馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第1話 あらすじ/ネタバレ

北淵(ほくえん)の地

傷だらけの紀雲禾(きうんか)を連れて、長意(ちょうい)は故郷である北淵(ほくえん)に戻ってきた。重傷のため、紀雲禾(きうんか)は昏睡状態が続く。長意(ちょうい)は心を痛め、腕利きの空明(こうめい)に治療を依頼する。

空明(こうめい)は、紀雲禾(きうんか)の体内には乾坤両極の力が無理やり注ぎ込まれていることを確認する。これにより双脈が形成され、霊丹が凝結し、寒霜の束縛を破ることに成功したものの、彼女の身体は大きな仮噬を受けていた。さらに汝菱(じょりょう)との死闘により、元気を失い、傷だらけになっていた。長意(ちょうい)は、紀雲禾(きうんか)の苦しみを目の当たりにして、怒りと無力感に苛まれる。

卿玄(けいげん)の安置

卿瑶(けいよう)は、重傷で昏睡状態の卿玄(けいげん)の安置について、長意(ちょうい)と空明(こうめい)に相談を持ちかける。長意(ちょうい)は、紀雲禾(きうんか)を湖心島で静養させ、厳重な結界を張り、羅羅に警備を任せることを決断する。

一方、卿玄(けいげん)は一族を守るため、寧清(ねいせい) と死闘を繰り広げる。最終的に霊力が尽き、凝丹術で霊脈を保つものの、長眠状態に陥ってしまう。卿瑶(けいよう)は父の命を救うため、空明(こうめい)の提案を受け入れ、卿玄(けいげん)を氷漬けにすることを決意する。長意(ちょうい)は自らの手で卿玄(けいげん)を氷漬けにする。

北淵(ほくえん)と仙師府の戦いの後

北淵(ほくえん)と仙師府の戦いの後、洛錦桑(らくさんそう)、雪三月(せつさんげつ)、離殊(りしゅ)、青羽鸞鳥の青姫(せいき)一行が北淵(ほくえん)を訪れる。洛錦桑(らくさんそう)は、紀雲禾(きうんか)が長意(ちょうい)によって湖心島に「幽閉」されていることを知り、何度も接近を試みるが失敗する。そこで、雪三月(せつさんげつ)に助けを求める。

雪三月(せつさんげつ)は長意(ちょうい)に詰め寄ろうとするが、長意(ちょうい)は青姫(せいき)の援護に感謝し、寧清(ねいせい) がこのまま諦めないと心配して、念のため青姫(せいき)に留まるよう説得する。

青姫(せいき)は寧清(ねいせい) との戦いで負傷し、寧清(ねいせい) の力が強くなっていることに気づき、長意(ちょうい)に注意するよう忠告する。

その頃、紀雲禾(きうんか)がようやく目を覚ます。羅羅が急いで長意(ちょうい)に知らせ、長意(ちょうい)と青姫(せいき)は急いで湖心島に戻る。洛錦桑(らくさんそう)は長意(ちょうい)を呼び止め、紀雲禾(きうんか)を幽閉した理由を問い詰めるが、長意(ちょうい)は黙り込む。洛錦桑(らくさんそう)は失望して長意(ちょうい)を罵倒するが、離殊(りしゅ)が魚スープで場を和ませ、長意(ちょうい)は急いで立ち去る。

洛錦桑(らくさんそう)の決意

洛錦桑(らくさんそう)は心を乱され、青姫(せいき)に助けを求めるが失敗に終わる。雪三月(せつさんげつ)は紀雲禾(きうんか)を救出する決意を固めるが、離殊(りしゅ)の説得は聞き入れられない。

紀雲禾(きうんか)は目を覚まし、窓の外に降りしきる雪を見つめ、憧れを抱く。令牌を盗んで湖心島から脱出することを決意するが、長意(ちょうい)が魚スープを持って戻ってきて、薬膳を無理やり飲ませる。2人の間には誤解と愛情が交錯し、微妙な空気が流れる。

汝鈞(じょきん)と汝菱(じょりょう)

一方、汝鈞(じょきん)は毀容された汝菱(じょりょう)を天界に連れ帰る。汝菱(じょりょう)は怒り狂い、汝鈞(じょきん)に怒りをぶつける。汝鈞(じょきん)は仕方なく合虚神君(ごうきょしんくん)に助けを求め、寧清(ねいせい) との戦いを決意する。しかし、寧清(ねいせい) は汝鈞(じょきん)を相手にせず、一時的に妥協するものの、復讐を誓う。汝鈞(じょきん)は神兵を召喚しようとするが、修為が足りず失敗し、意気消沈する。

林昊青(りんこうせい)の潜入

林昊青(りんこうせい)は解毒剤を盗むため仙師府に潜入し、悪霊を使って混乱を起こし、解毒剤を探し回る。静室で、彼は寧清(ねいせい) が大切に保管している肖像画を発見し、寧清(ねいせい) が汝菱(じょりょう)に執著しているのは彼女の容姿であって、彼女本人ではないことに気づく。寧清(ねいせい) と謎の男の会話は、さらなる陰謀を明らかにし、2人は天下を混乱に陥れる計画を立てる。

紀雲禾(きうんか)と卿瑶(けいよう)

一方、紀雲禾(きうんか)の湖心島での生活は平穏ではなく、侍女の悪口に耐えきれず、ついに狐火で仮撃する。長意(ちょうい)が駆けつけて事態を収拾するが、2人の関係はさらに複雑になる。卿瑶(けいよう)は侍女から紀雲禾(きうんか)が狐火を持っていることを聞き、疑念を抱く。身份と憎悪をめぐる嵐が静かに近づいている。

第1話 感想

第1話は、激しい戦いから一転、静かながらも緊迫感のある展開が魅力的でした。傷ついた紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)の複雑な関係、寧清(ねいせい) の陰謀、そして新たな謎の登場など、今後の展開が気になる要素が満載です。

特に印象的だったのは、紀雲禾(きうんか)と長意(ちょうい)のシーンです。互いへの想いと誤解が交錯する様子は、胸を締め付けられるような切なさを感じさせました。また、寧清(ねいせい) の冷酷さと謎の男との会話は、この物語が単なる恋愛譚ではなく、大きな陰謀に巻き込まれていくことを予感させます。

つづく