそく)への忠誠心を捨て、鵠庫に寝返るシーン。蘇鳴(そめい)の苦悩と決断が描かれており、複雑な気持ちになりました。
  • 海市(かいし)が毒を盛られて倒れるシーン。衝撃的な展開で、今後の展開が気になります。

その他の感想

  • 帝旭(ていそく)とテイ蘭の関係が少しずつ進展しているのが微笑ましかったです。
  • 方鑑明(ほうかんめい)と海市(かいし)の絆が深まっているのが感じられました。
  • 鞠典衣の行動が気になります。

つづく