御鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第12話 あらすじ/ネタバレ

紀雲禾(きうんか)の夢

紀雲禾(きうんか)は夢に悩まされていた。夢の中の男の悲しみは、彼女の首に滴り落ちる真珠の涙のように、彼女を苦しめていた。林昊青(りんこうせい)は夢の源に気づき、さりげなく話題を変え、自身の経験から、時が経ち、前に進むべきだと諭した。

解毒剤の完成

林昊青(りんこうせい)と思語(しご)は、解毒剤の完成に近づいていた。最後の材料である極寒を防ぐことができる蓟柏草さえあれば、完成できる。東濂(とうれん)の長老が人間界で蓟柏草の手がかりを発見したという朗報に、林昊青(りんこうせい)は希望に満ち溢れ、解毒剤が完成したら紀雲禾(きうんか)を連れて各地を旅することを計画した。思語(しご)は林昊青(りんこうせい)の喜びを祝いながらも、心の中では不安を感じていた。

奇鋒(きほう)の失態

一方、奇鋒(きほう)は卿瑶(けいよう)が長意(ちょうい)に従うことに不満を抱いていた。酒に酔った彼は、符恒(ふこう)の弟に挑発され、駐地を明け渡し、卿瑶(けいよう)を娶ると宣言された。怒りに任せた奇鋒(きほう)は誤って相手を殺してしまい、盧謹炎(ろきんえん)に罪を著せた。この事件は誤解と衝突を引き起こした。長意(ちょうい)は調査に乗り出し、奇鋒(きほう)を疑ったが、証拠が不十分なため、盧謹炎(ろきんえん)と符恒(ふこう)を無妄窟に閉じ込めるしかなかった。

紀雲禾(きうんか)の幻術

その頃、紀雲禾(きうんか)は幻術を完成させ、男の姿に変身して喜んでいた。林昊青(りんこうせい)の解毒剤が完成したら、自由な旅に出かけられると期待していた。しかし、錬丹炉の爆発と東濂(とうれん)の長老が襲撃されて重傷を負ったという知らせが相次ぎ、林昊青(りんこうせい)は決断を迫られた。夜通し紀雲禾(きうんか)の荷物をまとめ、彼女を人間界に避難させ、思語(しご)に同行させた。

洛錦桑(らくさんそう)と空明(こうめい)

洛錦桑(らくさんそう)は人間界で瞿暁星(くぎょうせい)と偶然出会い、誤解と騒動の末、空明(こうめい)に連れ去られた。二人は心を通わせ、洛錦桑(らくさんそう)は外見の変化を受け入れ、自信を取り戻した。

紀雲禾(きうんか)の人間界

紀雲禾(きうんか)は人間界に初めて足を踏み入れ、その繁栄ぶりに魅瞭され、自由と美食を満喫した。しかし、偶然、御霊師と仙師府の弟子たちの衝突に巻き込まれ、姬寧(きねい)をかばったことで、洛錦桑(らくさんそう)と衝突してしまった。空明(こうめい)が現れて争いを鎮めたが、紀雲禾(きうんか)は洛錦桑(らくさんそう)の正体について誤解を深めてしまった。

長意(ちょうい)の苦悩

長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)を失った悲しみに沈んでいた。青姫(せいき)の訪問も彼を完全に目覚めさせることはできず、彼は依然としてアルコールで自分を麻痺させていた。一方、無妄窟に閉じ込められた紀雲禾(きうんか)は、自分の境遇を知り、姬寧(きねい)、符恒(ふこう)、盧謹炎(ろきんえん)と協力して脱出することを決意した。紆余曲折を経て、彼らは見張りを騙し、無妄窟を脱出した。

逃亡後の紀雲禾(きうんか)

脱出した紀雲禾(きうんか)は、北淵(ほくえん)と紀雲禾(きうんか)の名前を耳にしたものの、深く追求することはなく、旅を続けることにした。この予期せぬ脱走は、彼女の運命に大きな影響を与えることになる。

第12話の感想

第12話は、様々な展開が絡み合い、見応えのある内容でした。特に印象に残った点は以下の3つです。

  1. 紀雲禾(きうんか)の夢と現実の対比

紀雲禾(きうんか)の夢は、彼女の心の中に残る長意(ちょうい)への愛と悲しみを象徴しています。一方、現実では彼女は人間界で自由を謳歌し、新しい出会いを経験しています。夢と現実の対比は、紀雲禾(きうんか)の複雑な心情を浮き彫りにしています。

  1. 長意(ちょうい)の苦悩と青姫(せいき)の登場

長意(ちょうい)は紀雲禾(きうんか)を失った悲しみに囚われ、青姫(せいき)の言葉も届きません。彼の苦悩は見ていて胸が痛みます。そんな長意(ちょうい)の前に青姫(せいき)が現れますが、彼女がどのような目的で現れたのか、今後の展開が気になります。

  1. 無妄窟からの脱走

紀雲禾(きうんか)は姬寧(きねい)、符恒(ふこう)、盧謹炎(ろきんえん)と協力して無妄窟からの脱走に成功します。この脱走劇はハラハラドキドキする展開で、最後まで目が離せませんでした。

つづく